YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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5-10 魔霧:招来・1

 

扉を開けると、そこには少年がいた。青い髪に眼鏡を掛けた少年だ。しかし少年はサーヴァント:キャスターだ。だがそのことに誰も気がついてない。これは由々しき事態なのだろうか、否である。目の前のサーヴァントが強くは見えない。ならば今すぐ戦闘が始まることはないだろうと。ここまで凡そ1秒の出来事である。

 

「・・・ようやくか。待ちくたびれたぞ馬鹿ども。おかげで読みたくもない小説を1シリーズ、二十冊近く読み潰すハメになった」

 

「アンタが救援要請者で間違いないな?」

 

「フォウ・・・?」*1

 

「その通りだ。おまえたちがヘンリー・ジキル氏の言っていた救援だと今の言葉で確信した。では、早速こちらの状況を伝えるとしようか。この古書店の老主人は、既に魔本に襲われた。ソーホーエリアの半数近くが同じ状況だ。醒めない眠りに落ち、今も仲良く夢の中と言うわけさ」

 

「で、魔本は今どこにいるのか分かってるか?」*2

 

「奴はこの古書店の二階住居・・・つまり、まだこの階にいる。隣の書斎だ」

 

ほーん・・・みえねぇな・・・

 

「・・・!先輩、屋内戦闘は危険です。狭い閉鎖空間での戦闘はなるべく避けましょう戦闘による影響が、あの少年と先輩に及んでしまう可能性があります」

 

「そう言うことなら広い場所で戦闘しよう」

 

「・・・はい、ではモードレッドさん」

 

「おう、いくぞ!」

 

あーらら、外に誘き出してそのまま戦闘開始・・・んー、変な相手だな

 

「おい、おまえは行かないのか?」

 

「それなら・・・あーいや、そっか。まぁアイツら出汁にして相手のことを探りたいんだよ。なぁ、()()()()()?」

 

「ふっ、おまえは他の奴らとは違いすぐに見抜いたか。一応何故気付いたのか聞いておこうか。あの騎士もサーヴァントだろうが俺には気がついてない様子だったからな」

 

「そりゃ探る方法が違う。俺は相手の魂の輪郭を見る。アイツらは魔力で見る。それなら俺は阻害されずアイツらは阻害される。単純な話だろうが」

 

「はっはっはっ、なるほど。魔術師にはそう言う見方をする事ができる人もいるのか」*3

 

「ちなみに名前は明かす気はあるか?」

 

「明かさない・・・と言ったらどうなるかね?」

 

「んー・・・いや、どうもしない。なんとなぁくで聞きたいってだけだからな、それに・・・そろそろあの魔本についても分かってきた。アイツは俺にとことん弱い」*4

 

ってことでレッツ乱入

 

「よっ、どうだ?」

 

「クソッ!当たってるはずなのに攻撃が通らねぇ!何だこの本!」

 

「私にも不明です。確かに攻撃は届いてるはずなのに、倒れません!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

相変わらず魔本はプカプカと浮かんでいるなぁ

 

「ああ、もう、ぷかぷか浮かびやがって!本のクセに生意気な、落丁本か何かかテメェ!」

 

「どちらかというと発禁本だがな。その内容が真なら本であれ人を殺せる、と言う話さ」

 

「さっきの子・・・いけません、外に出ては!ここは危険です。避難を!」

 

「魔本から目を離すなお嬢さん。俺のことはいい、言うことを言ったらさっさと逃げる」

 

「おまえ・・・いい声してやがると思ったが、まさか。もしかして、サーヴァントか?くそ、オレの勘も霧のせいでうまく働かん!」

 

「やっと気がついたか。そう、俺もお前と同じ英霊だ。というか───このタイミングで悠々と稀覯本を読み漁っている子供が普通(まとも)だとでも思ったか?魔力感知の感度はともかく、読み手としての勘は下の下だなセイバー。もっと本を読め。一階のEの棚のシリーズがオススメだぞ。おまえの好きそうな夢と浪漫とバッドエンドが詰まっている」

 

「バッドエンド推しの作家・・・おまえアンデルセンか?」

 

「ほう、よく分かったな。そうだ。ハンス・クリスチャン・アンデルセン。クラスはキャスターだ。詳しく知りたいなら俺の本を一冊でも読め」

 

師範曰く【偽物の虚構の世界】があるらしく。そこのアンデルセンは偽物に非ず、ただのアルターエゴとのこと。そしてその性格は【バッドエンド廚のアンデルセン】だったんだと。なるほどな、本物か*5

 

「え。えっ───えぇぇえっ!?作家ハンス・クリスチャン・アンデルセン───すごい・・・世界三大童話作家の一角ですよ、先輩!」

 

「童話、好きなの?」

 

「あっ、いえ・・・その・・・好きと言うか、相当数の読み直しをした程度で」

 

「ほう。その調子、隠さなくてもハッキリ分かるぞ!さては愛読者だな!サーヴァントにも愛読者か!」*6

 

「んじゃここまでで一区切り。俺があの魔本を倒す。いいな?」

 

「えっ、倒せるんですか!?攻撃が通ってる気配が無いのですが・・・一体どうやって?」

 

拳銃、起源弾。Anfang(セット)*7

 

「じゃあな、魔本。名前も与えられなかった可哀想なサーヴァントもどき───発射(ファイア)

 

その一撃を持って、魔本は消滅した。・・・やっぱり相性良すぎなんだよなぁ・・・*8

 

「魔本、消滅しました・・・あの、どうやったんですか?」

 

「んー、あの魔本の魔力循環がなんかおかしいのは気付いてたんだけどそれがなんなのか分からなかった。だから純物理のアンタら2人に一旦攻めさせることで相手の動きを確認した。そしたらアイツはどうやらまだサーヴァントになっていなかった。その結果本来よりもエーテルが濃く、その身体は固有結界によって守られていた。つまりどう言うことか分かるか?」

 

「えーと・・・あっそうか起源弾!」

 

「正解。起源弾は魔力を乱す。その時の魔力が大きければ大きいほど、範囲が広ければ広いほど効果が強くなる。相手は固有結界。なら一瞬で方がつく。まぁこれがほかの方法・・・単純な魔力放出とかで守られてたら分からなかったが、固有結界は俺も扱ったことあるからな。相手が使ってるのも分かったというわけだ。まぁ正攻法ではないのは確かだけどな」

 

「ちなみに正攻法ってなんなの?」

 

「アンデルセンに頼んで名前を与えて実体化、あとはタコ殴り」

 

「うむ、確かにそれも出来たな。俺の類推するところでは、こいつは本来、マスターの精神を映し出すサーヴァントなのだろう。だからこそ、こいつはソーホーの人々を襲った。眠りに落として夢を見させた。ようはマスター探しさ。夢の顕現として、こいつは擬似サーヴァントとしての()()()()()()()()()()()。こいつはサーヴァントですらない、サーヴァントになりたがっている魔力の塊だった。放っておけばいずれ実体化するだろう。代わりに、ソーホー市民すべてが眠りの中へ落ちる。外に漂っている魔力の霧に比べれば、さほど、あくどい被害ではないかも知れん。だが、だ。眠ったまま衰弱して死ぬやつもいるかも知れないし、死ぬ奴はいないかもしれない。そもそも眠りに時間を取られては我ら物書きは商売あがったりだからな!」

 

「・・・あ、その場合無理矢理俺の接続して根本からの消滅とかも出来たんじゃん。つくづく相性の問題すぎるよなぁ、魔術ってのは」*9

 

 

*1
なんでこいつら一瞬で状況確認してんの?の意

*2
現在司令官は所長の為原作のようないざこざが発生しない

*3
いないいない。こいつが特別なだけ

*4
どれくらい弱いってポケモンの四倍弱点くらい

*5
師範的には【バッドエンド廚のアンデルセン】よりも【不幸酔いのシンデレラ】とか【守銭奴のエマ】が好みだった模様。柳星的には【虚言混じりのシェヘラザード】と【狂愛のグレーテル】がなんとなぁく好んでた。いつかやりたいな、オリジナル特異点

*6
まぁ一応ソイツ現代人だし

*7
サーヴァントの召喚はしない

*8
もう一つ倒し方があった

*9
オフェリアと同じクラスで相性覆えす事ができるおまえが言えることか?

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