YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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作者は現在アトランティス。なに・・・あのアニマ・アニムスフィアとかいうやつ。隕石やんけぇ!?いいんか!?二部で隕石撃ち合うシーンが見れるんか!?


5-17 確認:変貌・2

 

「戦闘終了です、先輩。お疲れ様でした」*1

 

「やっぱり初めて遭遇するタイプには反応できないんだよね。つまりはしょうがない戦闘だったというわけで。今後は反応出来るから問題無しだな。その為に観測の方を重視したんだし」*2

 

「あの外観ってやっぱり・・・」

 

「はい、先輩。敵性体の形状はソーホーで遭遇した魔本に酷似していましたね。ですが、あの時とは違って攻撃が通用しました。特に何かしらの結界が張られてあるわけではなかったのでナーサリー・ライムが特別だったのでしょうね」

 

「前に来た時は、あんなのいなかったぜ。ふわふわした本なんざ」

 

ほーん、そうなんか

 

「いいかな。予想ではあるけれど、あれは多分、魔術書の類が変質してしまったものだと思うんだ。地下の魔術協会に秘蔵されていたものが、魔霧の影響を受けることでああなったのかもしれない」

 

「あー、付喪神的なソレか。*3なら今後は何が襲って来てもおかしくねぇな。まぁ魔力が付与されてる物限定にはなるだろうからあまり新種は期待できないな」*4

 

『期待しちゃダメだと思うのだけれど』

 

「ハッハッハッ、そりゃあそうだ」

 

「・・・本が群れをなして襲ってくる、か」

 

「・・・悪夢、もしくは地獄の如き様相でしたな」

 

「馬鹿を言え。あんなものは、別にどうとでも・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「ははっ、なんだよ作家ども。今までみたいにペラペラ喋らねえのか?」

 

やはり何か思う所があるのだろうか?まぁだからと言って殲滅の手は止めないけどな*5

 

「・・・我慢しているだけだ。いいや、やめだ。やめ!ああ気持ち良かった!最高の気分だ!」

 

「ん??」

 

「え??」

 

「本を灼く!それは有り得ざる行いに他なりません!嗚呼、嘆かわしい・・・しかし、そこには一縷の甘美あり!決して行ってはならない悪行、許されざる蛮行!そこには哀しみしかないはずであるのに───吾輩はこの瞬間にわずかに一縷、背徳の甘美を感じざるを得ません!おお、神よ!」

 

「俺以外の著者の作品など存在せずとも構わん。ああ、もっと言えば俺の著作さえも灼き尽くしたいぞ!本が世界になければ!数多の名著を生涯で読みきれないと嘆くこともない!本が世界に無ければ!なんだこのゴミはいい加減にしろと憤ることもない!本が世界に無ければ!ついぞ俺が〆切に追われることもない!」

 

「なんと正直な御方か・・・!嗚呼、しかし、しかしその言葉は吾輩の胸を打つ!」

 

〆切に追われる作家って割と時代関係ないんだな・・・

 

「フォ、フォーウ・・・」

 

「な、なんだこいつら・・・」

 

「何か凄いね・・・ほんとに・・・」

 

「作家って歪んでるんだね」

 

「そりゃそうだろ。明治の文豪だと見てみろよ。編集から逃れる為に伊豆まで行ったんだぞ?*6んでそこで宿代だか借金だか踏み倒して編集が付きそうなタイミングで東京に逃げ帰る。そんな奴らの集まりだぞ作家ってのは。*7つまりこいつらも例に漏れず変わらないってわけだな」

 

「と、ともかく、先輩。柳星さん。わたしたちの行く道はお陰ではっきりしましたね。書籍(ブック)型の敵性体が出現した際に、地下階層への入口が偶然にも形成されましたから。こちらから向かいましょう」

 

 

Now loading・・・Now loading・・・

 

 

「・・・まるで無限に続く迷宮(ダンジョン)だな」

 

「そりゃあそうだろ。魔術師の工房の拡大版と捉えられるこの空間はまず空間認識能力を下げに来る。工房主がいると直接空間捻じ曲げてくる時もあるらしいが、今は人がいないからな。ただ長いだけだ」

 

「魔術師の住処ってそういうもんだろ、暗くてじめじめしたところが好きって相場が決まっている」

 

「そうですか?」

 

「キュー、キャーウ!フォーウ!」

 

「ほら、小動物もそうだって頷いてるぜ。ここはいかにも魔術師に、相応しい、ってな。なー?」

 

「キュー!」

 

「フォウさん?なんだか、興奮しているような・・・」

 

「なにかかんじるものでもあるのかな?」

 

「キュキュ・・・キョーウ」

 

『こうして暗い通路が続いてるのは、まあ、あれだよ、瓦礫で塞がってない通路を選んで歩いているからかな。部屋への入口はどこもかしこも潰れていたり、瓦礫で埋まっていたり・・・どうも、念入りに破壊された節があるな。実際のところ、生き残りの魔術師さえいないんだ。この推測が確かなら、敵は戦力をここへ送り込んだはずだ。それが───』

 

「まぁそれはもう既に対処済みなんだけどな。この扉じゃないか?」

 

「ミスター・アンデルセン。この扉は───」

 

「魔力を感じるな。間違いないだろう、魔術で守られた書庫への入り口だ。瓦礫で塞がってもいないな。好都合だ。俺の求める資料があればいいが、運次第ではある。セイバー、マシュ・キリエライト、無疆柳星。それに藤丸立香。俺とジキルは中へ入って資料を探す。扉を守ってくれ」

 

「はい、分かりました」

 

「おう」

 

「さっさと見つけて戻ってこいよ。いつ敵さんが駆けつけてくるかわかった物じゃ───っと、早速おいでなすったな。空飛ぶ本に、ヘルタースケルターまでいるぞこりゃ」

 

「うげえ、魔霧薄いから自動迎撃魔術も発動しないんだけど?めんどくせぇ・・・」

 

 

 

*1
ナーサリー・ライムではない魔本が襲いかかって来ていた。ところでナーサリー・ライムって聞くと最初に思いつくのはきしめんなんですよね

*2
誰に言い訳してるんだ、誰に

*3
独自の解釈。何故物体に魔力が宿るのか。意図的に付与された場合を除けばそれは時が解決する他ありえない。ならば空間中の薄い魔力が何十何百年かけてその物体に染み込んだらそれが付喪神なのではないかと。風化の逆バージョンというか、そんな感じ

*4
ちなみに山ではトレントとかもいた

*5
それはそれ、これはこれである

*6
『伊豆の踊り子』が確か制作秘話がこんな感じのはず。

*7
賞の為に殺しにかかったりそも恋人と心中しようとして生き残ったり・・・明治の文豪が一番やべえんじゃねえかな

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