YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「・・・ゥ・・・」
「あちらの方角ですね。わかりました・・・先輩、ここから西方向のようです」
「ウェストミンスターエリアかな?」
「ああ、ウェストミンスターエリアだろうな。国会議事堂があるエリアだ。んじゃま、さっさと行って叩くとするか。あー。で。その前に、だ」
「はい?」
「一つ言っておくことがある。今回、オレはフランを守るので手が塞がっちまう。こいつはサーヴァントじゃないからな。人造人間ってのがどこまで保つのかも不明だし。だから、
「んじゃ、ここの特異点では初めて俺がある程度の本気を出せるって事か?」*2
「そうなりますね。あのエリアだと住宅街ではありませんからある程度周辺への被害は考えなくてもいいですし。では向かいましょう!」
「いやぁ、たしかにこの辺指してたけど本当に議事堂付近とはねぇ・・・」
「・・・ゥ、ウ・・・!」
「近いようです。もう、すぐ近くにまだ来ていると彼女は言って───」
さて、駆動音がして来たぞっと・・・強化されたヘルタースケルターって感じだな。こりゃ余裕か。本気出さなくても良さそう
「来た来た、デカいのが来たぞ!フランはオレの後ろに回れ。離れるなよ!柳星!ここはおまえに任せる、ぶちかませ!」
「んー、過剰火力で行くか!火よ、炎よ、焱よ、我が意思は天にある。我が情けは秤の上にある。傾き、嘲り、全てを
いやあ、本当に過剰火力だった。まさか
「───大型敵性体、消滅しました。サーヴァントでは無かったようですが・・・これが、他の個体を操る宝具本体だったのでしょうか」
「さぁな。生物では無かった。魂の輪郭が存在しなかった」*4
「・・・ゥ。・・・ゥ、ウゥ」
「そうみたいだな。よし、これで厄介事が一つ片付いたか。よくやったフラン。おまえのお陰で助かったぜ」
「・・・ゥ、ゥ。ァ・・・」
「んじゃ帰還・・・いや、ちょっと寄り道だな。
「はぁ!?テメェ、どんだけ遠くの反応を見てやがるんだ!?」
「ん?とりあえずジキルのアパルトメントの周囲と霊脈の合流地点の周辺、あとは俺達の周辺って感じだな。そんなオレの感知範囲にサーヴァントが現れた。回収なのか敵対なのかは不明としても会いに行く理由はあるだろ」
「・・・だな。じゃあ会いに行くとするか!」
「───近い、な」
「はい。わたしにもわかります。魔霧の中でも、魔力の集中がここに在ると」
「そら、そこだ。もう立香にも聞こえてくるはずだぜ」
『こちらでも感知しました。極めて大型の反応ですね。もう、目の前まで来ています・・・こんな場所にいたのね』
「シティエリアの中心部とはな。アパルトメントのすぐ近くにいたって訳だ。さあ、ご対面だ」
・・・あっ、あー・・・最悪、か?そこにいたのは一際巨大なヘルタースケルターだった。うん、サーヴァントだこいつ。魂の輪郭を認識できる。んー・・・奥義級の魔術は使えない。*5ムシュフシュは・・・【八】は通じない*6よなぁ、となると【一】か【三】か・・・使えるかぁ?いや、使えはするんだろうな。身体の鈍りは認識してる。無理矢理戻せば行けるはず・・・!
「───聞け。聞け。聞け。我が名は蒸気王。有り得た未来を掴むこと叶わず、仮初として消え果てた、儚き空想世界の王である。貴様たちには魔術師【B】として知られる者である。この都市を覆う【魔霧計画】の首魁が一人である」
「・・・魔術師【B】、と」
「・・・敵の親玉の一人かよ。そういう予想まではしてなかったな、くそ」
「いやまぁ予測が甘かった俺の責任だわ。悪ぃ」
「しかし、これは・・・ヘルタースケルターと同じ姿・・・?」
「
「人間には見えません。やはり、彼は・・・サーヴァント・・・!」
「我が名は蒸気王。ひとたび死して、空想世界と共に在る者である。我が空想は固有結界へと昇華されたが、足りぬ、足りぬ。これでは、まだ、足りぬ。見よ、我は欲す者である。見よ、我は抗う者である。鋼鉄にて、蒸気満ちる文明を導かんとする者である。想念にて、有り得ざる文明を導かんとする者である。そして───人類と文明、世界と未来の焼却を嘆く一人でもある」
んー、蒸気王・・・蒸気王・・・○○王ってのは覚えておけって師範に言われてたんだけど・・・*7
「あーなるほど。チャールズ・バベッジか。となるとここにフランがいるのは幸いか・・・?」
すると、蒸気王・・・バベッジ呼びはしないぞ?*8とにかく、蒸気王は何かを見つけたようだ
「───おお、おお。忘れるはずもなきヴィクターの娘───そこにいるのか、おまえは。可憐なる人造人間よ。造物主より愛されず、故に愛を欲す哀れなる者よ。嗚呼、お前の言葉が聞こえる。嗚呼、お前の想いが聞こえる。そう、だ───私は、我らは、碩学たる務めを果たさねば。我らは人々と文明の為にこそ在るべきだ。故にこそ、私は求めた。空想世界を。夢の新時代を。故にこそ・・・」
途端、蒸気王に
「グ・・・!?・・・グ・・・ゥ・・・ガガ、ガ・・・ガ・・・!?これ、は・・・何だ・・・
「はぁ・・・こんな無粋なサーヴァントの使い方するロンドンのMなんてアイツしか思いつかないんだが・・・マシュ!少し俺を守れ」
「は、はい!?」
「少し身体を慣らす。今まで稼働させていた対ヘルタースケルター、対
「は・・・はい!分かりました!」
「見果てぬ夢を此処に。我が空想、我が理想、我が夢想───」
「守る護る守り通す・・・!」
よしよしよし、よく守ってくれた・・・!
「良くやった・・・!見せてやるよ、本物の一撃必殺をなぁ!ムシュフシュ・・・
「・・・ふぅ、やっぱこの技ぁ俺の感性に合わん。なんでこんなのを最初に作ったのかねぇ・・・」
そう、この技。相手の命を確実に奪うくせに確実に相手に遺言を残させるとかいう意味のわからない技なのである。*10
「・・・シティの地下へ、行くがいい・・・
「・・・・・・ゥ、ゥゥ、ァ」
「・・・すまぬ。ヴィクターの娘。お前の声は聞こえたが・・・私は、既に、正しき命を有した、人間・・・ではなく・・・妄念の・・・有り得ざるサーヴァント、と、化したのだ・・・私は・・・・・・私は、嗚呼、私の世界を夢見てしまったが・・・しかし・・・それ、とて・・・私の夢を叶えなかった世界であっても・・・
「・・・サーヴァント・キャスター:チャールズ・バベッジ。退去確認」
「───次の行き先、決まったな」
「はい。地下、と。ミスター・バベッジはたしかにそう言い残しました」
「まずはフランをジキルのアパルトメントへ戻す。それから、最後の親玉を潰すぞ」
「必ず・・・聖杯を手に入れる」
「・・・はい。先輩」
・・・え、あの蟲爺*11相手だろ・・・?何仕掛けてくるか分からんし色々再調整だなぁ・・・
一将光儡・破却ノ生命(いっしょうこうらい・はきゃくのいのち)
元々2〜3秒にも満たない時間、英霊憑依を行い相手を一撃必殺しようぜ!から産まれた技。しかし肝心要の英霊憑依が出来なかった結果今のような状態に。心臓部分を的確に貫き、その間の障害は無視するからある種の因果律に干渉する大技。まぁその反動なのか相手は1〜2分の間遺言を残すことができるのが難点。Zeroのディルムッドみたいに呪詛撒かれてたら意味ないからね