YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
えー、爆風に耐えられずに吹っ飛ばされた*1結果何も出来なかった俺です。*2どうやら他の人たちもそのような感じだったそうで。呼んだサーヴァントはニコラ・テスラ。*3うーん、最強。少なくともこの時代では最も強いんじゃないか?とすら思ってしまうのであります。*4他の人たち?既に彼を追いかけ始めたそうです。俺はというと・・・
「はぁ・・・なんで???」
「ほう、我が顕現する前に感知したか。流石は
「知らん名で呼ぶな。俺は無疆柳星であり【簒奪のハサン】だ。異聞帯の王とかいう知らん役職じゃあねえよ」*6
「魔元帥ジル・ド・レェ。帝国神祖ロムルス。*7英雄間者イアソン。そしてこれから其方に倒されるだろう神域碩学ニコラ・テスラ。ニコラ・テスラがどこまで使えるかは未だ
『何が・・・何がそこにいるの!?答えなさい柳星!』
「るっせぇ!こいつぁ・・・あー・・・想定より斜め上いかれたな・・・」*8
「ほう、私と同じく声だけは届くのか。カルデアは時間軸から外れたが故、誰にも見つける事の出来ない拠点となった。あらゆる未来───すべてを見通す我が眼ですら、カルデアを観る事は難しい。だからこそ生き延びている。無様にも、無惨にも、無益にも。決定した滅びの歴史を受け入れず、いまだ無の大海にただよう哀れな船だ。それがおまえたちカルデアであり、藤丸立香という個体。燃え尽きた人類史に残った染み。
「・・・となるとアンタから見りゃ俺はその枠にゃあ居ねえっつー事になるが?」*9
「ん?なんだ、既に知らされていると思っていたが・・・なるほど、其方らもまた、劣化していたのか。自らの住んでいた土地の意味も、その理由も何も知らずに。*10よかろう、其方には伝えておこう。これは単純に哀れさからの啓示だ。其方は確かに無疆柳星であり一族としての名前は【簒奪のハサン】だろうが、其方は・・・其方の認識で言うところの『故郷』は【異聞帯】であり、その異聞帯で生き残った唯一の存在である其方は異聞帯の王である。*11まぁ、其方はその異聞帯から離れているから何ができるとは無いが。其方はそもそも現行の地球から隔離された存在、故に人理焼却にも耐えるだろうとは予測していた。故に、我と相対する唯一の権利を持っている。*12どうだ?今この場で争うか?」
「───いや、それは俺の役目じゃねぇな。異聞帯だかなんだかは人理を一度取り戻してから知りたいし。きっと立香がお前の前に立つだろうよ。だからここで争うのは・・・お互いに不利益、そうだろう?俺は魔神柱に対して特攻を持っていて、俺の本気は今のお前では突破できないと踏んでるが・・・*13なぁ?
「ふっ、ふははははっ!そうか、やはり貴様には見えているか我が本性が!良いだろう!その慧眼を讃え、一つの事実の名前を教えてやろう。其方がローマに於いて干渉してきた其方曰くの【光輪帯】、アレは其方の読み通り宝具である。その名は第三宝具
「そうかいそうかい・・・まぁ第一と第二・・・さてさて、何が来るかねぇ・・・」
「して、ならばこちらからも問いかけよう。其方、何故一度も攻撃をしてこない?一般凡百の者ならば攻めてきて当然だと認識しているが」*15
「ん?決まってんだろ、ここで殺せると思ってねぇしここで殺して何かバグったら嫌だし。せめて聖杯全部集めてからじゃねぇと何が起こるか分かったもんじゃねぇ。だからここでは今は攻撃しないってだけだ」*16
「なるほど、なるほどなぁ・・・いいだろう、それならば我は帰ることとする。それでは其方にあのあまりにも幼い人間、人類最期のマスター藤丸立香に唯一の忠告を残していこう。ぜひ伝えてくれたまえ。おまえはここで全てを放棄する事が、最も楽な生き方だと知るがいい───灰すら残らぬまで燃え尽きよ。それが、貴様らの未来である」
んー、言いたい事言って去っていったしあの
『・・・い!柳星!聞こえてますか!?』
「あー、通信途絶してた?」
『よかった!やっと繋がった・・・!説明してください、今まで何と相対していたのですか!?』
「うっせ、うっせ。ラスボス様だよ。どうせ最後には争うんだから別に今来なくても良かったのになぁ・・・まぁ特異点攻略にはなんも関係ないイベントだったからさっさと立香と合流するか。今アイツら何してんの?」
『えーと・・・一度地上に出る前にニコラ・テスラに追いつき戦闘、モードレッドの宝具を用いてバリアのようなものを剥ぎ追い詰めましたが時間経過によって撤退、現在彼はバッキンガム宮殿上空を目指して歩いています・・・え?ニコラ・テスラが止まってる?』
「ならちょうどいいな。追いつくとしますか。アイツらも止まる必要は無いから止まりそうだったらちゃっちゃと進め言っといてくれ」
『分かりました』
時をかなり戻そう。今現在、ニコラ・テスラは地上に現れたばかりである。
「・・・ロンドン、か。久しぶりだ。英国紳士たらんと志したこの私が、よもや、世界を破壊する者の役を演じさせられるとは。かつては思いも寄らなかったな。だが───はは!新たなる時代を拓いた神話たる我が身が、電気文明もろとも人類史を終焉させるとは、これもまた!皮肉にして一興!!はは!!はははははははは!!さあ来たれ!私は是より天へと進まん!運命の上空集積地帯へと至るがための足場を此処へ!呼び声に応じて此処へと参じた
そう言いながら紫電に光る魔力の階段を登るニコラ・テスラを阻むサーヴァントが現れる。そう、彼である。誰だろう?*18
「───笑ってねぇで、降りりゃあいいだけだ。簡単だろう?」
「ほう───?ふむ、雷電が鳴いている。これは・・・!」
「雷電を、受けて輝く
「素晴らしい。貴様の理解は稲妻のように鋭く、稲妻のように迅速だ!如何にも。私を止めねば世界は終わる。しかし───ふうむ、ほう。これはこれは。なかなかに面白いこともあるものだな。実に興味深い事例ではあるだろう。雷電を触媒として魔霧が新たな英霊を召喚したか。キントキ・サカタ。そう言っていたな。君も新たな神話に立ち向かう勇者の一人であるようだ。旧き神話たる天の英霊や地の英霊であれば一笑に付して灼き尽くすところだが、君は───
「おう、外見に似合わずノリが良いじゃねぇか。話のわかる相手で何よりだ!」
「天才は如何なる時にも対象の発言意図を理解する。例え狂化スキルなりを与えられていても!だが、はは!手加減は出来ん!ニコラ・テスラ、我が天才の一端をお見せしよう!」
「ハッ、そいつはゴールデンだ!オレも、オレのとっておきを見せてやる───」
と、ボルテージも上がってきた所で乱入する人あり、その女、狐の耳を生やした者である。狐の尻尾がある者である。BGMがシリアスからポップなものに変わったとさえ誤認させるほど空気が緩んだと言えるだろう
「はいはいすみませんね。そこ暫く、ちょっ〜と待って下さいます?ここ、ロンドンで合ってますよね?霧の都ロンドン。ですよね?夢の二階建てバスはいずこ?*22大英博物館、*23時計塔、*24セント・ポール大聖堂*25はいずこ?この不気味な霧は何です?*26どうして、昼日中なのに誰もいないんです?*27楽しみにしていたフィッシュアンドチップスは?*28密かに憧れていたアフタヌーンティーは?*29スコーンは?*30クロテッドクリームは?*31フォートナム&メイソーンの本店*32は?これ、もう半分以上は廃墟っぽい雰囲気ですけれど?みこっ?もしかしてロンドン、サクッと滅びかけてません?*33ご主人様*34とのハネムーンへの予行演習にと、ロンドン旅行に付いて来てみれば何ですこれ?もしや金時さん、私を謀りました?*35神さま、舐めてます?」
「あ〜・・・」
さて、なんて言おう、そもそもの話勝手に付いて来たんだろうが、とは思う。思うがそれを言ってはならない気がしてならない。
「これは───紛うことなき地の英霊。いや、天か・・・?*36この気配、我が天才には判ってしまう。旧き神話か!しかし、嗚呼しかし、しかし───なんと、眩くも美しい貴婦人であろうか・・・!!」
「みこっ?」
「既に栄光なき旧き神話の住人といえど、このニコラ・テスラ、麗しきレディには礼を尽くそう。*37オリエントの気配色濃き美しきレディ。ここは危険です。些か、離れていたほうが良い」
「あら素敵なイケ魂───いえ、いえいえ、私はご主人一筋ですからいけませんっ。それにアナタ、心がイケてない感じがありありと。狂化スキルでもくっついてます?」
「しかも聡明と来たか。素晴らしい。些か異なるが、その通りではあるのです、レディ。私の言葉には意味がない。私は言葉とは裏腹に、ひとつの行動を成すのみ!嗚呼、私は私が憎い!天才であるが故に思考と行動を切り離してしまう───!」
「殿方って概ねそうかもですけどぉ───それじゃあいけないというお話ですね。どうなさいます?」
「君たち次第!レディ、二対一でも私は一向に構わんとも!」
「ではお言葉に甘えまして☆さ、金時さん。ちゃっちゃと片付けて旅行の続きをば!ああ、ご安心くださいませ。旅行は一人でいたしますから金時さんは束縛しません☆」
「助かる。つーか、アンタ、オレの召喚にタダノリしてきただけじゃん・・・」*38
「そんな話は後にして下さいまし。ほらあちらをご注目。あのイケメン、とっくに準備が整っているようですけど?」
「・・・・・・」*39
「あの。金時さん?急に黙って、目を逸らして、どうしたんです?*40」
「顔───」
「はい?」
「顔が近ぇんだよ───いや、アンタはできりゃ援護に専念してくれ。オレが殴る。んじゃまあケンカ祭りだ。雷人同士、派手な火花を散らそうか、ニコラ・テスラ!」
んー、これ放っておいても解決すると思う。思わない?呪術が制限されてるから無理?まぁそうだよねぇー
多分あれなんでしょ、四つ目の聖杯確保と同時に召喚式が起動した上でゲーティアが「行こうかな、どうしようかな」って悩んでから来るみたいな感じでしょ。
ゲーティア「それはそれとして本気出してなかったの?」
柳星「え?だって俺の本気って霊基編纂込みでのクソ技オンパレードだし。ソレ使うほど追い込まれてはいねぇよ」