YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
バッキンガム宮殿上空に現れたサーヴァントは黒い鎧を身に纏い、馬に乗った女性のサーヴァントであった。そして、この場のモードレッド、マシュ、藤丸立香の三人は分かった。アレはアーサー王なのだと
「───────」
「───ッ!!」
「・・・あれは・・・いいえ、彼女は、まさしく・・・アーサー王・・・!」
『残った魔霧の殆どを吸収しながら現界している!まずいぞ、この魔力量は・・・!』
「剣ではなく槍を手にしているようです・・・渦巻く、漆黒の長槍・・・なんて、禍々しい魔力・・・!」
「魔力を・・・感じるの?」
「はい、分かります・・・魔霧があっても感じ取れるほどの巨大な魔力が・・・ニコラ・テスラの現界の時と似ています。ですが、あれよりも明確に───敵対の意思を感じます。バーサーカーのそれに似た盲目的な敵意と魔力です!」
『マキリ・ゾォルケンの呪文詠唱の影響を受けたか?それなら、対話できたとしても敵対は避けられないぞ』
しかし、ソレが叶わぬ事だと知っている人がここにいる
「・・・対話は、できないだろうな。あれは、敵対者を屠らんとするアーサー王だ。どうして・・・今更になって、貴方は現れるんだ。ロンディニウムを救うなら、もっと、早くに・・・・・・・・・いや。違うのかもな。貴方はオレを殺しに来たのかもな。オレがロンディニウムを救うのが気に入らなかったか?そんなにオレが憎いのか。そうして、オレを殺した槍なんざ持ち出して───」
『モードレッドを殺した槍・・・?そ、それは聖剣に並ぶと言われる神造兵装じゃないか!聖槍ロンゴミニアド!世界の表裏を繋ぎ止めるモノとさえ言われる伝説の槍!ただでさえ強力な英霊との戦闘直後なんだ!今は撤退すべきだ!』
「いいや、駄目だ。敵対者としてアーサー王の瞳に俺たちは映った。もう逃げられないぜ。やるしかない・・・いや、逃げてもいいけどな。十中八九消し飛ぶぞ。それにオレは逃げない・・・父上に、このオレが、背中なんざ向けられるかよ。アーサー王が目の前にいる!なら、オレのやることはひとつしかない!やってやるさ!貴方が英霊となってまでオレを憎むと言うのなら!オレは、何度でも貴方に叛逆するまでだ!───アーサー・ペンドラゴン!」
しかし、この場にやっとこの男がたどり着く。若干道に迷っていたから遅れてしまい、なんかいい感じの場面だったから干渉したくなかったこいつが。
「はい、ストップ。モーさん、*1アンタじゃあ勝てねぇよ・・・俺に任せな。今回はあまり大魔術の行使もしてないんだ*2・・・さぁ!ド派手に行くぜ!?」
そうして彼───無疆柳星は仮面を付けた
「目覚めろ・・・シバルバー」
今回は純粋な直剣だった。
「こりゃあ、ラッキーだ・・・さぁ・・・行くぜ!ムシュフシュゥゥゥ!!」*3
初手、剣の投擲。槍はソレを弾こうとする。しかし透過されたかのように
「乱王塵殺・・・」
最初の一撃で彼女は固まり、次の一撃で吹き飛ばされた。ソレは・・・見る人が見れば、一方的な蹂躙だと言うだろう。しかし、彼の顔を・・・仮面でよく見えないが、雰囲気的には彼はかなり体力を消耗しているように見える*4
「───────」
「なんだ、アンタ、喋れねぇのか・・・可哀想に・・・まだまだ行くぜ?第二ラウンドだ!」
既に手元にシバルバーは戻ってきており、剣VS槍の猛烈な争いが始まっていた。その衝撃波で周囲のガラスは割れ、地面は壁にはヒビが入ってしまっている。そして、その終わりは唐突に訪れた。
パキィィィィィィィン
シバルバーが割れたのだ。ソレもそのはず。シバルバーは確かに材質不明のよくわからない物体だが相手は神造兵装。ましてやソレが更に狂化スキルによる無意識的なブレーキすら存在しないなら、最初に壊れるのはシバルバーなのは当然であった
「ハ・・・ハハ、ハハハ、ハーハッハッハッハッハッ!!まさか!!シバルバーを壊すとは!!いいだろう、ならばこれも試してみるしかねぇよなぁ!?」
そういって飲んだのは一粒のカプセルであった
「
一つ、この薬に対して思っていた事が彼にはあった。「その場に居ないサーヴァントへと変化するのが難しいのはよくわかる。だが、
手には目の前のサーヴァントと同じ形だが白い槍。そして、所々に黄金の意匠が施されていた
「名付けるなら、アルトリア・ランサー・ミックス・セイバー*6かな。んー、二度・・・一度が現界か・・・面白い」
お互い、魔力を槍に集める。ならば、次の行動は決まっていた
「「真名・解放。
其は世界の果てに立つ、光の楔」
「ォォォォオオオオオ!!!」
「─────────ッッッ!!!」
片や本物から反転した黒い槍、片や模造した本物の白い槍。お互い真名を解放し、その一撃をぶつけたらどうなるのか。答えは単純である
『ちょちょっ!?世界が保たない!?強制レイシフトしなきゃってクラスなのに強力な磁場か何か*14で固定されてレイシフト出来ない!どうなってるんだ!?』
「くっ・・・!」
「先輩、わたしの後ろに・・・!」
そう、世界が保たないし、周囲への被害なんて考えられない程である。よく人理定礎は保っているな。とすら言えるだろう。そんなぶつかり合いはそう長くは続かなかった。ソレも当然である。解放した数は柳星の方が多かったのだ。ならば当然勝つのは道理だろう。
白に黄金の意匠を付けた槍が黒い鎧のサーヴァント・・・アーサー王を貫いている。彼女は結局最後までカルデアにも、自分の娘にもなんの言葉も掛けることがなく消滅したのだった
「・・・はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・
あーダメだ、身体が自由に動かん。今もマシュに支えられてるし。近くに椅子ないかな椅子。・・・魔力あるし作ればいいか
「ふぅ・・・いやぁ、お疲れ様」
「お疲れ様で済ませていいのかな・・・?」
「いいのいいの。終わったんだから・・・はいこれ聖杯。取ってきておいた」
「あ、ありがとうございます・・・聖杯回収、確認しました」
「はぁ・・・まさかテメェが父上の槍を急に使い出すとか驚いたが・・・ま、何だ───お疲れさん。おまえたちのお陰であれこれ助かったぜ。ロンディニウムは救われた。オレ以外の誰かに蹂躙されることはなかった。めでたし、めでたしだ。じゃあな」
「・・・その、モードレッドさん」
「ん?」
「ひとつだけ・・・伝えておきます。先刻のサーヴァントは、明らかな暴走状態でした。マキリ・ゾォルケンの最後の詠唱と、魔霧による現界という特殊性のためでしょう。何らかの意図を持っていた、とか、そのために現界したということは・・・ないと思ってます」
「・・・なんだそれ。おまえ、もしかしてオレのこと慰めるつもりか?やめておけ。別れの間際に殺し合いはしたくない」
「いいえ、違います。わたしは、そういうことではなく、言いたい事を言っただけです。貴方から言われ続けてきましたから」
「・・・はは、そうか!なるほどな。オレがさんざん言ったことだった!はは、確かにそうだ。こいつぁ痛い所突かれたな。じゃあ特別に殺し合いはナシだ」
「・・・ちなみに柳星はなんで最後アーサー王が出てきたと思う?」
「理由は複数。その一、この場所がロンディニウムであること。土地由来の召喚って奴だな。その二・・・の前に。ニコラ・テスラにモーさんって宝具撃ったりした?」
「したな。それがどうかした?」
「ぶっちゃけその宝具が原因だわ。嵐は雷。故に雷関係なら誰が喚ばれてもおかしくないなかでモードレッドの赤雷が混ざってしまえば・・・現れるのはロンゴミニアドを持ったアーサー王なのは想像に難くない」
「結局オレかよ!?じゃあマシュのはなんだったんだよ」
「ん?それは【マシュが思った事】だ。事実なんて一切合切関係ないマシュの気持ちだ」
「そーかいそーかい・・・って、モーさんって最後まで呼びやがって!殴らせろ!せめて最後に殴らせろぉ!」
「ははっ、やーだね!」
そして、俺たちは現代へと帰還したのだった
「はい、三人ともお疲れ様でした。今回はちょっと色々ありすぎたので本日はすぐに解散とし、後日改めて報告会としましょう」
Q.作家組は?
A.速攻で退去した。そもそも退去に耐えられるほど強くないでしょ