YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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5-24 さよならに愛を/別れに涙を:変革に光を

 

バッキンガム宮殿上空に現れたサーヴァントは黒い鎧を身に纏い、馬に乗った女性のサーヴァントであった。そして、この場のモードレッド、マシュ、藤丸立香の三人は分かった。アレはアーサー王なのだと

 

「───────」

 

「───ッ!!」

 

「・・・あれは・・・いいえ、彼女は、まさしく・・・アーサー王・・・!」

 

『残った魔霧の殆どを吸収しながら現界している!まずいぞ、この魔力量は・・・!』

 

「剣ではなく槍を手にしているようです・・・渦巻く、漆黒の長槍・・・なんて、禍々しい魔力・・・!」

 

「魔力を・・・感じるの?」

 

「はい、分かります・・・魔霧があっても感じ取れるほどの巨大な魔力が・・・ニコラ・テスラの現界の時と似ています。ですが、あれよりも明確に───敵対の意思を感じます。バーサーカーのそれに似た盲目的な敵意と魔力です!」

 

『マキリ・ゾォルケンの呪文詠唱の影響を受けたか?それなら、対話できたとしても敵対は避けられないぞ』

 

しかし、ソレが叶わぬ事だと知っている人がここにいる

 

「・・・対話は、できないだろうな。あれは、敵対者を屠らんとするアーサー王だ。どうして・・・今更になって、貴方は現れるんだ。ロンディニウムを救うなら、もっと、早くに・・・・・・・・・いや。違うのかもな。貴方はオレを殺しに来たのかもな。オレがロンディニウムを救うのが気に入らなかったか?そんなにオレが憎いのか。そうして、オレを殺した槍なんざ持ち出して───」

 

『モードレッドを殺した槍・・・?そ、それは聖剣に並ぶと言われる神造兵装じゃないか!聖槍ロンゴミニアド!世界の表裏を繋ぎ止めるモノとさえ言われる伝説の槍!ただでさえ強力な英霊との戦闘直後なんだ!今は撤退すべきだ!』

 

「いいや、駄目だ。敵対者としてアーサー王の瞳に俺たちは映った。もう逃げられないぜ。やるしかない・・・いや、逃げてもいいけどな。十中八九消し飛ぶぞ。それにオレは逃げない・・・父上に、このオレが、背中なんざ向けられるかよ。アーサー王が目の前にいる!なら、オレのやることはひとつしかない!やってやるさ!貴方が英霊となってまでオレを憎むと言うのなら!オレは、何度でも貴方に叛逆するまでだ!───アーサー・ペンドラゴン!」

 

しかし、この場にやっとこの男がたどり着く。若干道に迷っていたから遅れてしまい、なんかいい感じの場面だったから干渉したくなかったこいつが。

 

「はい、ストップ。モーさん、*1アンタじゃあ勝てねぇよ・・・俺に任せな。今回はあまり大魔術の行使もしてないんだ*2・・・さぁ!ド派手に行くぜ!?」

 

そうして彼───無疆柳星は仮面を付けた

 

「目覚めろ・・・シバルバー」

 

今回は純粋な直剣だった。

 

「こりゃあ、ラッキーだ・・・さぁ・・・行くぜ!ムシュフシュゥゥゥ!!」*3

 

初手、剣の投擲。槍はソレを弾こうとする。しかし透過されたかのように()()()()()。直後、当然彼女は避けた。そこには既に【簒奪のハサン】がいた

 

「乱王塵殺・・・」

 

双棲裏反(そうせいりはん)告解ノ體脉(こっかいのていみゃく)

 

最初の一撃で彼女は固まり、次の一撃で吹き飛ばされた。ソレは・・・見る人が見れば、一方的な蹂躙だと言うだろう。しかし、彼の顔を・・・仮面でよく見えないが、雰囲気的には彼はかなり体力を消耗しているように見える*4

 

「───────」

 

「なんだ、アンタ、喋れねぇのか・・・可哀想に・・・まだまだ行くぜ?第二ラウンドだ!」

 

既に手元にシバルバーは戻ってきており、剣VS槍の猛烈な争いが始まっていた。その衝撃波で周囲のガラスは割れ、地面は壁にはヒビが入ってしまっている。そして、その終わりは唐突に訪れた。

 

パキィィィィィィィン

 

シバルバーが割れたのだ。ソレもそのはず。シバルバーは確かに材質不明のよくわからない物体だが相手は神造兵装。ましてやソレが更に狂化スキルによる無意識的なブレーキすら存在しないなら、最初に壊れるのはシバルバーなのは当然であった

 

「ハ・・・ハハ、ハハハ、ハーハッハッハッハッハッ!!まさか!!シバルバーを壊すとは!!いいだろう、ならばこれも試してみるしかねぇよなぁ!?」

 

そういって飲んだのは一粒のカプセルであった

 

霊基編纂/伝承降霊(サーヴァント・グリッチコール)

 

一つ、この薬に対して思っていた事が彼にはあった。「その場に居ないサーヴァントへと変化するのが難しいのはよくわかる。だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」と。その結果が、これである。*5

 

手には目の前のサーヴァントと同じ形だが白い槍。そして、所々に黄金の意匠が施されていた

 

「名付けるなら、アルトリア・ランサー・ミックス・セイバー*6かな。んー、二度・・・一度が現界か・・・面白い」

 

お互い、魔力を槍に集める。ならば、次の行動は決まっていた

 

「「真名・解放。十三拘束解放(シールサーティーン)───決議・開始(ディシジョン・スタート)」」

 

『これは誉れ高い戦でなければならない』(ガウェイン)

『これは誉れ高い戦でなければならない』(ガウェイン)

『心の善い者に振るってはならない』(ガレス)

『心の善い者に振るってはならない』(ガレス)

『是は、生きるための戦いである』 (ケイ)
*7

|『是は、己より強大な者との戦いである事』 《ベディヴィエール》
*8

『是は、一対一の戦いである事』 (パロミデス)

『是は、一対一の戦いである事』(パロミデス)

『是は、人道に背かぬ戦いである』 (ガヘリス)
*9

『是は、精霊との戦いではない事』 (ランスロット)
*10

『是は、邪悪との戦いである事』(モードレッド)

『是は、邪悪との戦いである事』(モードレッド)
*11

『是は、私欲なき戦いである事』 (ギャラハッド)
*12

『是は、世界を救う戦いである事』 (アーサー)
*13

 

「聖槍、抜錨。突き立て、喰らえ、十三の牙!」

 

「聖槍、抜錨。空の彼方、大地の向こう、

其は世界の果てに立つ、光の楔」

 

 

【最果てにて輝ける槍】(ロンゴミニアド)

 

 

「ォォォォオオオオオ!!!」

 

「─────────ッッッ!!!」

 

片や本物から反転した黒い槍、片や模造した本物の白い槍。お互い真名を解放し、その一撃をぶつけたらどうなるのか。答えは単純である

 

『ちょちょっ!?世界が保たない!?強制レイシフトしなきゃってクラスなのに強力な磁場か何か*14で固定されてレイシフト出来ない!どうなってるんだ!?』

 

「くっ・・・!」

 

「先輩、わたしの後ろに・・・!」

 

そう、世界が保たないし、周囲への被害なんて考えられない程である。よく人理定礎は保っているな。とすら言えるだろう。そんなぶつかり合いはそう長くは続かなかった。ソレも当然である。解放した数は柳星の方が多かったのだ。ならば当然勝つのは道理だろう。

 

白に黄金の意匠を付けた槍が黒い鎧のサーヴァント・・・アーサー王を貫いている。彼女は結局最後までカルデアにも、自分の娘にもなんの言葉も掛けることがなく消滅したのだった

 

「・・・はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・霊基編纂/伝承解除(サーヴァント・グリッチオフ)・・・ダメだ。疲れるこれ・・・というかぶっちゃけよく使えたなロンミニ・・・」*15

 

あーダメだ、身体が自由に動かん。今もマシュに支えられてるし。近くに椅子ないかな椅子。・・・魔力あるし作ればいいか

 

「ふぅ・・・いやぁ、お疲れ様」

 

「お疲れ様で済ませていいのかな・・・?」

 

「いいのいいの。終わったんだから・・・はいこれ聖杯。取ってきておいた」

 

「あ、ありがとうございます・・・聖杯回収、確認しました」

 

「はぁ・・・まさかテメェが父上の槍を急に使い出すとか驚いたが・・・ま、何だ───お疲れさん。おまえたちのお陰であれこれ助かったぜ。ロンディニウムは救われた。オレ以外の誰かに蹂躙されることはなかった。めでたし、めでたしだ。じゃあな」

 

「・・・その、モードレッドさん」

 

「ん?」

 

「ひとつだけ・・・伝えておきます。先刻のサーヴァントは、明らかな暴走状態でした。マキリ・ゾォルケンの最後の詠唱と、魔霧による現界という特殊性のためでしょう。何らかの意図を持っていた、とか、そのために現界したということは・・・ないと思ってます」

 

「・・・なんだそれ。おまえ、もしかしてオレのこと慰めるつもりか?やめておけ。別れの間際に殺し合いはしたくない」

 

「いいえ、違います。わたしは、そういうことではなく、言いたい事を言っただけです。貴方から言われ続けてきましたから」

 

「・・・はは、そうか!なるほどな。オレがさんざん言ったことだった!はは、確かにそうだ。こいつぁ痛い所突かれたな。じゃあ特別に殺し合いはナシだ」

 

「・・・ちなみに柳星はなんで最後アーサー王が出てきたと思う?」

 

「理由は複数。その一、この場所がロンディニウムであること。土地由来の召喚って奴だな。その二・・・の前に。ニコラ・テスラにモーさんって宝具撃ったりした?」

 

「したな。それがどうかした?」

 

「ぶっちゃけその宝具が原因だわ。嵐は雷。故に雷関係なら誰が喚ばれてもおかしくないなかでモードレッドの赤雷が混ざってしまえば・・・現れるのはロンゴミニアドを持ったアーサー王なのは想像に難くない」

 

「結局オレかよ!?じゃあマシュのはなんだったんだよ」

 

「ん?それは【マシュが思った事】だ。事実なんて一切合切関係ないマシュの気持ちだ」

 

「そーかいそーかい・・・って、モーさんって最後まで呼びやがって!殴らせろ!せめて最後に殴らせろぉ!」

 

「ははっ、やーだね!」

 

そして、俺たちは現代へと帰還したのだった

 

「はい、三人ともお疲れ様でした。今回はちょっと色々ありすぎたので本日はすぐに解散とし、後日改めて報告会としましょう」

 

 

*1
サラッとまたモーさん呼びである

*2
偽物の太陽(フェイク・ノヴァ)使ってなくね?と思った

*3
暗殺()・・・なんつって

*4
肉体への自傷ダメージ大きい技だよ

*5
まぁ槍トリアの宝具はどう言うものか知っていたからやろうとしたってのもある

*6
どこにセイバー要素あるんだよ、おい

*7
槍王に無いのは生きる事を目的にしてないから

*8
そりゃ目の前の存在は魔法使いだぜ?

*9
背いてはいない。被害は考えなかった

*10
柳星に使用した時ランスロットが付かないのは実は冬木の時もだった

*11
オルタ霊基だからね!

*12
欲なんてない状態なんだから私欲もなくて当然である

*13
これは前述の欲なんてない状態と同じ。世界を守ろうと言う意志もなかったから槍王にアーサーが出てこなかった

*14
ソロモンが居た時にレイシフト出来なかったのをこの作品じゃ出来なかったから折角だしこっちでやった。理屈としては、表裏を繋ぎ止めるならそりゃピン刺ししてレイシフト封じてもおかしくはないよねって言う

*15
さらっと略すな




Q.作家組は?
A.速攻で退去した。そもそも退去に耐えられるほど強くないでしょ
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