YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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A.D.1783【北米神話大戦:イ・プルーリバス・ウナム】─単独侵攻種族間戦争編─
6-0 アバン・アメリカ・いざ行かん


 

荒野、一人の赤毛の青年が走っていた。それを追いかけるは黒いフードを被った槍を持った男である

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

 

「しつけぇな、小僧。こっちはとっとと終わらせたいんだ」

 

「・・・おのれ・・・ぐっ・・・」

 

しかし圧倒的に戦力が違う。槍が青年を斬る

 

「くっ、全身を覆う呪いの膨大さよ、一身で国を背負うほどではないか!貴様、それだけの強さを持ちながら───何故、魔王(ラーヴァナ)などに堕した!?貴様の【武】(つよさ)は何かに授かったものではない。途方もない修練によるものだろう!その領域に達したならば、最早善悪を超越している!下らぬ邪悪に染まるなど、あり得ないのに・・・!」

 

「あ?寝言は寝て言えよ。善悪がぶっ飛んだからこうなってんだろうが。敵は殺す。自分(テメェ)が死ぬまで殺せるまでころす。それが戦の理だろうが」

 

「この死体の山を見ろ!圧倒的な弱者を屠ることが、貴様の理か!?」

 

「いちいち見るか、くだらねぇ。ソレとも何か?テメェは相手の質で殺す殺さないを推し量るのか?弱いなら生かす、強いならころす、と?───話にならねえ。優しい殺生がしてえんなら牧場に行けよ、牧場に。ここは戦場だ。持論ほざく前にとっとと死ね鼓動しな、死棘の魔槍」

 

「くっ・・・───全解放」

 

【羅刹を穿つ不滅】(ブラフマー・ストラ)

 

「はっ、やれば出来るじゃねぇか。だが、あいにくと大道芸だな」

 

【抉り穿つ鏖殺の槍】(ゲイ・ボルグ)

 

「・・・がァァァァァァァァァァ!!」

 

「───ああ?今ので死なねぇのかよ。どうなってんだよ。面倒くせえ。心臓8割散ったってのに生き足掻く。厄介なモンだな、サーヴァント───英雄ってヤツは」

 

「ガ、ハッ・・・負け・・・て、たま・・・るか・・・シータと・・・巡り・・・会う・・・までは・・・!」

 

「誰だそりゃ、知らねえよ」

 

「・・・く・・・」

 

しかし、その時に乱入するロボットが存在した

 

「あん?」

 

「サーヴァント反応を確認。対処します」

 

槍の男はどうやらこの機械について知っているようだった

 

「・・・西部のガラクタどもか」

 

「今だ、ジェロニモ!」

 

「これは・・・一体・・・?」

 

「いいから来い!あいつらが争っている内に逃げるぞ・・・!」

 

「よし分かった、テメェらは全員邪魔だな。邪魔するってことは敵だな。つまり新しい戦場ってワケだ!歓迎するぜぇ、手始めにまず殺してやるよ!」

 

「ジェロニモ、行け!ここは我々が食い止める!」

 

「・・・すまん!」

 

「ハッ、死出の覚悟かしゃらくせえ!雑兵にしちゃあ士気高ぇじゃねぇか!」

 

まぁ、一般兵如きがサーヴァントに勝つことなど出来るはずもなく。

 

「我々は・・・負けん・・・この大地は・・・決して屈さない・・・!」

 

その言葉が兵士の最後の言葉だった

 

「っと。不味った。うるせえから潰しちまった。国の王に刃向かったんだ。首は斬って晒しものにしたかったんだが・・・代わりは山ほどあるか。おう、小僧。続きだ。肝の次は頭蓋(あたま)かち割ってや───」

 

しかし、そこに青年の姿は既になかった。きっと乱入者が持っていったのだろう

 

「なんだよおい、影も形もねえじゃねえか。チッ。つまらねぇが、良しとするか。オレの槍は不治の棘だ。そのうち死ぬだろ」

 

その場に、新たに一人の人が来た。少女のようであり、王の気配を持つ者だ

 

「───うふふ、いつにもまして勇敢なこと。ねえ。戦うこと、殺すこと、どっちが好き?」

 

「ああ?んなもん、どっちも同じことだろうがよ。テメェはアレか?生きる事と食べる事を分けて考えるド阿呆か?」

 

「・・・面白いわ。クー、貴方本当に違うのね。まるで野生の獣みたい。生前の貴方も、ちょっと、どこか、さりげなく、人の皮を被ったケダモノな部分があったけど・・・今回は混じりけはまったくなし!どこからどう見ても凶悪な獣の王ね!ほんとうに素敵。クー・フーリンという英雄に仮想の状況を与えた事で理性の留め具が弾けたのかしら。でも、私はどちらのクーも好きよ。ふふふ、ふふふふふ、うふふふふ!」

 

「おし、これで三十匹目、と・・・あ?何か言ったか、女?仕事は済んだ。オレは寝る。何かあったら起こせ」

 

「・・・もう。野生味あふれまくったのはいいけれど、妙に淡泊になっちゃったのは玉に瑕よね。でも、まあいいわ。貴方の出番は、もう殆どないかも。だってここからは私───可憐にして完璧、みんな大好き☆女王メイヴのターンだもの!」

 

その後ろには大量の兵士がいた。彼らは一糸乱れぬ隊列を組んでおり、それだけで女王メイブとやらの手腕がわかるものである

 

「・・・ご命令を」

 

「さあ、私の勇者たち!進撃よ!声高らかに、私を褒め称えなさい!そして褒め称えながら敵を殺しなさい!メイヴちゃん、サイコー!ああ、ああ、可愛い私の勇者たち!さあ、あと一息よ!この国を!この大地を!全て私たちのものにするの!永遠、永遠の国。理想郷を作るのよ!逆らう者は殺して!逆らわない者も殺して!愚劣な民も、愚劣な指導者も、情弱な兵も、何もかも要らない!アメリカ合衆国は消える。そして、私たちの国が生まれるの。私たちを中心とした、私たちだけの、永遠の国が!」

 

 

 

さてさて、ならば逃げた彼らはどうなったのでしょう?

 

 

「彼の様子はどうだ?」

 

先程ジェロニモ、と呼ばれていた男が問う。どうやら彼は槍の男陣営と敵対しているようだ

 

「ヒドいもんです・・・何で生きているのか、不思議なくらい。あれがサーヴァントですか。ジェロニモ・・・貴方のような」

 

「ああ。・・・戦力は少しでも欲しい。シャーマンに可能な限りの治療を施すよう伝えてくれ。ただ・・・このままではダメだろう」

 

「ジェロニモ、少しいいか?」

 

「どうした?」

 

「先程、東部最後の砦が陥落した。アメリカ西部合衆国は東部から撤退。()西()()()は長期化するだろう。つまりここは───」

 

「宣教師ののたまうところの煉獄だな」

 

「煉獄と地獄はどう違う?」

 

「大した違いはないさ。いずれにせよ、我々にとっては冬の時代だ」

 

「これから我々はどうする?」

 

「お前たちは引き続き、その服で西武軍に潜り込め。種族そのものが人間と異なっているケルトの連中と違い、あそこはまだ人間が多い」

 

「ああ、了解した」

 

「案ずるな、星は既に動き始めた。ようやく魔術協会が本腰を上げた・・・いや、違うな。世界が動いたのではなく、世界が回り始めたらしい。願わくば、星の光が誇りあるものであるように・・・」

 

さぁ、戦争はもうすぐそこだ

 

 




えー、第6章【第五特異点】ですが、皆さんお気付きでしょうか。監獄塔どうするん?と。メタ的には作者がなぜか触れてないのでやれません。世界観的には、藤丸が監獄塔を、その間に柳星が単騎でアメリカを攻略します。藤丸、マシュ抜き特異点攻略ですね。・・・なんでこうなったんだろ
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