YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
どうも、早朝に緊急で呼び出されたハサンさん*1です。しかし、立香の姿が見当たりませんね。マシュもいない。俺個人を呼んだのか?
「それで、用ってなんだ?」
「えーとね、藤丸立香が原因不明の昏睡状態*2です。肉体的には何の問題もないから今複数の方面からアプローチを試しています」*3
「ほむほむ。ん?レイシフト、今日じゃなかった?確か本来の予定ならこの後召喚試してその後レイシフトのはずだよな?」*4
「ええ、そうでしたね。しかし、当の本人がこんな状態ですから。なので貴方にはちょっと厳しいことを命令します」
「はいな。なんでしょ?」
「次の特異点、北アメリカ大陸・・・現在で言うところの【アメリカ合衆国】の攻略は貴方一人に任せます」
「・・・マジ?」*5
「ええ。ですが、現地には抑止力によって召喚されたサーヴァントがいるでしょうから、彼らと協力してどうにかこうにかしてください。*6藤丸立香が復活後、その時になってもまだ時間が掛かりそうならレイシフトさせます。いいですね?」
「・・・ちょっと弾薬追加してきても?」
「ええ。急に呼んだのはこちらですし、どうぞ。1時間後にレイシフトとします。質問は?」
「あると思います?」
「いえ。では、一時解散とします」
部屋に戻り、弾薬を追加して。礼装確認して。あとダ・ヴィンチの所で
「・・・うし。準備完了した」
「了解しました。レイシフト、開始します」
目覚めたら、そこは森でした*7
「・・・うん。レイシフトは無事に完了、っと。1人か・・・まぁ、どうにかなるだろ。これまでも
んーと、時間軸的には・・・1783年のアメリカね。ちょっと西の方だな
「カルデアーカルデアー応答されたしー」
『こちらカルデア。レイシフトの単独成功を確認。ぶっつけ本番みたいなところがあったけど*9その地点、その時間軸はこちらで設定したものと相違はありません。・・・ちなみに何故ここが特異点になったのかの理由・・・世界史的な背景は理解してるかしら?』
「んー・・・あんまり?ほら、故郷ってあまりそういう勉学的なのはやってこなかったと言うか何と言うか・・・」*10
『ああ、そうね。確かに魔術的な部分ではきちんと学べたけれど一般的な学問については最低限のみだものね。いいでしょう。説明するからちゃんと聞いておきなさい』
「おう」
『実を言うと、その年にはまだアメリカ合衆国は生まれていません。その年に終結するイギリスとの独立戦争を経て、アメリカは国家として成立します。以後、世界の覇権を握るべくひたすら合理的に突き進む怪物のような国家になりました。その功罪については関係なく、世界の人類史を語る場合実に欠いてはいけない国ですね。なので特異点になった理由としては・・・分かりますね?』
「アメリカが負ける・・・いや、運命はズレても変わらないからそもそも【アメリカが生まれる土壌が無くなる】のか」
『ええ、おそらくそうなのでしょう。そして、そのような事が可能な当時の文明はありませんから恐らくサーヴァントによる現象でしょうね。その陣営のトップが聖杯を持っていると見て間違いないでしょう』*11
「んー・・・単騎突撃・・・いや、ダメだな。全容が見えない内の特攻は失敗に終わるのが殆どだ。人理側の陣営に入って少しずつ削って最後にドカン、だな。方向性に問題あるか?」
『いえ、その方向でお願いします。それと、近くで大規模な戦闘が発生している模様です。確認に向かいなさい』
「りょーかい。以後はこちらから呼びかけることとする」
『分かりました。バイタルに異常がない限りこちらは藤丸立香の方を重視しますので。信頼してますよ?』
「任せとけ」
それでやってきました近くの荒野。気配を消すのは故郷だと誰でも出来るのに立香もマシュもカルデア職員ーズも出来る人いないからきっと俺達の特殊技能なんだろうな、と思いながら気配遮断。*12
この場には3種類の存在がある。
一つ、銃火器を手にした推定一般アメリカ人。うん。アメリカ人だろうと思いたい。だってこの戦場に於ける唯一の真人間の姿だもん
「怯むな、栄光ある機械化兵団の精鋭たちよ!この陣地を何としてでも死守するのだ!」
一つ、アメリカンなヘルタースケルター・・・うん、何で?ヘルタースケルターって1888だしそもそも特異点じゃん。なんで1783のアメリカにいるの?あとなんでそんなに青と黄色なの?もう少し隠れようとか思わなかったの?*13んでガドリングガンかよ・・・なんてアメリカン・・・いやこれサーヴァントの仕業だろ!?*14
「イエス、ドミトネーション・オーダー!弾倉が空になるまで撃ち続ける覚悟であります!」*15
一つ、槍を持った大量の兵士。身長は低めで、【全個体ほぼ同一】である。んー、ドワーフとかその辺に見えてしまうな。言語能力なさそうというか、何も会話になってないし。
「─────!」
んー、これどう見てもあのドワーフ的何かが人理の敵だな。
「オウ、テリブル。謎の熱源を感知。人型と推測し、威嚇射撃を行います」*18
───うおっ!?なんだ、急に撃ってきやがって!
「ちぃっ!?隠れてたんだから撃ってくんなよロボットがよぉ!味方すりゃ良いんだよなあ!?」*19
霊脈無いから仕方ねえ、大規模魔術も使えんし・・・!魔力回して、回して、・・・相手の数も数千以上。んー、千は倒すか
「ムシュフシュ・・・乱王塵殺」
1・・・4・・・16・・・64・・・256・・・1024!
「よし、引いてったな・・・ん?」
その次の瞬間、俺は気絶してしまった*20
【五克併帝・翔儛ノ洛陽】《ごかつへいてい・しょうまいのらくよう》
乱王塵殺の【五】。対集団戦かつ相手が画一的な場合に有効な技。儛の字の通り『人を用いて舞う』為時間経過毎に倒せる数が上がっていくが、その分脳の疲労が激しくなる。後先考えずに殲滅するならあの場面では大魔術か、それこそあと四段階くらい待ってればよかった。なにせ262144体とかまでいけるからね。過剰打点にはなる。だけどこれ2^n-1乗の奇数部分のみだから・・・