YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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7-2 時空を超えたらそこは・・・

 

ここは白亜の城の中

 

「ま、そういうワケだから。今までお世話になったわね、円卓の皆さん」

 

しかし帰ってくるのは沈黙である

 

「あれ?なんか一気に空気が重くなってない?あたし、ヘンなコト言ったかしら?『いい加減、この都にも飽きたからお暇するわ』って言っただけよね?」*1

 

「・・・無論だ。つまり、玄奘三蔵。貴殿は今、我らと袂を分かつ、と宣言したが?」

 

「なんでそうなるのよ。*2別にあなたたちと敵対する気なんかないわ。もともとここには立ち寄っただけ。あたし、天竺からの帰りだし、故郷に戻らないと」

 

「貴殿は既にサーヴァント。であれば、生前の行いを繰り返す必要はない。貴方には故郷を目指す理由も、その責任もない。何よりこの世界には貴殿の故郷は存在しない。一体、どこに帰ると言うのです?」

 

「もー。そういう即物的な話じゃないの。心の在り方よ。あたしは故郷を目指すものなの。旅をしてナンボの高僧なの。お弟子がいないと寂しいの。*3ええ、この都は凄いと思う。平穏で、裕福で、綺麗で、食べ物もいっぱいあって・・・きっと理想郷ってこう言う場所を言うんでしょうね」

 

「ありがとうございます。そう言って頂けて、我々も誇らしい。だからこそ、レディ・三蔵。この城に留まる、と言う選択肢はないのでしょうか?」

 

「ありがと、ガウェインさん。貴方のそう言う、女性に丁寧なところって好きよ。でも諦めて。これはもう性分だから。とりあえず砂漠にでも行ってみるわ。あ、トータも連れていくからそこはよろしく。*4それじゃあ、今までお世話になりました!バイバ〜イ!チャオ、再見(ツァイチェン)〜!」

 

そうして、玄奘三蔵は城を去ったのだった

 

「・・・行ってしまわれましたね。実に残念です。その場にいるだけで場が活気付く、まさに太陽のような女性だったのですが」

 

「そうかよ。*5オレは清々するぜ。前から気に食わなかったしな。で、どうすんだよアグラヴェイン。父上の赦しなくして城を去ることはできない───それがこの円卓の決まりじゃなかったか?というより、あの女、邪魔だろう?」*6

 

「その意見には私も同感だ、モードレッド。だが王からの赦しは既に降りている。玄奘三蔵が城を出るというのであれば、これを止める理由はない、と」*7

 

「マジかよ。チッ、せっかく後ろからブッ刺すチャンス*8だったのになあ。まぁいいさ。女1人であの砂漠をどうにかできるもんか。なあ、そう思うだろトリ野郎!生きてんのかテメェ!」

 

「・・・!・・・失礼。寝ていませんでした。*9私に構わず、話を続けてもらうよう、お願いします・・・また、女性の話でしたら、私ではなくランスロットに・・・ええ・・・実に悲しい事ですが・・・彼の方が恋愛経験は多いのですから・・・」*10

 

「・・・サー・アグラヴェイン。王と直接話せるのは副官である卿だけです。王は他に、なんと?*11この聖都の護りに関して、何かお言葉はありましたか?」

 

「思い上がるな。*12王から卿らへの言葉などない。卿らはただ騎士として王に忠誠を示せばよい。玄奘三蔵は異邦人ではあるが、*13星読みが予見した【叛逆者】ではなかった、というだけだ」*14

 

「異邦の星輝く時、白亜の結託はひび割れ、王の威光は陰り、神託の塔は崩れ落ちる───・・・美しくも悲しい詩です。・・・ええ。必要とあらば、今からでも、私が」

 

「王は赦すと言ったのだ。*15玄奘三蔵は放置してよい。卿らが気を配るべきはこの後に来る異邦人だ。人理を守る大役───さぞ重い事だろう。*16じきにこの世界で最後のマスターがやってくる。失礼がないように努めろと王は仰せだ。だが王は世界を担う重責の身。下らぬ些事は全て、()()()片付けておかねばならん。よいな、円卓の騎士たちよ。卿らの真の忠誠に期待する」

 

 

 

 

Now loading・・・Now loading・・・

 

 

 

 

風強くない!?何この砂漠ぅ!*17

 

「マスター、柳星さん、こちらへ・・・!そこに立っていると飛ばされます・・・!」

 

「フォウ、フ───ウ──────フォ───!」

 

「ここが・・・エルサレム・・・!?」

 

「んなワケあるか!一面の砂嵐がエルサレムそのものなら既に人理焼却済みだろうが!」*18

 

「マスター、柳星さん、とにかく岩陰へ!また突風が来ます!」

 

「オッケー、そこの竜種並の大きさの骨の下だな!?確かにそこなら問題なさそうだ!・・・てかカルデアと通信できないんだが、マシュ、そっちはどうだ?」

 

「・・・カルデアとの通信、安定しません。所長も対応してくださっているようですが・・・!」

 

「なにしろEXだからね・・・!」

 

「上に振れたかぁ・・・」*19

 

「その通りですマスター。わたしたちはわたしたちだけで現状を確認しましょう。レイシフトは無事完了。我々は十三世紀の中東に到着する予定でした。ですが・・・現状は、この通り砂嵐のまっただ中です!これがこの時代のエルサレムだといた言うのでしょうか!?」

 

「いや、どうやらここは十三世紀ではないらしいな。*20時代証明が一致しなかった理由だろうよ。・・・っと、何かくるぞ!砂嵐と共にやってくるからマシュも戦闘準備!」

 

「はい!」

 

 

*1
まさかここから居なくなるなんてと心の底から思ってるから驚きと呆れと嘆きと・・・みたいな感じかな?

*2
そーだそーだ

*3
それは貴方の欲望では?

*4
さらっと誰か連れて行こうしやがったコイツ

*5
あっモーさんじゃん。でもApocryphaの記憶もロンドンの記憶もないから寂しいよ

*6
そっちが本音では?

*7
獅子王は話のわかる人で良かった

*8
それは騎士道ではないと思うんだけど

*9
ここだけ反転してるのなんなんだろうね?

*10
ギネヴィアと不倫したのランスロットだっけ?

*11
報告と連絡をしろって言外に伝えてるの好き

*12
思い上がってはないんじゃない?ただ連絡のし忘れで事故ったら目も当てられないからね

*13
・・・あれ、円卓って確かブリテン(イギリス)だよね?ならエルサレムからしたらお前らも異邦人では?異邦人が異邦人認定出してるのか・・・

*14
この叛逆でスパルタクス来てたら円卓は叛逆者って言うんだろうか?スパルタクス側からは圧政!って言われるけども

*15
私情を持ち込むことを許さないその姿勢は高評価

*16
そして見下さないのも高評価

*17
エジプト側だからね・・・

*18
そうなんだよねぇ・・・ここがエジプト側だから人理焼却済みにはなってないのだ

*19
EXは規格外というだけでピンキリなんだよね。これは上振れだと思う

*20
どうやってソレが分かったって?魂の輪郭が見えるんだよ。ならわかる

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