YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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7-10 ハサン・埋葬

 

「・・・生存者、発見出来ません。皆さん・・・確実に、首を斬られて・・・」

 

「まぁ確実に殺すなら首は斬る必要がある*1からな・・・これを容赦がないと言えるのは何も知らん奴だけだ。この特異点ではああいうのがデフォルトなんだよ。アレくらいの忠誠心な奴がな」*2

 

ん?まだこの場に留まっている意思がある・・・?

 

「・・・おのれ・・・おのれ・・・この恨み、死んでも死にきれぬ・・・!なんという未熟さだ───敵の非道さを見誤るとは・・・!許せぬ───許せぬ!この無念を、いったい、誰が晴らせよう───!」

 

「アサシンの体から、これは───怨霊でしょうか!?」

 

「いや、シャドウサーヴァントだな。しかも本来の意味でのシャドウだ。冬木の時のような泥案件ではない。*3ここは・・・俺が出る。ハサンとして、せめてその恨みは・・・俺が受け止めよう」

 

槍を構えて・・・相手を見据える

 

「聞け、中東のハサンよ。汝の名は知らずとも我は名乗ろう。我は現代最後のハサン、簒奪のハサンなり。汝の怨み、我が引き継ごうではないか。さぁ───来いっ!」

 

すると、大振りな攻撃が来る。この程度の薙ぎ払いは意味が───

 

「なるほど、煙か。そのような方法が汝の主武装ならば・・・我には永久に届かんぞ」*4

 

魔力を流す。相手の霊基核を破壊出来る最小元を

 

「確か、師範が言ってたな。ハサンを殺す時はこう言えって」

 

必殺の型。俺にはあまりそう呼べる物はない。だが・・・この槍となら話は別だ

 

「聞け、晩鐘は汝の名を示した。我が槍、我が死相、今此処に在り。死を拒み、押し付けるが我が生き様───」

 

 

【死告天使(アズライール)冥々流転(ゲイボルグ)死棘の槍】(シバルバー)

 

 

はぁ・・・こんなんだからキング・ハサンなんかの後釜とか言われんだよ。*5こんなに正確に殺す事は俺の役目じゃねぇのにな*6

 

「特別に、最後に言葉を残す時間を与えよう」

 

「おお・・・おおぉおお・・・最期まで、このような無様を晒すとは・・・・・・・・・介錯、かたじけない。簒奪殿よ。・・・まだ其方に温情があるのなら・・・どうか、同胞たちの供養を・・・・・・やはり、戦うしかなかったのだな・・・我が未熟さを笑え、呪腕の───」

 

「・・・サーヴァント・アサシン:【煙酔】・ハサン・サッバーハ、退去を確認」

 

「・・・マスター、柳星さん、あの」

 

「・・・この国の弔い方を教えてくれ」

 

「だな。頼まれたんだ。引き継いだんだ。だから・・・安らかに眠ってくれ」

 

 

Now loading・・・Now loading・・・

 

 

俺達はあの後聖都を目指している途中、強盗に襲われていた女性を助け、護衛をすることになった。こちらの要求は情報。金などは一切取らないと明言したからか、相手も信用してくれたようだ

 

「ああ、ありがとうございます。おかげで助かりました。強盗たちを追い払ってくれたばかりか、護衛までしてくださって・・・」

 

「いえ、礼には及びません。こちらこそ、道を教えていただいて助かりました。皆さんはこの土地に住む方々ですよね。こんな大所帯で、どこへ?」

 

「どこへって、聖都ですが・・・?あそこだけは今も安全なんですから。侵略者達がやってきて、土地が燃えて、聖地も奪われて・・・でも、獅子王様が非道な十字軍を蹴散らして、聖地を我々にも開いてくれたのです。どこから来たか分からない騎士様ですけど、十字軍を蹴散らしてくれただけでありがたいじゃないですか。そりゃあ、聖地に恥知らずな都を建てられた、と嘆く人たちもいますけど・・・神の教えは不変のもの。都がどんなカタチだろうと、私たちの祈りは変わりませんから」

 

「つまり聖都は異民族でも入れるほどの都市だと?」

 

んな訳ない。騎士王ならともかく、獅子王が?そんなことを?しないだろうな。何かしらの天秤に測られてる。

 

「ええ、もちろんです。獅子王様は誰も拒まないと聞いています。聖都では一月に一度、聖抜の儀という難民を受け入れてくれる日があるんです。その日までに聖都に辿り着けば、後はもう何の心配もいらないのだとか。私たちも迷っていたのですが、村が焼けてしまったので・・・」

 

・・・つまり入れない奴は殺されるって訳か。*7やってる事十字軍とそう変わらなくないか?

 

「そうでしたか・・・それはお気の毒に。では村の皆さん全員で?」

 

「いえ、半数ですよ。・・・村には、聖都に滞在する騎士様たちを悪く思う者もいましたので・・・聖都を拒む者は山岳地帯に向かいました。あちらには山の民の村がありますから。でも・・・山岳地帯はとっくに不毛の地です。この地で生きたいと願うなら、聖都にしか居場所はないのですけどね・・・」

 

その後、遠目ではあるが他の集団を確認したので彼女をそちらに合流させ、俺たちとは別れることになった。結局お互いの名前は明かさなかったが、その方がお互いに利益だろうと言う判断である。

 

『それで、現在の状況ってどんな感じなのかしら?』

 

「そうですね。まだ何が敵で何が味方なのか、判別付かない状況です。エジプト領のオジマンディアス王。聖都と呼ばれる都市と、そこに居る獅子王。あとははさんこと、山の翁の方達ですね。この三つは、三すくみになっているのでしょうか?」

 

「太陽は獅子に弱く、獅子はアサシンに弱く、アサシンは太陽に弱い?」

 

「違うな。敢えて隠してる情報とかもあるからアレだが、正確には【太陽は動くつもりがなく】、【獅子は動く必要がなく】、【アサシンは決め手がない】が正しい。全体の総力はまだ未確定だが、トップの戦力だけで見るならハサンのトップたるキング・ハサンは太陽王の首を一度刎ねている。それでも滅ぼそうとしないのは山の翁的には放っておいて良い、と言う事なんだろう。そして太陽王自身は多分獅子王の力量を見誤っている。だから動かなくてもいい、なんて考えているんだろうな。そしてその見誤っている部分に、獅子王が動く必要性の無さが詰まっていると見ている」

 

『そもそも獅子王って誰なのかしら?獅子心王なら聞いたことがありますが、獅子王とは聞いたことがありませんね』

 

「会えば分かる。名乗るだろうしな・・・名乗るだけの理性、残ってるといいな・・・」

 

「では今後の方針は変わらず聖都に向かう、ということでよろしいでしょうか?」

 

「ただしこっからはスニーキング多めだ。騎士どもに見つかりたくないんだよな。厄介すぎる」

 

「了解しました」

 

 

 

*1
柳星が首狙ったないのは『別にどこ狙っても結末は変わらない』からってだけ。

*2
まぁそりゃトリスタンでさえあんなに忠誠心あるのなら多分騎士王のような精神性は残ってないんだろうなって感じた

*3
冬木のも泥案件かと聞かれたら悩むけどね。

*4
幾つかのハサンの名前と特徴は知っている。その中の一つと合致した

*5
YAMAは確かにハサン教団だが、キング・ハサンの霊廟はないしハサンを殺すハサンもまたいない。しかし、ハサンを殺せるハサンが柳星なので、後釜とか言われてた。それでも正式継承じゃないのは老人どもが認めなかったのと、そんな老人どもを殺すのは単純にめんどくさいと思ったから。力的には余裕で出来る

*6
殺してよ。役目でしょ

*7
証言の総数に死者は含まれないのなら、そりゃ入れた人のみだよなって

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