YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「・・・眠りましたね、無疆さん」
「眠ったね。まだきちんと屋根がある民家があってよかったよ。かなりの豪邸っぽいけど勝手に使って怒られないかな?」*1
「あ?いいじゃねぇか別にもうこの都市に人なんか居ねぇんだしよ」
「・・・ちょっと、藤丸立香。キリエライト、見るからに落ち込んでるわよ。アナタ、一応マスターなんでしょ。何かケアしてあげなさいよ」
「・・・やっぱり、アレ・・・?」
「・・・はい。わたしから宣言するのは情けないですが・・・その、わたしは先輩の指示や無疆さんとの戦闘訓練・・・?訓練ですかねあれ。まぁ、その、試運転には充分な経験を積めたと思います。なのに未だに宝具を自由に扱えません。唯一発動出来たあの一回以来使おうとしても使えないのです。なんで使えたのか、それすらも分からない欠陥サーヴァントのようなものです」
「フォウ・・・」
『あぁ、そこを気にしていたのか。マシュは責任感が強いからなぁ・・・でもそこは一朝一夕でいく話じゃないと思うよ?だって宝具だし。英霊の奥の手を一日二日で使えちゃったら、それこそサーヴァントたちの面目が立たないというか、』*2
「あ?そんなのすぐに使えるに決まってんじゃねぇか。英霊と宝具は同じもんなんだから。お嬢ちゃんがサーヴァントとして戦えるのなら、もうその時点で宝具は使えんだよ。それに一度は使えたんだろ?なのに今は使えねぇってコトぁ、単に魔力が詰まってるだけだ。なんつーの、やる気?弾け具合?とにかく、大声をあげる練習をしてねぇだけだぞ?」
「そうなんですか!?そーうーなーんーでーすーかー!?」
「ファーーーーー!?」
「ちょっといきなり大声出さないで!鼓膜破れかけたわよ、本気で!それに柳星が起きて明日に影響出たらどうするのよ!?」
「ぁ・・・申し訳ありません、所長。でも、大声をあげればいいとキャスターさんが・・・」
「いや、モノの例えだったんだが・・・まぁ、ともあれやる気があるのは結構だ。藤丸立香。嬢ちゃんがこう言ってるんだ。アイツが起きるまで暇だろ?少しばかり寄り道するぞ。なに、ただの特訓だ。すぐに終わる。今のオレはキャスターだぜ?治療なら任せておけ。*3まずは・・・ちょい、ちょいっと。厄寄せのルーンを刻んでだな・・・よし、出来た」
「え?何してるのアナタ。なんでわたしのコートにルーンを刻んでいるの?」
「アンタなら狙われても自分でなんとかなるだろ。*4ほら、きたぜ」
「Grrrrrrr••••••Zuaaaaaa••••••!」
「意味が分からないんですけどーーー!?」
「しょ、所長、わたしの後ろに!先輩も戦闘準備お願いします・・・!」
「よしよし、こんだけ集まれば充分だ。つまるところ、宝具ってのは英霊の本能だ。なまじ理性があると出にくいんだよ。なーんで、お嬢ちゃんにはまず精も根も使い果たしてもらうって寸法だ!冴えてるな、オレ!」
「こんなの治療じゃなくて荒療治だーーー!?」
(戦闘はスキップ。なにせ雑魚戦だし苦戦しないし。ただし1wave6体ではなく5waveの6/6/6/9/9だった模様)*5
「限界、ですーーーこれ以上の戦闘、はーーーすみません、キャスター、さんーーーこういった、根性論ではなく、きちんと理屈に沿った教授、をーーー」
「ーーー分かってねぇなぁ。コイツは見込み違いかねぇ?まぁいいか。そん時はそん時だ。んじゃあ次の相手はオレだ。味方だからって遠慮しなくていいぞ。オレも遠慮なしで藤丸立香を殺すからよ」
「っ・・・!」
「何言ってるのアナタ、正気!?この訓練に藤丸立香は関係ないでしょう!?なんで柳星もアナタも彼を巻き込むの!?」
「あ?アイツもオレと同じ考えだったのか。なら宝具はすぐに扱えそうだな。んで、なんで巻き込むかだって?分かりやすいだろんなの。サーヴァントの問題はマスターの問題だ。運命共同体って言わなかったか、オレ?おまえもそうだろ、藤丸立香?お嬢ちゃんが立たなくなった時が手前の死に時だ。まぁアイツがいる間は少しは延命できるだろうがそれも長くはねぇだろうな。つまり余り関係ないってことになる。だからお前が生命線になるんだよ」
「・・・!マスター・・・下がって、ください・・・!わたしはーーー先輩の足手まといには、なりませんから・・・!」
「そうこなくっちゃな。んじゃまぁ、マトモなサーヴァント戦と行きますか!」
(終盤までカット。つまるところキャスニキだと実は火力不足なんですよね。持久戦には出来るだろうけれどもそれ以上にするにはマシュの防御力が高すぎるのです。鍛えすぎましたかね)*6
「ハァーーーハァーーーハッーーー!」
「おう、そろそろ仕上げだ!主人諸共燃え尽きな!我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める杜ーーー倒壊せよ、《
「守らなくちゃ、守れる、守れるーーー
そもそもの話、*7炎はマシュにとっては既に守ったことのあるものだったのだ。それが偽物の太陽なのだから。ならその想いが限界突破した今、彼女が宝具を扱えるのは普通であろう?
「ーーーヒュウ。なんとか一命だけはとりとめると思ったが、まさかマスターともども無傷とはね。喜べ*8・・・いや、違うか。*9褒めてやれよ藤丸立香。アンタのサーヴァントになったお嬢ちゃんは間違いなく一線級の英霊だ」
「先輩・・・わたし、いま・・・!」
「うん。凄かったよ、マシュ!」
「っ・・・!」
「フォウ、フォーーーウ!」
『驚いたな、こんなに早く宝具を展開できるなんて。マシュのメンタルはここまで強くなかったのに・・・』
「そりゃあアンタのとらえ方が間違ってたんだよ。お嬢ちゃんはアレだ。守る側の人間だ。鳥に泳ぎ方を教えても仕方がねえだろ?*10鳥には高く飛ぶ方法を教えないとな。だがまあ・・・それでも真名をものにするには至らなかったか」
「あ・・・はい。宝具は使えるようになりましたが、まだ宝具の真名も、英霊の真名も分かりません・・・」
「・・・そう。未熟でもいい・・・仮のサーヴァントでもいい・・・そう願って宝具を開いたのね、マシュ。あなたは真名を得て、自分が選ばれたものにーーー英霊そのものになる欲が微塵もなかった。だから宝具もアナタに応えた。あーあ、とんだ美談ね。御伽噺もいいところだわ・・・ただの嫌味よ、気にしないで。宝具を使えるようななったのは喜ばしいわ・・・そういえばどうして宝具の名前をロード・カルデアスにしたの?真名が分からないから仮で命名しなくちゃいけないのは分かるけどどうして?まぁカルデアの名前を使ってくれたのはありがたいですけどね」
「・・・最初に使えた時。カルデアスが真っ赤に燃えてたんです。その炎と無疆さんが出した炎がとてもよく似てたので連想してしまい、あの時に見えた道のような光と合わせてロード・カルデアス。今なら分かります。きっとこの盾は人理の礎なんだって」
「へぇ・・・ま、いいでしょう。偶然にも私が送ろうとしてた名前と同じですしきっとソレが
『ロード・カルデアス・・・うん、それはいい。マシュにぴったりだ!そうなるとすぐに試したくなるのが人情だよね。キャスター、マシュの相手を頼めるかい?』
「あぁ勿論だ。手加減していたとはいえ、さっきは完全に防がれたからな」
はい。今書いててふと思ったのですがシャドウアサシン戦の直前にシャドウライダーでてんのに寝てる間にも出て来てるってどう言うこっちゃと思いますよね?緊急退去です。流石にライダーまで失いたくなかったのでしょう(別√だと専用スチルあるくらいには士郎側だったしね・・・)なので必中受けたタイミングかつ影響の出るまでのほんと刹那以下のタイミングでの奇跡的な退去により一時的な生還に成功。その後無疆が眠った後に強襲を掛けた、というわけです。が、ライダーと戦ったことも忘れてますね彼。忘れっぽいんでしょうきっと。