YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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ここから暫く藤丸のターン


7-18 敗走(裏)

あの後。柳星がどうなったのかを藤丸立香達は知らない。故に、粛正騎士達の反応のみ、ここに記そうと思う。

 

「自らの命を引き換えにしての足止めとは・・・愚かだが、見事な覚悟だった。これほどの決意を持つ者がただの叛逆者のはずがあるまい。・・・フン。実のところ、あのアグラヴェインを焦らせるほどの相手だった*1、ということか」

 

そう言うランスロットだが、彼も確かに傷を負っている。その傷はまぁ無視できる程度ではあるが、思考に多少の乱れを起こす程度には深く受けている。*2この傷こそ、彼の残した突破口の一つになり得るだろう。

 

「ランスロット卿。こちらの負傷者は卿を含め七名*3ほどですが、馬を全てやられました。ここからの追撃は徒歩となりますが・・・」

 

「いや。私はともかく、お前達では追いつけまい。重装備の欠点だな。山越えには馬がどうしても必要だ。西の砦に伝令を送り、馬の補充をする。山岳地帯に詳しい現地人の手配も忘れないように。・・・聖都に戻るのは1週間後だな。ここからは山狩りになるぞ」

 

 

 

 

 

一方、残されたカルデア一向はとても重い空気に包まれていた。それも当然である。これまで武力の中心として、そして精神的支柱とも言える人が居なくなってしまったのだから。そのショックからか所長たるオルガマリーはDr.ロマンの判断で一旦離れてもらうことになった。*4

 

「フォーウ・・・」

 

「・・・すまない。まさか我々のために、あの男性が犠牲になってくれるなんて・・・」

 

「柳星は死んでないよ。きっと生きてる。ただちょっと、眠ってるんじゃないかな?」*5

 

「そう、ですよね・・・柳星さんは、戦闘に於いては間違いなく強いですから・・・きっと生きています・・・」

 

『・・・さて。辛気臭い話はここまでだ。山岳地帯に入ったわけだけど、村まではあとどれくらいなんだい?』

 

「ああ、これならあと1日で辿り着ける。ただ、問題があって・・・」

 

「・・・なんでしょう?もしや、村には結界的な守りがある、とかでしょうか?」*6

 

「いや、そういうんじゃない。水と食料のことなんだ。なにしろ50人分だからな。今までは少ないながらも彼が何とかしてくれたんだが・・・」

 

「そうでした。怪我人の手当ても、食料の調達も、水の錬成も柳星さんがしてくれていました・・・」*7

 

「フォウ、フォーウ・・・」

 

『万能すぎるのも善し悪しだな。彼も気付かないうちに頼り切りになってしまう。すまないが、食料の調達はもうできない。難民の人たちにはここから一日、飲まず食わずで村を目指してもらうしかない』

 

「みな限界ですから、この一日が峠となりますが・・・───いえ。食料だけなら何とかなりそうですね」

 

「ベディヴィエールさん?あの・・・まさか?」*8

 

「このような時に不謹慎ですが、私、旅には慣れていますので。人体に害なく食べられる動物の目利きには自信があるのです。凄いのです」*9

 

「フォウゥゥゥゥ・・・」

 

「幸いなことに向こうからやってきてくれました。彼等が我々を食べるか、我々がご馳走にありつくか───いざ、勝負!」

 

 

One Battle Later・・・

 

 

食卓には、見たことの無い食材が並んでいる。また、水も充分な領存在していた。

 

「円卓、アーサー王語録、その八!【栄養は ゲテモノ肉でも かわらません!】マシュさん!復唱をお願いします!」

 

「はい・・・栄養は、ゲテモノ肉でも 変わりません・・・」

 

「?いい肉じゃないか。ちょっと黒くてゲル状の脂身が出るが。」

 

「美味しい!マシュお姉ちゃん、これ美味しいよ!」

 

「はい・・・マシュ・キリエライト、食べます・・・生きるって、時に残酷なんですね・・・でも、柳星さんの為にも食べないと・・・先輩のお役に立てません・・・」*10

 

「そういえば驚いたよね。マシュの盾に柳星が残してくれた()()があるなんてさ」

 

『そう言えば柳星、宝石魔術・・・に似た様な魔術も使えた*11からね。きっとこうなると思って水を作る為の宝石を残してたんだろう。まさか、こんな贈り物があるなんてなぁ・・・』

 

「かたい・・・やわらかい・・・もちゃっとして・・・鼻にツンとくる香料が・・・脳に染み渡るようで・・・ありがとうございます、ベディヴィエールさん・・・気を遣ってミントを使ってくれたんですね・・・」

 

しかし、彼はミントなぞ使ってはいない。きっと魔物特有の感覚*12だろう。

 

「・・・いつまでも沈んでいられないね」

 

「・・・はい。何をするにしても、まずは前向きに、ですね」

 

「それは良かった。もう一皿どうですか?一つしか取れなかった貴重な部位がありますよ?ほら。このおっきな目玉」

 

「全力でお断りさせていただきます!」

 

 

*1
まぁ獅子王の探してる相手だし・・・

*2
若干ゲイ・ボルグが混ざった結果の呪い。FGO的に言うと「各ターン開始時に確率でスタン若しくはスキル使用不可、若しくは宝具使用不可のうち一つか二つを与える(10T)(強化扱い)」って感じですね

*3
増えた1人はランスロット

*4
確かに柳星が居たからこれまで強くいることができた。でもある意味彼女は柳星に依存していたのだ。そんな対象が現状死んだとしか言えないのだから、そのショックはとてつもなく大きいものであるのは明白である。

*5
立香は彼がこの特異点ではまだ霊脈と契約していないことを覚えていた。そんな中、魔眼を沢山使用して、円卓の騎士との連戦。きっと魔力切れを起こしてもおかしくはない。と、そう考えていた。そう考えることで自らを保たせようとしているのである

*6
柳星の居た方の村?には結界があったからこその疑問

*7
自分が全部やったら立香が成長しないとはなんだったのか、そう聞きたくなるほどの万能ぶりである

*8
そこらの怪物を喰うつもりか?という怯えた目

*9
お前も精神的にキてるな?

*10
柳星「まずはちゃんと栄養取らんといざという時に動けんぞ?」

*11
実際の所は宝石にルーン魔術を刻んで使ってるだけ。宝石魔術とは違う。

*12
強い魔物程良い食料になるのだ。山の化物達なんか薬の材料としても、食料としても一級品なのである





・・・どこだ?ここ。そうだ。俺は・・・

「ふっ、まさかこんなに早く来るとはな」

師匠?

「構えろ。まだここに来るには早いだろう?」

なんだよ、師匠。少しは休ませてくれよ

「断る。どうせお前は私に構ってくれないだろう?」

だって師匠は師匠じゃん。闘う以外のコミュニケーションとれないじゃん

「そうだな。だから私はお前と闘う(話す)のだ」

やめてくれよ。俺が師匠に勝てるわけないだろ?ここでさ

「ふっ、燃え尽きたか?確かに満足出来る終わりだったのかもな」

だろ?だからそうだな、少し寝かせてくれ。俺は休みたいんだ
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