YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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後書きで書いてる柳星サイド。今回からルビとか某点以外もつけて行きます。なのでもしかしたら反映されないかも、なんて思いながら。そしたら午後くらいに修正しますね


7-20 山登り(裏)

 

彼らはその気配を感じ取れなかった。もし『彼』が居たならば分かったのだろうが、今は居ない。*1

 

「知ったような口を。聖地を汚した騎士が何を言う」

 

「・・・!マスター、サーヴァント反応です!」

 

勿論、それはカルデア司令部も変わらない。なにせ、そこにそんな反応は見受けられなかったのだから。*2

 

『え、そんな反応どこに───アサシンか!気をつけてくれ、藤丸君*3!』

 

「我らの村に何用だ、異邦人。これみよがしに騎士など連れてきおって・・・最後の希望すら摘みに来たか?」

 

「ここまで逃げてきた。見れば分かるだろ?」

 

正直に言うと。藤丸立香、彼もまた無理をしていた。確かにサーヴァントとの仮契約はまだしていない。マシュも宝具を展開していない。*4しかしそれは魔術的なものだ。精神的な疲れは確実に出ているのだ。だからこそ、少しでも誤魔化す為に強い言葉が出るのだった。

 

「ふん。そうだな。見れば分かる。貴様らが山に踏み入った時から監視していたわ。───いや、無駄口は叩かぬ。貴様らの所業など、我らはとうに把握している。物見から、こう報告があった。『異国の若者が、我らの同胞の助けをしている』と」*5

 

そこで彼らはふと思い出した。『そう言えば、彼はハサンだと名乗らずに居たな』と。確か、彼は目の前の彼らにすらその立場を示すことに難しい顔をしていた。ならば隠すのが彼の為か。そう結論を付けた。

 

『そうか、良かった!それなら誤解はされないね!キミはアサシンのサーヴァントだね?話せば長くなるんだけど、ボクたちは───』

 

「だまらっしゃい!声だけの臆病者め、出る幕などないわ!」*6

 

『あわわ、ごめんなさい、ごめんなさーい!?』

 

しかしそこで一人の男性が前に出る。彼はこの難民の中でも立場を確立されている橋渡し的な男性である

 

「待ってくれ、山の翁よ。この人たちはここまで我々を守ってきてくれた方だ。今は円卓の騎士に追われている。どうか、貴方たちの村に匿って貰えないだらうか?・・・これまでさんざん貴方たちを迫害しておいて、虫の良い話だとは分かっているが・・・頼む。怪我人も、身重の女もいるんだ。オレ達にはここしか逃げる場所が・・・」

 

柳星もだが、ハサンは仮面をしていると感情が声色からしか判別出来ないと言うのは本当のようだ。*7今目の前のハサンがどのような表情なのかは、わからない。

 

「・・・その罪悪感があるのなら良い。この村の者達は素朴な、善い心の持ち主ばかりだ。彼らには聖地の人々に迫害された、と言う認識すらあるまいよ。・・・その善良さに酬いてくれればよい」

 

「・・・すまない。ありがとう、ありがとう・・・!」

 

「だが、そこの異邦人たちは別だ。貴様らを村に入れる訳には行かぬ。そして、帰す事も出来ぬ。追い返した貴様らが騎士どもに、この村を売らぬともかぎらぬ」

 

マシュは言いたかった。「先輩はそんな事をしない。去れと言われたら去る」と。しかし、ハサンの生態は理解している。柳星から聞いた事があるのだから

 

〜回想〜

 

「俺達は一般人は守る。化け物退治が仕事だから、その被害を受けてはいけない相手だからだ。だが、その邪魔をしかねないやつは殺さなくちゃあならない。魔術師*8とか、国直属の部隊とか*9な。前所長のマリスビリーさんとか、ロマンとかは割と例外的*10なんだよ。だから今後俺が居ない時にハサンの村を訪れるなら、安易に去ろうとはしない方がいいな。覚えておいてくれ。何があるのか分からないのが人理修復だからね」

 

〜回想終わり〜

 

その後、本当はロマンは殺す予定だった*11と聞いてドクターはお茶をこぼしていたが・・・なるほど、学んでおくものだと再確認する事が出来た

 

「確かに貴方がそのような懸念をするのは分かります。私達は貴方に信用されていないですから。しかし、私達は貴方達の味方でありたいのです。ですのでどうか、なにか納得できる材料はありませんか?」

 

「そうか。そうか───では構えるがよい。これは暗殺ではない。戦いだ。死にたくなければ私を先に仕留めるのだな!」

 

「マスター!」

 

「峰打ちで行くぞ、マシュ!」

 

「はい!オーダー、お願いします先輩!」

 

 

*1
実際の所、感知出来たかは微妙である。霊脈支配前だしね

*2
というか柳星のせいで「居ない状態」で疑問を感じなくなってしまっている。これは怠慢である。なお所長が復帰してたら気付いてた模様。有能なんだよ、あの人

*3
呼び方がコロコロ変わってしまってる気がする。まぁそこは移ろいゆく感覚、ということで許してくれ

*4
そう、実はここまで一度も宝具展開してないのだ。その分柳星の魔力消費が激しかったんだけど。

*5
なおその物見、一瞬ハサンの仮面を見た気がするが何故常時付けてないのか?という疑問点から見間違いだと結論付けた模様

*6
ハサン隠しについて柳星はカルデアに報告してないからロマンが喋りそうになってちょっと焦った。だから止めてくれて助かった。そう感じたのだった

*7
呪腕ってさ、笑うと仮面が歪むのよ。アレどうなってるのか分からん

*8
これに関してはマリスビリーから聞いた魔術師像から発展した偏見である。まぁ邪魔してきそうな人が居ないと言われたら違う、と答えるけど

*9
あとそんな化物退治の断片だけ聞いて無意味な講義を行政にする奴とか。柳星的に一番嫌いなのはそう言う人たち。もしこれが我々のような時代だったら柳星は人類の敵になっていたと確信をもって言える

*10
この時マシュは「ロマンって医療セクションのトップであって魔術師では無かったと記憶していますが・・・」と言おうとしたが即座に「でも確かにこの施設に辿り着くって事は何かしら魔術と関係のある人ではあるんでしょうね」と結論付けた。誰が辿り着くのよ、ロマンの正体

*11
興味が湧いたからと滞在した事と化物退治の邪魔をしなかった事、それと単純に信用を稼いだから殺されずにすんだ





最初の因縁は誰が来るのだろうか、と待っていたら人影が現れた。それは見覚えのある黒い鎧と暗い旗だった

「なんだ、初めはお前か。ジャンヌ・オルタ。・・・ちゃんと座に登録されたのか裁定者(ルーラー)ではかく復讐者(アヴェンジャー)になってるな」

「まさか貴方がこんな途中で諦めるなんてね。あの時の貴方はどこに行ったのかしら?」

「覚えておけよ?人間どこで燃え尽きるか分からないんだよ。俺はそれが今だったって話さ───さぁ、始めようか」

んー、何が良いのか。

「迷ってたら燃やすわよ。あの時は見せれ無かった私の宝具、喰らいなさい」

「全ての邪悪を此処に・・・!剣は憎悪、竜は復讐、炎は応報!刺し貫くは、何もかも───」

「ならあの時火力増してるこれでいくか───よ、よ、よ、我が意思はにある。我が情けはの上にある。傾き、嘲り、全てを微笑(わら)う。それは即ち相手の否定である───」


【吼え立てよ、我が憤怒】(ラ・グロンドメント・デュ・ヘイン)



【天まで届け、我が憎悪の炎(ヘブンズ・フレイム)裁定の憐憫】(ルーラーズ・デザイア)


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