YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「大聖杯はこの奥だ。ちぃとばかり入り組んでるんで、はぐれないようにな」
なんだここ?普通の洞窟とも違う・・・あ、地下の氷室に似てるんだこれ。てことはこの奥にあるってのは間違いなさそうだな。魔力が濃いなぁ・・・!ここまで来いならクロススケールの方式で魔眼に魔力回せば【三発目】行けるな・・・!
「天然の洞窟・・・のように見えますが、これも元から冬木の街にあったものですか?」
「でしょうね。これは半分天然、半分人工よ。魔術師が長い年月をかけて拡げた魔術工房です。それよりキャスターのサーヴァント。大事なことを確認していなかったのだけど。セイバーのサーヴァントの真名は知ってるの?何度か戦ってるような口ぶりだったけど。それに柳星もなんで隠してるのよ?」
「俺はほら、言伝みたいなもんだからな。実際に会ってないし。あと伝えたくなかった。なにせ身体がすくむぞ?俺だって若干緊張してんだよなぁ驚くべきことに」
そう、ぶっちゃけアーサー王と呼ばれていた彼女と敵対するって避けたいんだよなぁ・・・アイアス欲しい・・・
「ま、そりゃそうだよな。まぁお前らもすぐに分かるぞ?ヤツの宝具を喰らえば誰だって真名・・・その正体に突き当たるからな。他のサーヴァントが倒されたのも、ヤツの宝具があまりにも強力だったからだ」
「強力な宝具・・・ですか。それはどういう?」
「王を選定する岩の剣の二振り目。おまえさんたちの時代において最も有名な聖剣。その名は」
何ダァこの気配・・・!?一般的なサーヴァントのソレじゃねぇ・・・!?あぁ、いや。見たらわかった。アーチャーか!こんな威圧感持ってたなんてなぁ・・・!?
「
「来やがったなアーチャー・・・!赤い弓兵*1、弓使えやの代名詞*2、日本人としての威厳はどこにやったあの詠唱*3、自分殺し*4・・・まぁ影になってから固有結界使えんのか?使えないよなぁ?ライダーが魔眼使えないよなぁんだから使えなくて当然だよなぁ?」*5*6
「うぐっ・・・!どこで聞いたのか聞きたい異名を並ばせるな・・・!」
でもそう言われてもしょうがないと思うぞ!?なにがUBWだ!あんなのただのクソッカスだろうが!たまたまAUOに届いただけのなぁ!
「おう、言ってるそばから信奉者の登場だ。相変わらず聖剣使いを護ってんのか、テメェは」
「そうだそうだぁ!てかそもそもテメェはどの面下げてセイバー護ってんだこの女誑しー!」*7
「んぐっ・・・!だがなんとでも言うがいい・・・!つまらん来客を追い返すくらいの仕事はするさ!」
てかそうだよなぁ!?なんでこいつここに居るんだよ・・・
「ようは門番じゃねぇか。何からセイバーを守ってるかは知らねえが、ここらで決着をつけようや。永遠に終わらないゲームなんざ退屈だろう?良きに付け悪しきに付け、駒を先に進めないとなぁ?」
「その口ぶりでは事のあらましは理解済みか。大局を知りながらも自らの欲望に熱中する・・・魔術師になってもその性根は変わらんと見える。文字通り、この剣でたたき直してやろう。」
「ハ、弓兵がなに言いやがる。・・・ってオイ、なにぼんやりしてんだお嬢ちゃん。相手はアーチャーだ。アンタが防がなきゃオレはまともに詠唱できねえんだが」
「ま、安心しなマシュ。あいつの火力は俺よりもキャスターよりも低い。*8それに一撃一撃の範囲も狭い。手数は多いがそれも慣れてるだろう?大丈夫。お前の盾はちゃんと守れる。それに・・・」
っと、脱ぐかこの服。邪魔だ*9
「固有結界もないアーチャーなんぞ俺の敵じゃあねぇんだよ!」
ムシュフシュ。ルーンも重ねるか。
「
右、*10流されたか。回って右*11、これは当たった、と。吹き飛んで・・・あ、弓くるのね。*12
「遅ぇ!」
あっぶね!?
「お返しだこんなパチモン!」
投擲、手前に落ちる、*13砂煙。縮地、よっし正面!掌底・・・浸透波!
「
さぁ、テメェはどうなる!?
「なんなんだその拳は・・・!?」
「はっ坊主に気ぃ向いたな?こっちは詠唱終わってんだよ!《
なっ!?俺ごと巻き込む気ぃかよ!?ざっけんな!?
「考えたな花の魔術師*14・・・!まさかその宝具に、そんな使い
アーチャー、座への帰還を確認。これで残るはもう関係ないバーサーカーとこれから挑むセイバー。ただしバーサーカーは既に敗北判定の為セイバーを倒せば万事解決だろうな
「おう、未練なく消えろ消えろ。聖剣攻略はオレと嬢ちゃんでやってやる」
「・・・信頼して頂けるのは嬉しいですが、わたしに防げるのでしょうか・・・その、音に聞こえたアーサー王の聖剣が。わたしには過ぎた役割のようで指が震えています」
「そこは根性で乗り切るしかねえわな。だがまあ、オレの見立てじゃ相性は抜群にいい。その盾が壊される事はない。負けるとしたら、盾を支えるお嬢ちゃんがヘマをした場合だろうよ。お嬢ちゃんが盾から手を離せば、その後ろにいるマスターは一瞬で蒸発する。いいか。聖剣に勝つ、なんて考えなくていい。アンタは、アンタのマスターを護る事だけ考える」
「ま、それに俺も若干震えてるからな。だがまぁ・・・奇跡的に魔眼を使わずに済んだから割と余裕でもあるんだ。だが星の海より渡されし聖剣を一度目で防ぐこともまた難しいだろうな・・・」
ま、どうにかするしかないんだよな。最悪の場合自爆特攻とも言えるあの手段があるから・・・ま、使わないに越した事はないか
「そろそろ大聖杯だ。ここが最後の一休みになるが、やり残しはないな?」
「もちろん、準備万端だ」
「そりゃ頼もしい。ここ一番でを決めるマスターは嫌いじゃない。まだまだ新米だが、おまえには航海者に一番必要なものが備わっている。運命を掴む天運と、それを前にした時の決断力だ。その向こう見ずさを忘れるなよ?そういうヤツにこそ、星の加護ってヤツが与えられる」
「何を言ってるんだか。進むにしろ戻るにしろその前に休憩が必要でしょう。柳星が眠ったから少しは休めててもその間も藤丸立香とマシュは戦闘訓練してたしさっきのサーヴァント戦でも魔力渡してたからか藤丸の顔色、通常より良くないわよ。ドクター、ちゃんとバイタルチェックしてるの?」
『え!?あ・・・うん、これはちょっとまずいね。突然のサーヴァント契約だったからかなぁ、使われてなかった魔術回路がフル稼働して、脳に負担をかけている。*15マシュ、キャンプの用意を。温かくて蜂蜜のたっぷり入ったお茶の出番だ』
「なんだよ藤丸、お前休めてなかったのか?」
「実はそうなんだよね・・・ちょっと頭痛がするっていうかなんて言うか・・・」
「まだ昼前だしな。3時間くらいは寝れるだろ。寝とけよな、化物の類なら俺がぶっ飛ばしておく」
「助かるよ柳星」
「マリー、少し外に出てる。何かあったら速攻で呼んでくれ」
「どこに行くのよ?こんな時に」
「バーサーカーにちょっととどめを指してくる。魔眼を使っておきたくてな。予想だとエクスカリバーにはどうやっても一発目の魔眼じゃあ防げない。だから適当なタイミングで使っておきたいんだ。それに、不安要素だしな。バーサーカーって」
「そう、なら行ってらっしゃい」
・・・ここに来てからずっと我慢だったんだ。なぜ俺が認識されてない?いやなに、初撃までの間認識されてないなんておかしいだろう?まるで・・・そうだな、俺そのものが影みたいなものになってるわけじゃないか。虚数は扱えても影まではまだうまく使えないんだよ俺ぁ
「つまり、だ。一撃目は確実に当たるって訳だな」
現在俺は森の中。サーヴァント・バーサーカー。ヘラクレスは既に射程距離内。弾丸は特性の弾丸。どういう弾丸かって?簡単に説明すると起源弾。《起源の拳》でも似たような事は出来るけど魔眼消費したいからね。遠距離の方が適してるんだよ。
【射撃の音の拡散を我は拒絶する】
てことで狙って・・・うん。当たった。・・・あ、十二の試練はないのね?座への帰還確認。ライダーの時のようなヘマはしてないっと
「えー、こちら無疆。管制室ー、応答せよー」
『なんだい?』
「バーサーカーって完全に消滅したか?一回見逃しちゃってるからちゃんと確認とっておきたくてな」
『えーとね・・・うん。消滅は確認出来たね。これで残るはセイバーだけ。君も所長のところに戻ったら?』
「だな。そうさせてもらう」
『そういえば所長が藤丸君のこと一人前だって認めてたよ。やっと所長の心にも雪解けが・・・』
「違うだろそりゃ、アイツは誰よりもプライドが高いが理不尽に何かを否定する人ではないからな。これまでの功績を鑑みたらそりゃ藤丸のやつは一人前だって言えるだろうよ。そんで今はアイツがいなくちゃならんからな。そりゃ少しはやさしくなるだろ」
っと、なんかバケモンいんな・・・!?
「なんでアイツは俺の忠告を忘れてんだよ!?」