YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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7-21 村入り(裏)

 

決着は割とアッサリと着いた。まぁよく考えてみてほしい。呪腕はHFにてエミヤに割と簡単に捌かれてた。そしてマシュは柳星に師事している為的確にカウンターを決める事が出来るようになっている。つまりはそういうことだ。本人からしてみれば拍子抜けだったのでは無いだろうか?*1

 

「ぬぅは!まさか、私が先に仕留められるとは───!」*2

 

「アサシン、無力化しました!いいのが入ったのでしばらく運動は困難かと!」

 

「ガフッ、ゴフッ・・・!確かに腹部を丸太で殴りつけられたかのような衝撃!この呪腕のハサンをここまで追い詰めるとは・・・!敵ながら見事、さぞや上位の円卓の騎士と見た・・・!」

 

「いえ、ですから円卓の騎士ではないと・・・それと上位でもないのですけど・・・」*3

 

「フォウ、フォーウ!」

 

「だが、例え全身の骨が折れようと寝込んではいられぬ!円卓の騎士、なにするものぞ!」

 

しかし、そんな光景をルシュドは少しばかり悲しそうに見つめていた。なぜこうなっているのか?子供ながらに考えてはみるが、答えは浮かばなかった*4

 

しかし、ここで新たな存在が現れる。黄色のマントに赤い弓を持った黒髪の男性であった。

 

「おいおい、普通、全身の骨が折れたら立てないぜ?そこまでの献身をアンタらの神は望んじゃいまい。勝負ついたんだ。おまえさんの心情も分かるが、ここはもう認めるべきじゃないかい、呪腕殿?」

 

「これは・・・アーラシュ殿。う、む・・・むぅ・・・しかしですな・・・」

 

「難民たちを助けてもらったのは事実だろ?おまえさんだって、昨日は我が事のように喜んでいたじゃないか。“素晴らしい、素晴らしい!感謝の言葉が見当たらぬ!これほどの快事が他にあろうか!”ってな」

 

「それは、この者どもの素性が分からなかった故!円卓に連なる者と知っていれば感謝など致しません!」

 

「ああ。いいじゃないか。この兄さんたち、円卓じゃないようだぜ?*5なら“感謝の抱擁をしなくてはいけませんな!”を守ってもいいんじゃないか?」

 

少しばかりだが、立香達は驚いていた。この人、こんな性格だったのかと。なにせ初めて会った時は聖杯の泥とやらに汚染されてまともではなかった*6が、今こうやって相対してみて、ここまでいい人だったのかと。そう感じたのだった。

 

「え・・・あの、抱擁というと・・・ハグ、ですか?えっと・・・はい。とても光栄です、アサシンさん」

 

「え、ちょっと・・・私は心の準備が・・・」

 

「・・・あの人、いい人すぎない?」

 

「ぬぅぅぅぅぅ、この呪腕のハサンともあろうものが、まさに半年に一度の失言!」

 

『ははは。割と頻繁だよね、半年に一度なら。凡ミス多いんじゃないかな、あのアサシン』

 

「だぁぁぁまらっしゃい!半年先など、生きているかどうかも分からぬでしょうが!・・・いや、私ともあろう者が熱くなってしまった。名前を聞こう、そこのマスター」

 

「藤丸立香です」

 

「偽りなく真名のようだな。そして、そのような名の若者は円卓には存在しない。・・・いいだろう。円卓の騎士ではない、という言葉は信じる。だが村に入れるかどうかは───」

 

しかしここで、思わぬ横槍・・・横槍なのかな。まぁ第三者の声があがる。それはルシュドのものだった。

 

「立香兄ちゃんはボク達を助けてくれたんだよ、ドクロのおじちゃん。だからもうケンカしないで。そんなおじちゃん、見たくないよ」

 

「なんと、ルシュドではないか!母親は?サリアは一緒ではないのか?」

 

「うん、はぐれちゃった。お母さんはこっちにはいないんだって」

 

「っ───おまえたち、それは」

 

その言葉に誰も何も言えない。救えなかったのは事実だ。それに対して何か言い訳を重ねることは出来まい。故に、沈黙するしかないのだ。そして、ハサンもまたその沈黙で答えを知るのだった

 

「・・・そうか。それは、世話をかけたな。・・・サリアはもともとこの村の出身であった。父親に反対されながら、聖地の家に嫁いだのだ。・・・皮肉なものだ。捨て去った過去であり、英霊となってからは関わりのない話であったというのに。よもや、自分が生きていた時代に召喚されるとはな・・・これはきつい。未熟者にはきつすぎるわ・・・よかろう。恩には礼で返す。村に入る事は許そう。アーラシュ殿、案内をお頼み申す。私は新しい同胞たちの宿を手配しなければならん。五十人もの大所帯だ、村人一丸でかからねばな・・・」

 

「・・・そうか。やけに状況に詳しいと思えば、あの兄さん、自分の土地に呼ばれちまったってワケか・・・ま、そこを嘆いていてもしょうがない。待たせたな、兄さんがた!俺はアーラシュ。見ての通りアーチャーのサーヴァントだ。長旅でヘトヘトだろう?村に案内するぜ。貧しい暮らしなんで、まずは祝杯、とはいかないがね」

 

 

*1
なお戦闘前に「先輩は見守っててください。これくらいならわたし一人でも突破できます」と言われて見守ってたら本当にアッサリ終わったから「やっぱ柳星ってやばくね?」となった模様。もはやスキルでカウンターか何か持ってたりしない?

*2
だってお前の強みってその暗殺術と妄想心音(ザバーニーヤ)じゃん。つまりこの戦闘で勝てないのは必定だと思う

*3
詳しく知らないからアレだけどギャラハッドって円卓の騎士だとどれくらいの位置にいるんだろうか?

*4
彼は治療中に柳星に質問したことがある。「どうやったらそんなに強くなれるのか」と。そうしたらこう帰ってきたのだ。「常に鍛える事。あと常に考える事。いくら筋肉が付いてもそれを使う頭が無ければ弱いままだからな。そして頭が回るやつは筋肉とかなくても強いんだ。だから考え続けてみるといいさ」と。だから少年は考え続けるのだ

*5
(獅子王の)円卓の騎士ではないね。方やギャラハッド混じりだし方や騎士王の円卓の騎士だけど。

*6
冬木にいたサーヴァントについて気になって聞いた事があった





「あら、やっぱり貴方のその炎は変わってないじゃない。ならなんでその足が止まってるのかしら?」

「さあな、その答えはまたこれから見つけるとするよ」

「そう。そういえばだけど、あの少年・・・藤丸立香と言ったかしら?あんなにマスター適正あるのにまだ誰も召喚した事ないのよね?」

「だな。基本俺が居たからその必要が無かったんだが、その俺が居なくなったんだ。召喚するだろうよ」

「ならその召喚、私が現れようかしら?」

「好きにしろ。七騎士だろうとエクストラだろうと獣だろうとアイツは真っ当にコミュニケーションが取れると思うからな」

「そう。それじゃあ次の鳥居に向かいなさいな」

「そうさせてもらう」

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