YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
ハサンの村。それは表からでは見つけられないような工夫がされている事が多い。ぶっちゃけ柳星の故郷たるあの村?がおかしいだけなのだ。なんだよあの霧。*1
「ここが山の民の隠れ里・・・立派な村ではないですか!でも、山岳地帯から全く見えませんでしたよ!?魔術の結界もないのに、どうやって・・・!?」
「そこは山に住む者の知恵ってやつだな。上手く山陰に隠れるようになってるんだよ。よほどの土地勘がなければこの村には辿り着けん。*2呪腕の兄さんがアンタらを案内したくなかったのは、村の位置を万が一にも知らせたくないからさ」*3
『なるほど、確かに。魔術の守りがないから、見つかったらおしまいなワケだ・・・そして生活も苦しそうだ。飢餓とまではいかなくとも、わずかな余裕もないだろう。それでも、ここに住む人々は聖地への想いを捨てなかった・・・山の民と聖都の騎士。そりゃあ、相容れる筈もないね・・・』
「・・・はい。ロマン殿のおっしゃる通り。そして今、その想いは踏み躙られている・・・私は獅子王の騎士ではありませんが、円卓に連なる者。・・・そんな私を招き入れてくれるなんて・・・」
「あまり気にしなさんな。ここの連中は異教徒だからって偏見は持たないからな。厳しい暮らしによるものだろう。辛い旅をしてきた人間は一目で分かるんだよ。騎士の兄さん。アンタの姿や立場はともかく、アンタの生き方は、ここの人間にとって同士に見えたんだろう」
しかし、その言葉にベディヴィエールは困惑する。なにせ自分は確かに長い旅路ではあったが
「私の生き方が・・・ですか。私は、人に誇れる事など一つも無い男ですが・・・」*4
「フォーウ・・・」
ここで一つ余談だが、藤丸立香という人間はしんみりするのを嫌う傾向にある。確かに落ち込む事もあるだろう、逃げたくなる事もあるだろう。しかし、それは今やらなくてもいいのだと奮い立つのだ。どれだけ相手が強大でも諦める事なく突き進んできた柳星のようになりたいから。だからしんみりするのは今じゃない。それにどうせ、また会えるんだから
「そういえば君ってやっぱりここの英霊なの?」
「ブフォーウ!?」
「お。すげえコト聞いてくるなあ!俺がここの出身か、だって?確かにこの辺りの出身ではある。ちょいと時代は違うがね。ま、見ての通り弓兵だ。しがない三流サーヴァントだと思ってくれ。で、そっちは?ここで人間のマスターを見るのは初めてだ。ここまで来た経緯を聞かせてくれ。ずいぶんと特別な星を背負っているように見えたからな」
『(アーラシュが気さくな性格で助かった・・・というか、知らないって怖いなぁ・・・知名度こそ低いが、アーラシュといえば西アジアでは
ロマン説明中・・・
『以上がこちらの事情だ。カルデアは人理焼却を正すべく設立された組織でね。そして藤丸立香君はカルデア唯一のマスターなんだよ』
まぁ実際の所確かにマスターやってるのは立香だけだが令呪自体は柳星にも浮かんでるからね?まぁ居ない人の事を喋る必要はないんだろうけど。
「なるほど、カルデア。んでもって人理焼却か!面白い、面白い!───ってなんだ、笑い事じゃない!おまえさんたち、とんでもない大任じゃないか!」
「はあ、まあ・・・改めて言われると、そうですね先輩」
「無茶振りには慣れたよ、ね。ロマン」
『ははは。そう言って貰えるとボクも気が休まるなぁ!立香君、帰ったら秘蔵の饅頭と金平糖をあげよう!』
「ドクター。今のは先輩なりの抗議かと。あとその金平糖、確か柳星さんが用意した物では?」
『・・・金平糖は、そうだね。うん。ごめん。ほんとごめん。カルデアが完全復帰した暁にはボーナス、弾むね・・・』
「いまいち緊張感がないな・・・まあ、気負うよりかは幾分いいが。じゃあそっちの兄さんはカルデアからのお供かい?同じ・・・いや、もと円卓の騎士として、仲間たちを糾しに来たと?」
「いえ、私は・・・砂漠地帯で彼と出会ったのです。それから聖都の門で再開し、こうして旅を共にしています」
「・・・ふうん。とりあえず行き先が一緒なだけ、か」
「どういう意味?」
「目的が一緒なワケじゃない*6ってコトさ。いずれ同じ目的になるとしても、な。まぁいい。とにかく俺はおまえさん達を歓迎する。遠路はるばるお疲れ様だ。まずは召喚サークルの設置だろう?この村の地脈は確かだ。さっさとやっちまおう」
「フォウ!」
『そこまで察しがいいのかい!?すごい目端が利くな、この英霊は!』
「召喚サークル、設置します。あ・・・でも、アサシンさんに断りなくいいのでしょうか・・・」
「構わん構わん。呪腕の兄さん、口じゃあアンタらを嫌っているが、もう仲間意識を持っているからな」
二つ目の鳥居。さて誰が来るかね
「初めまして、ですわね。無疆柳星」
「ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトォ!?はぁ!?アンタは俺達と関係ないだろ!?シェロか!?確かに一度遭遇してるけどさぁ!?」
「ああいえ。それはこの依代の名前ですわね。私の名はアストライア。レディ・ジャスティスと言った方がよろしいかしら?」
「あー・・・はいはい。俺を裁きに来た、と?そういう認識でいいんだよな?」
「ええ。貴方が現世に戻るというのなら一度貴方の罪を精算しなくてはなりません」
「それで、どうやって測るんだい?その天秤かな?」
にしても、この感じ・・・悪特攻か?まぁ
「この天秤はいざという時、私自身が貴方の罪業を測れなかった時用ですわね。さぁ構えなさい───その武術で測らせて貰いますわ」
「依代に引っ張られてるんじゃねぇか!?」