YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
んー、決め手がない。今ここでグリッチコール切るのは有りなんだが絶対にややこしくなる。*1かと言って乱王塵殺の零切るのも違う。アレは最終盤面じゃないと意味がない。*2かと言ってここを通すのはまずダメ*3
「お互い、攻めあぐねているな」*4
「はっ、こっちは攻めあぐねてる訳じゃねぇよ。どうすりゃ丸く収められるか考えてんだよ」*5
「殺すつもりがないと、貴様はそう言ってるのか?ハサンを名乗っておきながら円卓の騎士を見逃すのだと?」*6
「違うさ百貌、ここで殺すと聖槍の化身たる女神ロンゴミニアドがどう動くのか読めなくなる。*7アグラヴェインはその点国造りに於いては絶対だからな、生かしてた方が俺の予測に使える*8んだが・・・どうやったら帰ってもらえるかなぁ、と思案してるのさ。何、二度目はない。次会うのは俺が───いや、
「ふむ・・・それでは聞こう。何故貴様は聖都について知っている?貴様らは聖都の聖罰しか知らぬであろう?」*9
「・・・んー、そうか・・・確かにお前からしたらそうだもんな。聖都の暮らしは想像できる。山の民の暮らしは見た。砂漠の太陽王の国も知ってる。そもそも俺らは星見の旅人。コレまでにも色々な時代、国を見てきたんだから比較出来る。その上で確かに聖都の民は民度が高いんだろうな。犯罪なんざあまり起こらないだろうよ」*10
「その上でも侵略すると」
「そうだな。聖都こそが理想だろうよ。全ての民が善人で、不平不満すらも幸福と捉えられる素晴らしい人だろう。そもそもこの特異点は全ての勢力が【自らの民だけは守る】になってるから争いは避けられないんだが・・・」*11
「だが彼らの方針では何も変えられない。世界と、時代と共に滅びるだけだ。誰もが満ち足り、平等であり、磨き合い、尊び合う。かつて騎士王がブリテンで夢見た理想都市が、聖都では実現している」
「それが違うぞアグラヴェイン」
「何・・・?」
「かの騎士王が求めたのは平穏な国だ。侵略の必要もなく、侵略される事も無く、穀物が充分に育ち、子供が笑顔で育つ事が出来る・・・そんな国だ。家族と別れる事もなく、善人も悪人も居る国だ。それならば聖都は騎士王が求める国じゃない。コレを求めるのは獅子王なんだよ・・・どこまで行ってもな」*12
「善なる国と言いながら───人々を選抜し、選ばれなかった者達を手にかけ、家族の縁すらも許さず、関係の無い者達にまで侵略する───それはピクト人とそう変わらんだろう?」*13
「貴様・・・それがどれ程の侮蔑が分からぬ人ではあるまい!」
「そうだとも!侮蔑の意味合いで言ったのさ!しょうがないだろう?騎士王の遠征は国の存続の為だった。国を守護する為だった。だから───せめて、自分たちの視点では正義だった。だから許された。だが今のお前らはどうなんだ!?都市に選ばれなかった者を殺す権利は貴様らにはない!誰にもない!侵略されたわけでもない!危害を加えられたわけでもない!ただ善良なる───天上からの迷惑な分別一つで貴様らは命を選別してるんだよ!それが人の身には余計すぎる神の如き所業だと何故分からぬ!*14何故そこに辿り着かない!貴様は───貴様の生前はそこまで悪鬼羅刹に塗れていたのか、アグラヴェイン!」
「しかし───しかしだ!こうでもしなければこの世界は滅んでしまう!人類は滅んでしまうのだぞ!?」
「知ってるとも。既にこの時代の人理は崩壊している。修正は厳しいだろう。だからこそキャメロットがやろうとしていることにもある程度の理解は示そう。確かにその手段ならば人類の絶滅は守れるだろうよ。守れるだけだがな」*15
「貴様らは違うと、そう言うのか」
「そりゃあそうだとも!最終的に俺達がソロモンの聖杯を回収すればこの時代は無理矢理にでも修正が掛けれる。*16その際キャメロットが人理から隔絶されるかは当人次第だが・・・この時代が守れると言う事は次の特異点に挑めると言う事だ。それを繰り返せばここと次の特異点でソロモンに挑める様になるだろう*17よ。そしたら対ソロモンを終わらせてゲームセットになる。そしたら人類は守れるさ」
「それは夢物語!それを信用しろと言うのか、貴様は!」
「いや、言えないな。だからまぁ最終的には武力行使になるんだよ。それはとても悲しく、とても沸き立つんだが・・・」
さて、グリッチコールを切る必要は無くなってきたか?
「はぁ・・・つまり貴様はこう言いたいのか。『一度国の運営を見直せ』と」
「そうだな。貴様は国の運営は出来るがどうしても騎士王にも獅子王にも甘かった。だからこんな事態になってしまってるんだ。一度会話をする必要はあるんじゃないか?」
「しかし知ってるだろう、我らが獅子王は既に人の範疇にはいないと」
「だからまぁ・・・その修正をするのも貴様の手腕だろうが。一々俺に聞くな。もっと円卓の騎士達とコミュ取れよ。そしたら別の道筋も見つけられるだろうが。・・・今となっちゃ既に遅いだろうけどな」
「ふっ、そうか───貴様からは騎士王の気配を感じる。まるで騎士王を人伝では無く、本人を知ってるかの様な・・・」
「正解。これでも普段から聖剣も聖槍も使ってるからな。てことで帰りな。これ以上進むなら俺は全ての予定を前倒しにしてでも貴様を殺さなくてはならない。貴様を殺すのは俺の役目にはなりたくない」
運命は繰り返したいよなぁ・・・だからランスロットを味方に引き入れたいんだけど・・・
アグラヴェインがここまで表で動く→つまり獅子王は表立って動けない→本人に動くつもりがない→騎士王ならば動くだろう、ならばどこかに差異がある→心が消えたのでは?
と言う連想ゲーム