YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「ふぅ、帰って行ったか」
「何故逃した、簒奪の」*1
「んー、神の行動予測ほど無意味なものはないのは分かるかい?」
「確かに人の範疇で考えてしまうだろうな」*2
「ならばその行動予測に神ならざる人を混ぜるんだ。そしたら多少は予測が立てれる様になるのさ」
「しかしそれだけではないだろう?」
「そうだな。まぁアグラヴェインがギフト持ってたら変わってたかもだが持ってなかったしなぁ・・・ならアグラヴェインにぶつけるのはランスロットの方がいいでしょ」*3
「湖の騎士か・・・しかし奴は味方ではないだろう?どうするのだ」
「そこはほら、幾つか案がある。*4あとは天運だな。まぁ対処しなくちゃならんのはガウェインの方なんだけども」
「太陽の下では不死身の騎士・・・どうやって殺すかだな」
「最も確実なのはキングに頼む事。ただその場合首落とされそうなんだよね」
「だろうな。彼の御方ならば落とすだろうな」*5
「なら二つ目の案、俺が出る」
「しかし行けるのか?見ていたところザバーニーヤが使えないのだろう?あるならば使っていた筈だからな」
「ん?あるぞ、俺のザバーニーヤ。ただ余りにも無駄だから使ってないだけで。あれ使うくらいなら暗殺拳の方が身に染みてるってのもある」
俺のザバーニーヤ───
「っと、アイツらも戻ってきたみたいだな」
なんか人が二人増えてる。片方はハサンだと分かるがもう片方誰だ?米俵に弓・・・俵藤太か?*6
「お疲れ様、途中で円卓の騎士来たけど追い払っておいた、その件はまた後にするとして二人は誰?」
「こっちが静謐のハサンさん。主に毒とか出すんだって。それでこっちが俵藤太さん。米とか出せるんだって」*7
「そうか、初めまして二人とも。無疆柳星、【簒奪】のハサン・サッバーハだ。よろしく頼む」
毒、毒かぁ・・・無毒化できる範囲か?出来そうだな。やっておくか*8
「それで、襲ってきたって言う円卓の騎士って何があったの?元々アグラヴェインが来る的なことを兵士の人たちは言ってたけど」
「そのアグラヴェインが来たんだよ。黒い鎧に黒い髪、肌は病的に白かったからストレス半端なかったんだろうな」
「そうですか、アグラヴェイン卿が・・・」
「あの人は変わってなかったよ。騎士王が目指した理想都市を実現するべく邁進していた。まぁ転換点はその仕えた主が同一人物とはいえ女神ロンゴミニアドだからなぁ・・・その目線が人ではなく神になってしまったのが駄目だったんだろうな。だから無辜の民ですら殺す様になってしまったんだ。彼との話し合いはこれ以上は無理だ。よって、聖都との和解もまた無理になった。これで完全に敵対したのはアグラヴェイン、ガウェイン、モードレッド、トリスタンの四人だ」
「あれ、向こうのアーサー王とランスロットは?」
「女神ロンゴミニアドに関しては敵対とか味方とかそんな関係にはない。アグラヴェインと話して確信を得た。アレはもうどうにもならん。止めれる訳もなければ止めなくても問題は無くなった」
「どう言うこと・・・?」
「コレに関しては普段からロンゴミニアドを使ってる俺だから分かる感覚だな。まぁ出来るだろうな、を実現させてきたから驚きしかないんだがそこは置いておこう。*9んでランスロットだが・・・アイツはまだ揺さぶれるだろうよ。その為には幾つか確証が欲しいから一度エジプトに戻る必要があるんだがその前に村に戻るぞ」
エジプトにあったもう一つの時代の感覚、アレが予想通りの物だとしたら恐らくランスロットは味方に引き入れられる。
彼女は、一人佇んでいた。彼女は、人を辞め神になった。神の視座へと成り上がったのだ。それこそは、並行世界に於いて征服王、英雄王に忠告された未来であった。*10
「二振り目の聖槍、そもやそこに在ったとは。しかし、ならば何故諦めない。否、関係のない事か。既に必要最低数は揃っている。早める理由はないが、準備はしておくとするか」
彼は、一人歩いていた。砂漠では円卓の目を欺ける。かの遊撃騎士ですら此処には来ない
「そうか、彼はすでに去っていたか。それは私の事を知っているかのよう・・・まさかな」
「その件で彼から一つ伝言を預かっております」
「聞こうか」
「『アンタのやろうとしてる事は理解した。故に先走るな。時が来た後、どうせアンタは俺達側に着くことになるんだからな。助けてくれた事にだけは感謝しておくよ』との事です」
「そうか」
(何を考えている・・・?)
彼は、一人で待っていた。彼は何故今此処に居るのかを知らない。しかしやるべき事は理解している。だからこそ、この場にいるのだ
「ふむ、そろそろか。後一週間、と見るべきか?しかし、しかしだ。まさか会いに行け、とは何事か・・・この謎を解き明かすのも名探偵たる私の役目だろうさ」