YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「---フ。知らず、私も力が緩んでいたらしい。聖杯を守り通す気でいたが、己が執着に傾いたあげく敗北してしまった。結局、どう運命が変わろうと、私ひとりでは同じ末路を迎えるという事か」
まぁそりゃそうだろ。アンタ1人で運命を変えられるというのならアンタはモードレットに叛逆されるわけないだろうからな。・・・いやアレはモルガンの手腕がうまかったのか?いやまぁ・・・王は人の心がわからないって事で。
「あ?どういう意味だそりゃあ。テメェ、何を知っていやがる?」
「いずれ貴方も知る。アイルランドの光の獅子よ。グランドオーダー・・・聖杯を巡る戦いは、まだ始まったばかりだという事をな」
セイバー、消滅・・・確認!
「キャスター、消える前にお前の持ってる魔力全部よこせ・・・若干足りなくなっちまってる」
「あ?・・・まぁいいか。
「・・・助かったぁ!あっぶね、後少し遅れてたら眠ってたわ!」
「っとここで強制送還か。まぁ納得だな。お嬢ちゃん、あとは任せたぜ!次があるんならそん時はランサーとして喚んでくれ!」
「セイバー、キャスター、共に消滅を確認しました。わたしたちの勝利・・・なのでしょうか?」
むしろこっからが本番まであるんじゃないか?なにせセイバーは「常に見られている」って言ってたわけだし。
『ああ、よくやってくれたマシュ、藤丸君、柳星!所長もさぞ喜んでくれて・・・あれ、所長は?』
「冠位指定・・・あのサーヴァントがどうしてその呼称を・・・?」
「グランドならあのセイバーは知っててもおかしくないだろ。世界に存在する様々な聖剣の中でも最上位に近い絶対なる王の剣。敗北を知らない勝利の剣。そんなのを十二分に扱えるんだぞ?
「・・・まぁ、これについては今考えることではないわね。まぁ・・・うん。よくやったわ、藤丸立香、マシュ。不明な点は多いですがミッションはここで終了とします。まずあの水晶体を回収しましょう。セイバーが異常をきたしていた理由・・・冬木の街が特異点になってた原因は、どう見てもアレのようだし」
「・・・あー・・・これトラップか。下がってろお前ら」
さぁて・・・レフなら大当たり。グラキャス*1なら大外れ。他の名も知らぬやつかつレフっぽいのなら中当たり。無関係のやつなら外れだ・・・誰が出て来るかねぇ?
「いや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして、私の寛容さの許容外だ。48人目のマスター適性者。全く見込みのない子供だからと、善意で見逃してあげた私の失態だよ。ソレに君だ。無疆柳星。あの場から逃げたのは爆弾に気がついたからかな?全く、ソレなのにここに来るとは・・・」
「レフ教授!?」
『レフ!?レフ教授だって!?彼がそこにいるのか!?』
「うん?その声はロマニ君かな?君も生き残ってしまったのか。すぐに管制室に来て欲しいと言ったのに、私の指示も聞かなかったんだね。まったく---どいつもこいつも統率のとれてないクズばかりで吐き気が止まらないな。人間というものはどうしてこう、定められた運命からズレたがるんだい?」
「当たり前だろ。そんなん人が神と暮らしてた頃から決まってる【人が人たる所以】なんだからよ」
「レフ・・・ああ、レフ、レフ、生きていたのねレフ!良かった、貴方がいなくなったらわたし、この先どうやってカルデアを守っていけばいいか分からなかった!」
「マリー・・・下がれ!そいつは・・・!」
くっそやっぱりトラップ張ってあったか・・・身体が動かねぇ・・・!
「やぁオルガ。元気そうでなによりだ。君も大変だったようだね」
「ええ、ええ、そうなのレフ!管制室は爆発するし*2、この街は廃墟そのものだし*3、カルデアには帰れないし!*4何故か柳星が来てるし、私も知らないエクストラクラスの話するし、*5そもそも戦闘力がデミ・サーヴァントのマシュより強いし、*6第二、第三魔法について詳しいし、*7擬似的に宝具使ったと思ったらマシュの宝具も擬時展開させるし、*8サーヴァントを一瞬で討伐するし、*9マシュですらギリギリだった聖剣の一撃よりさらに強い一撃を相殺するし、*10もうなんか予想外以上のなにかってかんじで頭がどうにかなりそうだった!まぁ柳星に関してはあの秘境だししょうがないんだろうけど、それでも!それでも・・・!貴方がいれば何とかなるわよね?だって今までそうだったもの。今回だって私をたすけてくれるんでしょう?」
「?????」
っしゃあ!レフのクソ野郎、情報量に頭がやられてやがる!グラキャスの陣営といえども処理能力には限界があるようだなぁ!
「あ、ああ。勿論だとも・・・本当に予想外のことばかりで頭にくる。その中でもっとも予想外なのが君だよ、オルガ。爆弾は君の足下に設置したのに、まさか生きているなんて」
あ、やっぱりそうだったのか。やけに殺意高いなぁとは思ったが・・・
「・・・え?レフ?あの、それ、どういう、意味?」
「いや、生きている、というのは違うな。君はもう死んでいる。肉体はとっくにね。トリスメギストスはご丁寧にも、残留思念になった君をこの土地に転移させてしまったんだほら。君は生前、レイシフトの適性がなかっただろう?肉体があったままでは転移できない。わかるかな。君は死んだ事ではじめて、あれほど切望した適性を手に入れたんだ。だからカルデアにも戻れない。だってカルデアに戻った時点で、君のその意識は消滅するんだから」*11
まだだ・・・まだ笑うな*12・・・それにしても俺の魔眼が使えない事はあの日は伝えてあったが二発目を何に使ったかは隠してて正解だったなぁ・・・!
「え・・・え?消滅って、わたしが・・・?ちょっと待ってよ・・・カルテアに、戻れない?」
それにオーバーロードで使ってしまった何故か余ってた三発目の分。アレも充分に扱える量をキャスター・・・いや、クー・フーリンから貰ったからな。だからまだ笑うな・・・!
「そうだとも。だがそれではあまりにも哀れだ。生涯をカルデアに捧げた君のために、せめて今のカルデアがどうなってるか見せてあげよう」
「な・・・なによあれ・・・いや。マシュも言ってたわね。真っ赤に燃えてたって・・・あれはこの事だったのね・・・」
「おや、割とまだ冷静な部分があったとは。だが見たまえアニムスフィアの末裔。アレがお前たちの愚行の末路だ。人類の生存を示す青色は一片もない。あるのは燃え盛る赤色だけ。アレが今回のミッションが引き起こした結果だよ,良かったねぇマリー?今回もまた、君のいたらなさが悲劇を呼び起こしたワケだ!」
「ふざ・・・ふざけないで!わたしの責任じゃない、*13わたしは失敗していない、*14わたしは死んでなんかいない・・・!*15アンタ、どこの誰なのよ!?わたしのカルデアスに何をしたっていうのよぉ・・・!*16」
「アレは君の、ではない。*17まったく・・・最期まで耳障りな小娘だったなぁ、君は」
・・・あ。そういうことかクソがぁ・・・!
「なっ・・・体が、
「言っただろう?そこは今カルデアに繋がってると」
「このまま殺すのは簡単だが、それでは芸がない」
「最後に君の望みを叶えてあげよう」
「君の宝物とやらに触れるといい。」
「ちょ・・・何言ってるの、レフ?わたしの宝物って・・・カルデアスの、こと?」
「や、止めて、お願い。だってカルデアスよ?」
「高密度の情報体よ?次元が異なる領域、なのよ?」
「ああ、ブラックホールと何も変わらない。それとも太陽かな。まぁ、どちらにせよ」
「人間が触れれば分子レベルで分解される地獄の具現だ」
「遠慮なく、生きたまま無限の死を味わいたまえ」
「いや・・・いや、いや、助けて、誰か助けて!わた、わたし、こんなところで死にたくない!」
「だってまだ褒められてない・・・!」
「やだ、やめて、いやいやいやいやいやいや・・・!」
「所長ーーーーー!!!」
秘境にいる間は彼女はただのオルガマリー・アニムスフィアでした。確かにマリスビリー・アニマスフィアの娘、という立場ではありましたがソレでもまだ子供。しかも秘境唯一の子供たる無疆柳星とほぼ同年代。そうなれば何か出来ると褒めてくれるんですよね。だから最後の方のシーンの幾つかはセリフはカットされました。まだ彼女を褒めてくれる人が居たから。
まぁそれはそれとして実は助けれくれるっていう信頼があるので・・・