YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「帰りはあっという間でしたね、先輩。敵性反応も無く、一日のうちにここまで来ました。あともう少し降りれば、村の明かりが見えてくる頃ですよ」
「楽でよかったね」
「とはいえ、皆さんお疲れです。村に帰ったらまずは睡眠ですね」
「───待て。なんだ、あれは。どうなっている!?」
ん?なんだ?・・・っ!マジか、そう来たか・・・!
「総員、急いで村に行け!アルトリアさんも霊体化解除!*1アンタを明確な戦力にする!」
「やはりお主には見えたか!火だ!村の方角に火の手が見える!無数の篝火が忙しなく動いておる!あれは───」
「詳細が見えた!敵は聖都の騎士!連れ立って現れたのは・・・ランスロット!あとはトリスタン!トリスタンを中心に攻めるぞ!」
「立香殿、御免!先行致しまする!静謐、貴様は立香殿をお守りしろ!三蔵殿、藤太殿、柳星殿、アルトリア殿・・・伏してお願いする・・・!村の者の救助を・・・!」
「言われるまでも無いわ!行くわよ、トータ!」
「うむ!我らは東の村に回ろう!」
「立香とマシュ、アルトリアさんは今
「分かった!」
「了解しました・・・行けます!」
「影牢!」
「・・・っし、じゃあさっさと行くか・・・!」
『何が起こってるの!?説明なさい!』
「拠点にしてた村が聖都の騎士及び円卓の騎士に襲撃掛けられた!なんなら恐らく獅子王も動いてる!*2だからせめて全滅だけは避ける!」
ちっ、奇襲・・・そんなんが出来るとしたら妖弦フェイルノートくらいか・・・!?
「叛乱分子、発見。報告にあった戦力と推測。卿に報告を。マルクト6、
『周囲から集まってくるわよ!?』
「知ってる!そこを通せ雑魚ども!貴様らに掛ける時間なんざ何処にもねぇんだよ!」
「ちっ、どうなってやがる・・・!アーラシュはどうしたアーラシュは・・・ってトリスタン相手なら勝てないのは計算済みだったかそういや。クソッタレ。的確に弱点ついてきやがって・・・!」
あ、いた。アイツらはまだ気づいてないな・・・
「ッ!?」
「ちっ、気付かれたか」
「その気配遮断・・・サーヴァントクラスですが貴方は人の身・・・なるほど、報告にあった謎の戦力ですか」
「無疆柳星。今はカルデアの魔術師として、貴様を殺そう・・・!」
「人生は無常ですね。出会いが、そのまま別れになる事もある。ですがそれも仕方のない事。殺し、殺されるのが戦の常。この見窄らしい村ごと、貴方たちの運命は燃え尽きるのです」
「ちなみに聞こうか。フェイルノートを使ったのは分かるがよくここが分かったな?足跡でも残ってたか?」
「ええ。毒の娘の足跡を追いました。確かに足跡は魔術によって痕跡が追えませんでしたが体から漏れ出る毒までは消し忘れてましたね?それが決定打になったのです」*3
「あー・・・確かに消し忘れてたな・・・ちっ、俺の失態か」
「しかし、あの娘が牢屋で全てを語り、一人寂しく死んで居たのならば。虫は虫らしく、奴隷は奴隷らしく。身の程を弁えていればこんなことにはならなかったというのに・・・」
「あ?ソレをアンタが言うのか?必死に生き延びようとしてるお前らが?他人には簡単に死ねと言えるか?言えねぇよなぁ!そもそも騎士王率いた円卓の騎士の発言じゃあねぇよなぁそんなセリフ!」
「貴方にソレをとやかく言える立場があるとは思えませんが・・・しかしこの気配・・・まさか。いや、あり得ない。あり得てはならない・・・いいでしょう。それが運命だと言うのなら、この弓で真偽を確かめるまで」
・・・よし、アイツらも気付いた!ならコレは痛み分けには持っていけるだろ!
「トリスタン卿・・・!?」
「な、・・・これは、夢でしょうか?いいえ、有りません。我らが王が居るなんて聞いてません・・・」*4
「サー・トリスタン。答えなさい。なぜ無抵抗の村人を手にかけ、火を放つのですか。彼らはただ生き延びたいだけ。それなのに殺す必要はないはずです。ましてや私はそのような非道な行為をするように教えた記憶はありませんが。円卓の誇りは何処に行ったのです。それとも、それが獅子王の考えで、貴方が賛同している方針なのでしょうか」
うわぁ、ガチギレしてるじゃん
「我が王ながら愚かな。円卓に列なる騎士であれば、無辜の民草を手にかけないと?それは大いに誤りです。過ちです、貴方の。確かにブリテンにおいて、慈悲深き貴方は確かに、深追いは諫めました。しましたが───決して、
「サー・トリスタン・・・!貴公は、禁じなければ何をやってもいいと言うのですか!えぇ、えぇ。分かりました。これで確信しました。これまでは心の片隅でどこかで妥協出来るかもしれないと考えていましたがやめです。貴公の振る舞いを獅子王が赦すのならば、それが正義だと言うのならば、私は貴公の屍の先にいる獅子王を斬ります」*5
「・・・私は、とても悲しい。やはり貴方は人の心が分からない。どうしてこれが正解だと分からないのです。他の人ならばともかく、貴方もアーサー王なのだから、分かると思っていたのですが・・・」
「ロンゴミニアドのことを指してるのなら残念だったな。アレの副作用は知ってたから使ってねぇんだよ。だからこいつは人の王だ。神に堕ちた王を諌められねぇ雑魚が何言っても俺達はかわらねぇよ・・・!」
「ですがそれでも私達も変わりません。獅子王は決して山の翁を赦しはしない。貴方たちが反抗などしなければ、王の目的はとうに果たされていたのですから」
「それはどうなんだ?だってそもそも聖都ってキャメロットじゃなくてアンティオキアじゃん。十字軍との戦争中に横から聖杯取られた勢力が何言ってんの?お前らの最終目的をいくら考えても太陽王の聖杯が邪魔になるのは分かるのになんで守られもしない不可侵条約なんか作ったんだか・・・理解に苦しむよ、俺は」
「しかし、此度の侵攻はこちらの勝ちのようだ。───見なさい、西の空を。これ迄の酬い、無念と共に受け入れる時です」
ちっ、やっぱそうなるか───!