YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「追いついたか。諸君らと諸君らと事を構えるのは・・・実質三回目、か。一度目は聖都からの追撃。*1二度目は山の民の村。*2いずれも叛逆者と対面する事は叶わなかった。だが、最後でようやく対面の機会を得た。円卓、遊撃騎士ランスロット。王の命によりその身柄を拘束する。抵抗するならば容赦はしない。降伏か抗戦か───諸君らの信念に合わせよう」
んー、色々と辻褄が合ってしまうからここで退去させたくないんだよな。言ってある通りアグラヴェインにぶつけたいし。
「───マスター。私・・・あの人をよく知っているような気が・・・」
「だろうな。予測さえ正しければその感覚は間違ってない」*3
「サー・ランスロット。戦う前に貴方に問います。何故、卿は今の王に仕えているのでしょう」
「───これは、幻か・・・?いや、幻術か・・・?我が王・・・我が王なのですか!?馬鹿な、あり得ない!貴方がこの場に居るなど、ある筈がない・・・!」
「仮に私が幻であったとしても、私の問いが変わる事はありません。答えなさい、サー・ランスロット。卿ほどの騎士が今の獅子王に仕える理由を」
「それは俺も気になる所だ。ガウェインは思考を止めた。モードレッドはその力にひれ伏した。トリスタンは人類を嘆いた。三者三様だが、そこには獅子王への信頼があった」
「ならば卿は何を以て獅子王へと仕えるのですか。あの光を、人々の村を焼き滅ぼす愚行を、アーサー王の所業だと語るのですか!」
「─────────」
黙った、か・・・それも一つの答えだが・・・
「───総員、戦闘準備。これより、叛逆者達を拘束する」
「ランスロット!答えを聞かせなさい!」
「断じて!───断じて、あれが王の所業などと語れるものか!私が剣を預けたのは貴方だ、騎士王!獅子王などではない!だが、それと諸君らを捕らえる任務に関係はない!申し開きは獅子王の御前でするといい!」
「・・・そこまで分かっていながら、尚私と戦うのですね、ランスロット卿!王が間違ってるなら、まずはそこを糾弾し、正す!そう教えたのは忘れたのですか!」
うげっ、コレ両者初手宝具かよ!?
「湖の乙女と共に!」
「最果てに至れ、限界を越えよ」
「彼方の王よ、この光を御覧あれ!」
「防ぎます・・・!」
んー、互角か?まぁ拘束解除してないから*4なぁ・・・
「マスター、撤退を!心の底から無念ですが、これ以上の戦闘は困難です・・・!」
「そこまで悔しいの・・・!?」
「・・・いえ、つい・・・私も、こんなに負けたくないと感じたのは初めてのコトなので・・・」
「諦めよ、ここはオジマンディアスの砂漠。諸君らを助ける山の民は居ない。砂漠に逃げたのが仇となったな。話は道すがら、ゆっくり───」
その時、上空から声が響いた
「何をやってるのです、この不埒者ども!ここが太陽王ご執心の地と知っての狼藉ですか!」
んー、ホログラムの要領かな?確かニトクリスはホルスの化身、冥府の管理者だった筈だ。ならそれは鏡の応用か?
「我が名はニトクリス!太陽王にこのアトラス院を任されたファラオなり!我を畏れよ!我を崇めよ!さすれば命だけは助けよう!───つまり具体的に言うと、立ち去るか降伏なさい!見てわかる通り、私はとても強いのですから!」
「・・・また無理しちゃって・・・」
「・・・はい。あんなに派手な登場なのに、人の良さが滲み出ています」
「いやまぁその強さは本物なんだぞ?一応は」
「フォーウ・・・」
「ららら、ランスロット卿・・・!獅子王曰く、遥か一万四千年の過去、砂漠には滅びの巨人がいたと聞きましたが、まさか此奴が・・・!?」
「馬鹿者、よく見ろ!あれこそ魔術による幻影だ!本人はここにはいない!遠隔操作にすぎん!それより円陣を乱すな!」
「もう遅いよ!じゃあな、あでぃおす!」
んー、スフィンクスの群れか・・・
「微妙に厄介だな。倒しても良いが・・・今はこうやって隠密しておくのが一番か」
「と言うかよくこんな所でそんな隠密出来るわよね。コレってバレないのかしら?」
「同質化と《意識を逸らす》の併せ技でバレないようにしてる。まぁ範囲外に出られると一瞬でバレるけどな」
「そうなんで───きゃ!?」
「フォウ!?」
ん?落とし穴?天然の穴か?
「ちょっと、今マシュったらいきなり消えなかった!?まるで落とし穴に落ちたみたぎゃてぇ!?」
「フォフォウ!?」
「ぬう、これは!」
「ええ、これは!」
「落し穴のトラップだ───!」
「まぁ俺は浮かんで安全に降りるとするよ」
「いたた・・・お尻から落ちてしまいました・・・皆さん、いらっしゃいますか・・・?落下音は五つありましたが誰が落ちてないんですか・・・?」
「出席番号一番、藤丸立香、居ます・・・」
「救えなくて申し訳ない。アルトリア・ペンドラゴン、ここに」
「・・・苦厄、舎利子色不異空・・・はい・・・玄奘三蔵、ちゃんと出席してます・・・」
「ずいぶんと落下したな・・・それにしては空気があるな?あ、俵藤太、おるぞ」
「まぁここがアトラス院だからな。てことで浮遊して降りてきた無疆柳星だ」
「フォウ」
「それは結構。どうやら全員脱出できたようだね。怪我人もなくなによりだ。では明かりをつけよう。少しばかり目眩がするが、そこはご愛嬌だ」
「───七人目が居ます?」
「あの孤独なsilhouetteはまさか・・・!?」
「紛れもなく私だ*5・・・と言えば良いかな?やあ、こんにちは諸君。そしてようこそ、神秘遥かなりしアトラス院へ!私はシャーロック・ホームズ。世界最高の探偵にして唯一の諮問探偵。探偵という概念の結晶、【明かす者】の代表───キミたちを真相に導く、まさに最後の鍵と言う訳だ!」