YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
んー、やっぱここの敵は弱いな。特に何かの技が必要な相手でもない*1し
「そういえばホームズ。アトラス院って何なの?」
「ふむ、そもそもアトラス院とは何なのか?いい疑問だ。ミスター藤丸。ソレはエジプトにあるもう一つのアトラス山に根付いた、錬金術師たちの学院だ。別名を巨人の穴蔵という。魔術協会、その三大部門の一つ、蓄積と計測の院。中世から主流となった現代錬金術師とは異なる、魔術の祖、世界の理を解明する錬金術師の集団*2だった。彼らは魔術師でありながら、魔術回路の乏しい学徒達だったと聞く。当然の帰結として、彼らは神秘を学ぶ過程に於いて魔力に頼らず、多くの道具に頼った。その在り方は科学技術による発展に近かった。*3疑似霊子・・・魂を観測可能なエネルギーとして扱い、魔術回路を持つ生命、ホムンクルスを創造した。『自らが最強である必要はない。我々は最強であるものを創り出すのだ』それがアトラス院の錬金術師の格言だ。彼らはその信条のもと、多くの兵器を生み出した。魔術世界で言う七つの禁忌。アトラス院は世界を滅ぼす兵器を七つまで作り上げ、その段階で自分たちの限界を認め、これを封印したと言う。*4・・・彼らがなぜそんな兵器を作り上げたのかは諸説様々でね。アトラス院の院長にはアトラシアという称号が与えられる。ここに来る前にプレートを見たよ。そこにはズェピア・エルトナム・アトラシアという表記があった。彼が最後の院長なのだろうね。後継者は居たようだが、名前は記されていなかった───と。一気に語ってしまったね。理解出来たかな?」
「んー、なんとなくは?なんで世界を滅ぼす兵器を作ったのかとか、なんで巨人の穴倉なのか、とか気になる所は多いけれど・・・」
「ならばその辺りも語ろうではないか。生憎、中心部までは時間がある事だ。───巨人の穴倉と呼ばれたのは実の所理由は確定していない。ギリシャ神話世界に於いて世界を支えた巨人アトラスの曰くを受けたとも、元々アトラス山にあるから、というシンプルなネーミングだとも言われていてね。何が理由なのか確定しないのさ。*5それで、兵機を作った理由だが、歴代のアトラス院長は必ず発狂し、その結果、世界を滅ぼしてしまう
「まぁアレなんだよな。アイツら、皆自分自身の尻拭いで忙しいんだよ基本」
「どういう事なの?」
「俺達は特異点というバッドエンド行きの時空を修正することで救ってるがここの連中は自らが観測したバットエンドに対して武器を以て対策しようとしてる。だから基本忙しい。それなんだが・・・アトラス院は人類史でたった七回だけ、人理に味方をしなくてはならない。これを履行させる為の【契約書】だが、その内の一個を使いたいんだよな」
「ほう、君がアトラス院を頼るとは・・・何が目的かな?」
「ロンギヌス・・・ブラックバレルとでも呼ぶべき天寿兵装。ほぼ半不老たるORTのクリスタルがあるからソレをエネルギーに使えないかなって。*6並行世界ではロゴスリアクトとか言う【再演】の兵器出してるし、ソレと同等またはそれ以上と捉えればまぁまぁ有用なのでは?ってな」
「・・・しかしそんな兵装を持ち出すには承認する為の人材が必要なのではないかね?このアトラス院に人がいるとは思えないが・・・」
「そこ。外から見てた分には観測出来なかったから分からなかったからだが人が居ないアトラス院とか中央部以外に有用な場所ないだろうし概要を詳しく探る程度で終わりかなって思ってる」
「それにしても、凄い複雑な構造だよね。新宿駅より迷いそう」
「そうですね。降りていく分には道は二つしかないのに、振り向くと三叉路になっていたりする。騙し絵のような作りに見えますが、これではまるで
「だな。アトラス院はタブーが基本的に存在しない。他人の研究の邪魔さえしなければどんな研究しようとも、どんな非人道的な実験をしようとも自分に実害が出ないならスルーされる集団だ。まぁここで作られた者は基本敵に外に持ち出してはならないって言うルールはあるが・・・それは契約書で回避できるし。現にそれでトリスメギストスを持ち出したのがカルデアだし」
七枚の内、この時空に於いて持ち出されたのは現状トリスメギストスくらいか?他の時空だとシエルがブラックバレル持ち出してたりそれこそSN時空だと再演をそれぞれ持ち出してるが・・・この時空ではトリスメギストスくらいだしな。この世界で使えるのはあと六枚。まぁ
「さてさて、また警報が鳴りやがって。いちいち相手すんのもめんどいんだよ・・・」