YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「ふう、無事に転移できましたね。先輩、無疆さん」
「伝え忘れてたが無疆はやめてくれ。名前で良いぞマシュ」
「あ、はい。ではこれからは柳星さんと。・・・前回は事故による転移でしたが今回はコフィンによる正常な転移です。身体状況も問題ありません」
・・・だな。魔力もきっちり回ってるしどこかで止まってる感覚もない。これなら問題なさそうだな。
「フィーウ!フォーウ、フォーウ!」
あ、今回も来たのかこの獣。*1
「フォウさん!?また付いて来てしまったのですか!?」
「フォーウ・・・ンキュ、キャーウ・・・」
「マシュのコフィンにでも忍び込んだのかな?」
「そうじゃねぇか?じゃないと来れないだろ。多分」
「・・・そのようですね。先輩かわたし、もしくは柳星さんのコフィンに忍び込んだのでしょう。幸い、フォウさんに異常はありません。わたしたちの誰かに固定されてるのですから、わたしたちが帰還すれば自動的に帰還できます」
「ならフォウの為にも無事に帰らないとね」
「・・・だな」
この気配・・・蜥蜴か?*2あとは骸骨どもの気配も残ってるしなぁにが起きてるんだかなぁ
「はい。わたしたちは運命共同体です。・・・マスター。時間軸の座標を確認出来ました。事前の確認通り1431年です。現状、百年戦争の真っ只中、と言うわけですね。ただ、この期間はちょうど戦争の休止期間だったはずです」
「戦争に休みってあるの?」
「あるに決まってんだろ。戦争とはいわば兵力の使い潰しだからな。*3ある程度補給しながらじゃないとやってられない。んで、あまりにも長すぎると一旦の休戦期間にしましょうね、ってやるんだよ。ほら、太平洋戦争の終了原因とも言える原子爆弾。あれも謂わば本当は脅しだったんだ。*4『こっちの備蓄がちょっと危ないから一旦休戦しない?まぁ降参するならそれでも良いよ?』っていう。だからまぁ表面上は降伏勧告だったわけだが日本ってのは侍の國。そう簡単に降参なんか出来るか!って勧告を拒否。戦争の続行が決定したから脅してた通りに核を落とした。まぁそうなると流石に無理だってなって降伏したわけだが・・・謂わばこの時代だとその降伏勧告は受けないが休戦なら認めよう*5ってなって休戦してる時代って訳だな」
「・・・じゃあ、空のアレは何だろね?」
空?・・・なんだ、アレ。
「何が・・・え?」
『回線が繋がったわね。まだ画質が荒いですが映像も確認できる・・・どうしたの3人とも、空なんか見上げて』
「所長、映像を送ります。アレは何ですか?」
「ロマンとダ・ヴィンチちゃんも呼んで速攻で解析始めてくれ。アレはヤバいって事だけは分かる。魔力回路が意思持ってるみてぇに騒ぎ出してやがる・・・!*6アレが起動したら俺達は死ぬしかないってのだけが分かる・・・!」
『これは・・・光の輪、いえ、衛星軌道上に展開した何かの術式?柳星の【
「アレとは似て非なるモノだ。俺のは燃やす為の
『なんにせよ大きいわね・・・北米大陸クラスかしら?1431年にそんな事象が起きてるという記録は一切ありません。間違いなく原因の一環でしょう。あの光輪帯はこちらで解析します。貴方達はまずは霊脈の探索を。並行して現在の状況の調査をお願いします』
「所長の言う通りですね。まずは周囲の探索、現地人との接触。召喚サークルの設置・・・やるべきことはたくさんあります。一つずつこなしていくしかありません。まずは街を目指して移動しましょう」
「幸い、城壁は近いな。2,3時間歩けば辿り着くだろ」
「あれ、柳星ってそんなに視力いいの?俺の視界には何も映ってないけど・・・」
「アレ、言ってなかったか?アベレージ・ワンなんだよ俺。*7基本的には炎が1番適正あるから燃やす方向の魔力の使い方してるけど他の属性も使えるからな。そりゃ風とか土とかで距離測ったりとかは出来るぞ?」
『そういえば柳星、そういう細かい事はできたわね。燃やす方向の印象強いから忘れてたわ・・・』*8
「・・・ねぇマシュ。アベレージ・ワンって何?」
「さぁ・・・?私も聞いた事ないですね・・・」
『それは当然でしょ。現在時計塔に残されてる資料にも私が知る限り物凄い過去に1人いる程度ですもの』*9
「ま、基本秘匿されるもんなぁ・・・ちなみにマリー、アベレージ・ワンは俺で3人目なんだぞ?その様子だと秘匿されたな?」
『嘘!?誰よ、その隠された2人目って!』
「冬木の聖杯を作りし御三家、その一角たる遠坂家当主。遠坂凛だ。得意としてるのは宝石魔術でその腕前は【キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの直弟子になれる可能性が大いにある】って言えば分かりやすいよな?」
『・・・はぁ!?あの第二魔法の使い手の!?てか何でそんなの知ってるのよ相変わらず!どうせあの変態ジジイから聞いたんでしょうけど!』
「そりゃ冬木の関係者だしな。特異点Fにおいて本来の聖杯戦争のアーチャーのマスターだし。そりゃ知ってる。それと遠坂の家は遡ればシュバインオーグと関係性ある家だしな。英霊召喚の詠唱にも【祖には我が大師シュバインオーグ】って入るくらいには関係値高いんだよなぁ・・・*10」
『ただそれも今となっては会えないのね・・・』
「まぁこのグランドオーダーが全て終わったら時計塔に掛け合ってみたらどうだ?もしかしたらカルデアに引き込めるかもな」
個人的には
「ちょっと待て・・・?ん・・・?」
「どうしたんですか?何か見えましたか?」
「ソレは見えてる上で無視してるが*11今一つだけ疑問に思ってしまったことがあってな」
「というと?」
「冬木ってさ、聖杯戦争があったんだよ。つまり英霊を喚んだってことだ。ここまでは常識だな。つまり英霊召喚における触媒が必要だがキャスターの発言的におそらくマスターはあの【
「つまりどう言うことですか?」
「もしかしたら冬木に生存者が居る可能性があるって事だな。そしたらカルデアの戦力が大いに増えるぞ・・・!マリー、冬木って観測出来るか?」
『冬木?観測は出来ますが生命反応は0ですよ?』
「そりゃ当たり前だろ。探してるのは人じゃないんだから。探すのは【動体反応】だな」*13
『・・・!?んっ、んんっ!何かが動いてるのは観測できました。しかしこの動いてるものをこちらにサルベージするのは暫く掛かりそうね・・・これも計算させてみるわ』
「優先事項は光輪帯だからそっち終わってからでいいからな」
『それは当然です。ところで、そろそろ城壁につきそうね』
「だな。一旦音声は切るぞ。必要なのはコミュニケーションだからな」
『了解です。また何かあったら即座に呼んで下さい・・・翻訳機能は付いてるから話せはしなくても何を言ってるのかは分かると思います。後は任せました』
「俺はフランス語とか話せないよ?」
「まぁそれは俺もだが・・・マシュなら話せるだろ?」
「えぇ。ある程度の会話なら可能です」
「いいか?伝えるのは二つ。我々が旅の者である事。フランスで何か異常が発生しているという事を聞いて駆けつけた事。この二つさえ話せば馬鹿じゃなければ即座に敵対はされないだろ」
「分かりました。会話はお任せください」
さて、そろそろ向こうからコンタクトがあるはずだが・・・来たか
「arrêt!」(止まれ!)
「s'il te plaît, calme-toi.nous sommes des voyageurs」(落ち着いてください。我々は旅の者です)
「Dans quel but êtes-vous venu dans cette ville !?」(何の目的でこの街に来た!?)
「Quand j’ai appris qu’il se passait quelque chose d’inhabituel en France, je me suis précipité sur place.Charles VII n'a-t-il pas signé un armistice ?」(フランスで異常が起こっていると聞いて駆けつけました。シャルル七世は休戦条約を結ばなかったのですか?)
「Charles VII ?Il a été brûlé vif par le feu de la sorcière.」(シャルル七世?王は死んだよ。魔女の炎に焼かれたんだ)
魔女、ねぇ・・・
フランス語はガバガバ翻訳の可能性があります。まぁ日本語の方読んで「あ、こんな事言いたいのね」って感じてください。
さて、衛宮登場の可能性が生まれてしまいました。どうしましょ?