YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「・・・はっ!」
起床。どこだここ。森の中だな?
「あ、マスター。柳星さんが起きました」
「おはよう・・・おはよう?」
「おう、さて、軽くでいい。教えてくれ。そこの2人は誰だ?」
「やっと目を覚ましたのか。僕はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。そしてこっちが」
「私はマリー・アントワネット。これからよろしくね?」
「ふむ・・・これまた呼ばれるべくしてってのが来たな、藤丸」
「そうなのかな?あ、この2人にはもうカルデアの目的とかは話してて、もうこれからは一緒に戦おうって合意してあるからね」
「そうか、ならこっちから聞きたいのは向こうのサーヴァントの真名だな。カーミラとヴラド三世までは分かったが他の2人、十字架とヴェルサイユの騎士っぽいのが誰か分からん」
「あ、それはシュヴァリエ・デオンって人なんじゃないかな?って結論が出たよ。十字架の人は分からないけどね」
『良いタイミングで目覚めたわね、柳星。今そっちにサーヴァントが向かってるわ。寝起きなんだから少しは貢献しなさい』*1
「ま、それもそうだな・・・!」
「・・・こんにちは、皆様。寂しい夜ね」
「来たのは十字架か」
「───何者ですか、貴方は」
「何者・・・?そうね、私は何者なのかしら。聖女たらんと己を戒めていたのに、こちらの世界では壊れた聖女の使いっ走りなんて」
「壊れた聖女・・・」
「ええ。彼女のせいで理性が消し飛んで凶暴化しているのよ。今も衝動を抑えるのに割と必死だし。困ったものね、まったく。だから貴方達の期待はありがたいけど、味方になることはできないわ。そもそも、いつ襲うか分からないサーヴァントなんて味方にできるはずもないでしょう?」*2
「では、どうして出てきたのです?」
「・・・監視が役割だったけど、最後に残った理性が、貴方達を試すべきだと囁いている。貴方達の前に立ちはだかるのは【竜の魔女】。
「こりゃまたヤベェのがきたな・・・!生憎アサシンは居ないぞ・・・!?・・・あ」
(これを使えば確かにアサシンになれる。だけどこれは先達殺し、同族殺しの仮面・・・これは使わない・・・!)
「血を回せ、魔なる力を回せ・・・!ここでヤツを殺す!いいなお前らぁ!」
「うん!」
「はい、柳星さん!マシュ・キリエライト、出ます!」
ここまで俺が近接に集中するなんて初めてだからなぁ・・・!
「その力、貴方、本当に人間?」*5
「生憎、時計塔曰く竜種以上とかいう化物相手にしてきたからなぁ!」*6
ノッて来た・・・!もう一度、右・・・ここ!発勁!・・・通ったか!?通ったな!*7
「ここからだぞ聖女!」
鉄なら・・・コレが効くよなぁ!?詠唱は要らん!ここが霊脈の上で助かった!*8
「・・・やっぱり貴方、人じゃないわよ。*9普通の人は魔術師だろうともそんは
「るっせ!こんなん覚えなくちゃいけねぇ環境だったんだ察しろ!飛ばすぜここからは・・・!」
ほらそこ、地雷!*10真空波はお好み!?あらそれは嫌だと。なら燃やすな!?*11
「・・・柳星ってあんなに強かったんだ・・・」*12
「おや、君は彼と初めてってわけでもないんだろう?」
「そうだけどアイツさ、大技一発で終わりみたいな戦法しかとってこなかったから*13あんなに一撃のスケール落として連発するのは初めて見たんだよね」*14
「へえ、彼、とても荒々しいように見えてどこか繊細ね。とても華麗よ!アマデウスはどう思う?」
「そうだね、汚い音ではないんだよね。*15だからこそこの視覚と聴覚の違和感に頭が痛くなってしまうよ」
「そこ!聞こえてるぞ少しは警戒なりなんなりしておけや!」
「あらよそ見していていいのかしら!?」
「それ誘ってたんだよ!魔力通してるよなぁ!?」
腹には拳銃。ただし発射は体内。
「チェックメイトだ。聖女マルタ。お前は俺に新たな気づきをくれた」
「・・・そう、ここまでね」
「マルタ。貴方は・・・」
「手は抜いてないだろ。それは俺が1番よく分かる」
「ええそうね。彼相手に手を抜けるはずがないでしょう。これでいい、これでいいのよ。まったく、聖女に虐殺なんかさせるんじゃないってえの・・・いい?最後に一つ教えてあげる。【竜の魔女】が操る竜に、貴方達は絶対に勝てない。あの竜種を超える方法はただ一つ。リヨンに行きなさい。かつてリヨンと呼ばれた都市に。竜を倒すのは聖女でも、姫でもない。竜を倒すのは、古来から
「さようなら、聖女マルタ。貴方ほど意志の強い人を直接見たのは初めてだった。次、会えたならその時は味方で居てほしいものだ」
【起源弾】起動
「・・・バーサーク・ライダー。聖女マルタ、退去を確認した」
「・・・聖女マルタですら、逆らえないなんて」
「召喚されたサーヴァントであることに加え、狂化されてしまっていては、仕方ないかもしれません。本来なら、ああやって話すことすら不可能だったはず。それでも彼女が会話を成立させたのは、その類い稀なる克己心が故でしょう」
「ええ。とても穏やかで、同時に激しい人でした。わたしにはわかります。あの人は鉄の聖女。なんであれ、最後は拳で解決する金剛石のような人です。」
「うんうん。タラスクは説教で沈めたっていうけど、ホントはアレだな。力ずくで従えたに違いない。それはともかく彼女のおかげで目的地が定まったんだ。旅は急げというだろう?さあ、リヨンに向かって出発しよう」
「・・・意外です。アマデウスさんはその、徒歩の移動が嫌いなタイプだと思ったのですが・・・」
「あら。アマデウスは無類の旅好きよ?子供の頃から色々な国を渡り歩いていたものね?」
「まあ、旅行に慣れているのは事実かな」
「うふふ、ワクワクしてきたわ。リヨンに何があるのかしら。誰がいるのかしら!」