YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
1-1 その日は夏のような火に包まれた
朝、熱で起きた。その熱は季節的にもありえない。家を出ると、周りの家が燃えていた。新種の化物の仕業かと思ったがそんなに知能があるようにも思えなかった。だからこそ俺は山を降りた。きっとこの火事はここだけの事で、街には燃え広がっては居ないと思ったからだ。
しかしその希望は砕かれた。街は燃え、建物は崩れているのに人の怨嗟の声はしない。まるで【人類が消えた】ようだった。そう、思った時には俺は反射的に走り始めていた。南へと、南極の天文台へと。きっとそこには誰かがいるのだろうから。なに、少しばかり化物が街を彷徨いていたとしても山の化物共程ではない。そんなヤバいような存在ではないように見えてしまう。
「っと、忘れてた・・・【我は焼却を拒絶しよう】」
とりあえずこれだけは絶対だ。焼却対象なら様々な火系統を防げる。後は走るだけ。マッハ1*1なら海に落ちる事もないだろう。だがここから天文台まで何日かかるのだろうか?・・・まぁ走ってれば分かるだろうな。
やはり海は魔境である。よくわからんような化物がうじゃうじゃと湧き上がるのだから。だがそんな海もこえ今は5日目。やっと南極に着いた。流石の吹雪であるのだが、山が無い。まぁ走ってれば見つかるか。天文台は山にある。ならまずは山を見つけるところからだな。
それからすぐに山は見つけ、そこを登り大体3、4分後には天文台を見つけた。・・・お、誰か運ばれてんな*2。ならちょっと着いていきますかね*3。
『ーーー塩基配列 ヒトゲノムと確認』
『ーーー霊器属性 中庸・秩序と確認』
『ようこそ、人類の未来を語る資料館へ』
『ここは人理継続保障機関 カルデア』
『指紋認証 声紋認証 遺伝子確認 クリア』
『魔術回路の測定・・・完了しました』
『特別的登録名と一致します』
『貴方を霊長類の一員である事を認めます』
『はじめまして、そしてようこそ』
『貴方は人類最後の来訪者です』
『また、特殊事項を採用し戦闘プログラムをカットします』
さて、ここに来る事は確定してたのか?マリスビリーさん辺りが予見してたのかもな。なんか色々採取された事もあるし。・・・だがこいつはどうする?この「熟睡してます」って言ったらこの顔!みたいに言えてしまうこの男は・・・
「フォウ・・・?キュウ・・・フォウ!フォウ・・・?」
なんだこの獣!?山の化物にも劣らぬこの威圧は・・・!?いや、まて。昔も居たからな。人に抗わない獣*4が。きっとこいつもその類いなんだろう。
「フォウ!フー・・・フォーウ!」
この獣、寝てる男を舐めてやがる・・・?なんのためなんだろうか・・・?まぁ獣の考えてる事は分からないか。
「それよりも遠くから来るこの視線はなんだ・・・?どことなくロクデナシの雰囲気がするんだが」*5
おっと誰か来る。ピンクの髪に眼鏡をかけた少女だ。いや、少女か?人ではない。どっちかと言うと師範とかの側の亜人類に似てるな?
「あの、この方はここで寝てるのでしょうか・・・?」*6
「まぁそうとしか見えないが*7・・・それ以外だったら驚くなぁ*8・・・起こしたらどうだ?俺は少しここらを歩きたい。ここに来たばかりなんだ」
「あ、名前をお聞きしても?私はマシュ・キリエライトです。よろしくお願いします」
「極東は日本から来た、無疆柳星だ*9。よろしく頼むよマシュ君」
同類だな。
「おっと・・・エントランスシステム*10がイレギュラーを起こしたからと来てみれば、君だね?」
なんだこの
「そうですね。はじめまして。貴方は?」
「私はレフ・ライノール。ここで働かせてもらってる技師の1人だ」
レフ・・・レフ・・・あぁ、知らない名前だ。つまりマリスビリーさんの関係者じゃないな*12。
「俺は無疆柳星。訳あって、
「ほう?つまり君はここに呼ばれては居ない、と。そう言うんだね?」
目を細めてるからどんな考えなのか分からないのが辛いな・・・。見透かされてる気がしてならない
「えぇ、まぁ元々マリスビリーさんには呼ばれてたので話聞いてません?」
するとレフ・・・さんは要らないか。人に思えない。まぁレフが酷く驚いていた。そんなに驚く事か?
「マリスビリー・・・!?マリスビリーと言ったかな?」
「えぇ、マリスビリー・アニムスフィア。彼に何かあったらここに来るようにって伝言が残されてましてね。そのナニカがあったからここに来たんです」
「残念だが・・・マリスビリー前所長は既に亡くなっていてね。今は彼の娘のオルガマリー・アニムスフィアがここカルデアの所長なんだよ」
は!?彼が既に亡くなっている・・・!?いやまぁどこか狂ってた人だし何かの目的の為なら自殺出来る人だとは思っていたがそうだとしても驚いた・・・!
「オルガがねぇ・・・まともに回ってるんです?あの人柄だと機能しないように思えるんですけど」
オルガマリー・アニムスフィア。なまじマリスビリーさんが有能すぎたせいで果てしないほどの重圧とどこまでいっても虚無でしかない投影を受けた人類社会の被害者。そんな彼女がここの所長?傀儡政治になってないといいが・・・
「彼女を知ってるような発言だね?まぁ前所長を知ってるなら彼女を知っていてもおかしくないか。まぁ誰かの傀儡になってたりはしないよ。というかそんなに軟い人ではないからね、彼女は」
それもそうか。まぁ若干メンタルがぶれやすい点さえ考慮出来れば、そりゃここの運営は出来る。確かに彼女はプレッシャーに対してとても強い。緊急事態だからこそ、ここはまともに回るのだろうな
「あぁそうだ。そろそろ彼女による現状に対する説明会が始まる。君は特例故に座る椅子は無いが聞きに行くといい」
「そうですね。・・・ここを歩いていけばいいですか?生憎ここの地図はなくて」
「そうだね。ではまたこの後会おう」
レフ・ライノール・・・まるで【初代】の伝説*13のような、それであってちょっと方向性の違うような、そんな雰囲気の男だったな。
現在ここに持ち込んでいるものリスト。つまりは冬木に持ち込まれるものリスト。
???の仮面
拳銃(特注)
通常弾
特殊弾