YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「・・・さて、そろそろ街に着く頃だが」
『あー、あー、聞こえてますか?』
「聞こえてるぞマシュ。どうした?」
『こちらで手に入れた情報なのですが、どうやらそちらの街に聖ゲオルギウスがいるそうなのです。なのでコンタクト、さらにはこちら側へ協力要請が出来ないかな、と』
「・・・あー、いるわ。サーヴァント。狂化は見えないから*1推定ゲオルギウス卿*2でいいな。・・・分かった。コンタクトとってみる」
・・・っと、向こうから来た。赤い鎧に腰には聖剣。確かその名はアスカロン。対竜の聖剣としては格別じゃねぇかこりゃ*3
「そちらで止まってください。何者ですか?」
「俺は無疆柳星。こちらの2人の護衛・・・的な立場だな。サーヴァントではなく人間だ。マスターって訳でもない」*4
「わたしはサーヴァント。クラスはライダー。
「・・・なるほど、狂化はされてはいないようですね」*5
「ええ、彼らと戦う側です。それからこちらが───」
「なるほど、かの聖女ですか・・・名は伏せておいた方がよろしいでしょうね。この街も、あの邪竜と魔女に一度襲撃されています。私がどうにか退散させましたが、次は不可能でしょう」
・・・ん?*6
「・・・では、私たちと共に来て戴けませんか?“竜殺し”に掛かった呪いを退散させなければならないのです」
おっとこの気配*7
「・・・ゲオルギウス卿、残りの市民の凡その数と逃がす方角はどちらで?」
「あぁそれは大体───」
ふむふむ・・・うん、見逃しも無さそうだな*8
「それじゃあ俺は市民の避難誘導を再開させる。今から来るであろうアレらの対処は任せる!」
・・・っと
『ねぇ・・・本当にいいの?柳星』
「これでいいんだ。俺はあくまで手助け。ソレ即ち俺が居ないと出来ないことはやらないってことだ。*9・・・責任の放棄とは言わないでくれ。俺が何にでもでしゃばったらそれこそ藤丸のためじゃない。*10マシュにも成長してほしいから・・・」*11
『そう・・・ところでなんでソレを貴方は知ってるのよ』*12
「気配と・・・あとは覚悟だな。マリー・アントワネットの願いは叶わない。だがソレを当の本人が覚悟しているのなら・・・俺が変えるのは野暮だし・・・まぁなにより俺はあまり今アレ*13と対峙したくない。魔力保たない気がするんだよなぁ・・・」
『・・・そう。ならこちらは貴方の考えを支持します』
さて、これで全員だな。*14
「マリー、逃走の指示出してやれ。アイツら、逃げることを忘れてやがる。*15ここで勝てる相手じゃないだろ・・・しかもサンソンだっけ?あいつも倒し損ねてるし・・・*16」
『分かったわ・・・ところでこれからどうするの?』
「とりあえずはソロ行動だな。俺が死んだと偽装する。・・・のはやめとくか。*17死体撃ちされたらたまったもんじゃない。どうしよ?アイツらの元に帰るのが1番だけど何言われるか分からないのは怖いんだよなってのが本音」*18
『そう・・・』
「・・・おっ?素直に撤退を始めた!?*19こりゃ避難誘導さっさと進めた甲斐があったな」
『つまりどう言うこと?』
「俺はぶっちゃけゲオルギウス卿と会話し始めた辺りからファヴニールの気配を感じていた。*20だから避難誘導するって言って離脱して、まぁ本当に避難誘導終わらせたわけだけど。ぶっちゃけマリー・アントワネット王妃は残ると思ったんだ。それが彼女の役割だと思ったから。*21だけどまぁ・・・誰かが残る必要がないならそりゃ残らないよな。俺に対しては別に待つ必要は無いのはジャンヌならば分かってるだろうし」
『で、じゃあ貴方はどうするのよ。貴方の思考の大前提って王妃が残る事だったじゃない』
「そう、そこなんだよ。どうしよ・・・ってなってる。とりあえず魔力奪う容量でサンソンとやらの霊格はハッキングみたいにして位置追えるようにしておいたからいいけど」*22
『そう。・・・ジャンヌ達を追いかけてオルタとファヴニールが動き始めましたね』
「・・・あっ、そうだ。*23後ろから不意打ちしようぜ!それで魔力乱せればオルレアン攻略戦でかなり有利に動けるぜ!?」
『・・・あっ、ハイテンションになって来たわね?えぇ、ソレが最善だと思ったらやりなさい。貴方の止め方は私は諦めてるわ・・・』*24
「・・・あっ、バレた」*25
『なにやってるのよ貴方は!?』
「・・・これで三人。見込んだ者ほど早く脱落するとは、皮肉ですね」
「いやまぁそりゃそうだろ。なにせ呼ばれてるサーヴァントはもれなく抑止力。ならそのサーヴァントキラーが来るのは当然だろう?サンソンに対してのマリー・アントワネットなんかその良い例だろ。ランスロットには・・・誰が呼ばれたんだろな?知らね」*26
「
「そうか?だってそりゃ逃げるだろ。市民はもう避難していてファヴニールに対抗できるジークフリートは向こうにいる。そしたら当然逃げるだろ。ジャンヌ・ダルクは何も考えずに命を捨てる阿呆だったか?」
「・・・いえ、それは違いますね。いくら彼女が聖女と言われても、どれだけ市民を煽動しても、それは何も考えない自殺ではなかった。まぁ、その後の事を考えてはいませんでしたが」
「だろう?」
「では、貴方はなぜここにいるのですか?貴方は極めてこちら側の人物だと思うのですが?まさか民を守る使命に酔いしれたい・・・なんては言いませんよね?」
「んー・・・なんで、か・・・そもそもここにいるのは俺じゃないんだけどなぁ・・・まぁ、アンタの前に立つ理由はあるだろ。アンタをアイツらの元に辿り着かせない。それで充分じゃねぇか?それに死ぬ事はないだろって確信持って言えるからな」
「貴方は極論この時代を修正する為ならば最悪のラインを超えない範囲で助ければ良いはずです。そこまでして何故サーヴァントの身代わりとして・・・」
「堂々巡りだぜ?ここからは武力が物言う時間だろ・・・ジャンヌ・ダルク・プロトオルタナティブ!」*27
「───それもそうですね。それにこちらとしても貴方を倒せれば充分と言えるでしょうし」
だけどファヴニールを出してくる辺りまだ冷静だよなぁ・・・
「来いや・・・創りモノが・・・!」
魔力炉心、発見。*28
「また火吹きか?意味ないって学んでないのかねぇ!」
「はっ、竜種はこう言うメリットもあったんだなぁ!?」
「貴方・・・何をしたのですか!」
「すぐ近くに優れた魔力を持つ魔力炉心があって、俺にソレを使う方法がある。ならそこから使うのは・・・道理だろ?ついでに相手の魔力回路も乱せるしな」
「くっ・・・ファヴニール、ここは撤退です」
「・・・そろそろ俺達も決着付けようや。ソレが良いだろ?」
「えぇ、だからこそ決めました。オルレアンで貴方達を待っています」
さて、もし避難誘導が間に合わずマリー・アントワネットが残った場合ですが、王妃が退去する原因となった一撃のブレスに合わせて逆流する炎を仕掛け、なおかつそこから爆破する、といった戦法を不意打ちで行うためファヴニールとの決戦が始まります。その場合ですが、ワンチャン柳星も死んでるので危なかったですね