YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
実の所、無疆柳星と言う存在もこの星にとっては実に危険視されているというのはご存知だろうか?当たり前のように現実を否定し、太陽を再現し、その他諸々も行うのだから。それならば「彼に対する抑止力」もまた発生しているのだ。今回で言うなら・・・そう、こう言う事である*1
「マシュさん!」
「ああ、良かった!そちらは───」
「ゲオルギウス、と呼ばれています。」
「・・・マリアはどうした?」
「マリーは、逃げる途中に現れたファヴニールとは違う竜種から私たちを流すために・・・」*2
「そうか。そう言って残ったのか。んー、なら仕方ないか。気にしなくていいよ。僕らがいたとしても彼女はそうしただろうし。マリアはかぎりのない博愛主義者だからなあ。そういう生き方で、そういう死に方をする女だよ。それより、早くジークフリートの呪いを解いてやったら?」
「は、はい!」
「アマデウスさん・・・」
「いいんだって。こうなるって分かってたし。ほら。マリア、ピアノの話をしただろう?あれはさ、彼女なりの別れの言葉なんだ。生前、一度も叶わなかったからね。ピアノを聴かせて、なんて言われたら僕としては止めようがないさ。でもまあ、二度目の別れは堪えるね。一度目より辛い。もう出会えないかと思うと余計にだ」
「え・・・あの、英霊ならまた会える事もあるのではないですか?今回みたいに同じ戦場に呼ばれる事だって・・・」
「んー、ソレはないと思うよー?英霊だって星の数ほどいるんだし。今回、僕と彼女が出会えたのはそれこそ奇跡だった。ま、誰か酔狂なマスターがいるなら話は別だけど。ともあれ、ちょっと疲れたな。しばらく席を外すから、出発の時は声をかけてくれ」
「待っ・・・」
「止めて、マシュ」
「マスター、でも───」
「いいじゃない、誰だって一人になりたいときはあるわよ」
「そうです、マシュ。男心がわかっておりません」
「そうですね。それはそれとして・・・何でいるのですか?」
「別にいいじゃない、ねえ?」
「わたくしたちがいて、何の不満が?戦闘も手伝って差し上げますのに」
「はあ、それは有り難いことですが・・・」
「ところでマスター」
「自分?」
「もちろん貴方です。仮ですが、マスター契約を結んで下さいますか?ええ、小指を出して下されば充分です。ゆーびきーりげーんまーんうそついたらはりせんぼんの一ますー・・・これで契約完了です。マスター契約は絶対なので、以降わたくしに嘘をついた場合、針を千本呑んで貰います。よろしいですね?それでは、よろしくお願い致します」
「マスター、ジャンヌさんたちがジークフリートの解呪に成功したそうです!」
「ええ、これで問題ありません。やはり一人では呪いを解くことはできなかったでしょう・・・マリーのおかけです。彼女がいたからこそ、私たちは生き残った。彼女がその身を挺して守ろうとしたものを、私も守りたい。この時代、この世界、この国───そのために“竜の魔女'"・・・そして、竜を倒しましょう」
「───よし、動くようになった。骨を折ってもらい、申し訳ない立香。いや、マスター・・・そう言った方が正しいか。あなたたちが骨を折ってくれたこと、心より感謝する。そして、その返礼として剣を預けよう。この身はマスターの剣であり、盾である。真名ジークフリート。竜を殺す以外には能の無いサーヴァントだが、使ってくれれば光栄だ」
『よし、これで可能な限りの戦力は揃ったわけだ』
「あの、ドクター。柳星さんはどうしたのでしょう?」*3
「確かに見当たらないね。そもそもジャンヌ達と一緒にも来てないし」
『それなら問題ありません。彼は今単独行動中です。ジャンヌ・ダルクにも預けていた通信機が役に立ちました。彼には今森で襲って来た竜種について探索してもらってます』
「ファヴニールはどうにかできたんですね、彼・・・」
「まぁ柳星だしねぇ・・・同じ手段が二度通じることはないんじゃない?余程のヘマをしなければ」
「マスター?その柳星というのは?」
「ああ、清姫さんとエリザベートさんとはまだ会ってませんね。*4柳星さんはこのオーダーにおいて最前線での前衛的役割を果たしてくれる人です。隠し事が多かったり自己完結してしまう所はちょっと悲しいですが、それでも戦闘においては彼以上の人はまだ知らないですね」
「へえ、それって私たちよりも強いのかしら?」
「まだ貴方方の全力を見てない為断言は出来ませんが、恐らく。彼は私の盾でも防ぎ切れるか分からないほどの威力の技が多いですから」*5
「まあ、貴女の盾よりも強い一撃を加えられるとは本当に人間ですか?その人」*6
「ただ大丈夫なのでしょうか・・・」
『そこは心配いりません。貴方達を頼るから魔力を使いすぎるのであって1人で動くならソレ相応の動きをしますから』
「そうですか。ではこちらはこちらで動く、と言うことで。それではマスター。これからどうしましょうか」
「決まってる、オルレアンを攻めよう」
「はい、了解しましたマスター!」
「・・・ふん。そう言うことなら手伝ってあげてもいいわよ、子イヌ」
「あらエリザベート。わたくしの
「・・・アンタいま、とんでもない変換しなかった・・・?*7ま、まあいいけど。わたしはそんな安いドラゴンじゃないし。とっておきのマスターにいつか必ず出会うんだし!」
「あら。ヒン曲がっているのは頭の角だけじゃないのね。見果てぬ夢を見ているなんて、頭の中は大丈夫?」
「見果てぬ夢じゃないって一の!これは確信!確信だから!きっとわたし好みの、わたしを大好きになってくれる、子ブタみたいなマスターと出会えるんだってば!」*8
「はいはい。今日も頭は日本晴れですねぇ」
「・・・賑やかで結構ですな、こちらの陣営は。もちろん、助力させていただきます」
「おっと、もう出るのかい?じゃあ僕も付き合うよ。ここまで来たら最後までだ」
「藤丸さん・・・いえ、マスター。今の私は力無きサーヴァントです。それでも、この世界を守りたいと願っています。どうか、共に戦って下さい」
「当たり前だよ。・・・勝つぞ!」
暫くは藤丸視点です。なにせ無疆視点で書くとあと5話くらいでオルレアンが終わってしまうので・・・作者は学びました。ちゃんと本筋は書こう、と。なので藤丸視点が続きます