YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「・・・ジル・ド・レェよ、今ここで投降するというのなら神の光による浄化*1で許してやろう。どうだ?まだ戻れるぞ?」
「いいえ、投降などあり得ない!この戦はもうその
「そうか、ならば・・・しょうがない。マシュ、ジャンヌ。少し任せる。次で決める」
「はい、分かりました」
「それならばこちらも宝具を切りましょうか!」
《炎の霊、地の霊、我に混ざりてここになせ》
《円環はここにあり。故に我は人を捨てる》
「守る護る守り通す・・・!」
《我が身体は炎、我が魂は宙である》
《サークル・重複》
《霊脈奪取》
《宝具・擬似展開・
「令呪を以て命ずる!マシュ・・・守り通せ!」
《
「重ねて命ずる!ジャンヌ・・・ジル・ド・レェに光を!」
《都度五つ、我は述べよう》
「くっ・・・!この光・・・正しくあの時見た光!だが・・・それでもここで立ち止まる訳には行かないのです!」
《全てを貫き・満せ》
・・・終わった。勝った・・・か?これで第二ラウンドとか無いよな?
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・ちっ、消えなかったか・・・!」
「馬鹿、な・・・!聖杯の力を以てしても、届かなかった・・・だと・・・!?そんなはずはない!そんな理不尽があってたまるか!私、は、まだ・・・!」
「ジル。もう、いいんです。もう大丈夫です。休みなさい。貴方はよくやってくれた。右も左も分からぬ小娘を信じて、この街の解放まで・・・今の貴方がどうあれ、私はあの時の貴方を信じている。大丈夫。私は最後の最後まで、決して後悔しません。私の屍が、誰かの道へ繋がっている。ただ、それだけで良かったんです。さあ、戻りましょう。在るべき
「・・・ジャンヌ。地獄に堕ちるのは、私だけで───」
『聖杯の回収を完了しました。これより、時代の修正が始まります。レイシフト準備は整っているからすぐにでも帰還しなさい』
「了解しました、所長!」
「もう、行かれるのですか?」
「うん。行かなくちゃならないからね」
「あら、そうなの?うん・・・まあ、目的は果たしたしよしとするわじゃあね、子イヌ。悪くない戦いぶりだったわよ?」
「───まあ、ここで離ればなれだなんて。でも、マスター。安心して下さい。わたくし、些か執念深い性質なので。どこに行ってもきっちり追跡させていただきますわ。だって、それが、「愛」ですもの。・・・ね?それでは、ごきげんよう」
1人は新たな目標を得て、1人は1つの因果を乗り越えて、黄金の粒子に包まれた。では一方彼らは・・・?
「・・・どうやらすべて終わったらしいな。ワイバーンたちが消えていく」
「聖杯戦争、というにはあまりに歪んだ形*2でしたが。ともあれ“竜殺し"と共に戦えて光栄でした」
「俺の方こそ、名高き聖ゲオルギウスと同じ陣営で戦えるとはな」
「しかし、この様子だと再び召喚される日も遠くはなさそうだ」
「ああ、あのマスターの旅路はまだ続くだろう。俺たちも、もう一度助力できると良いのだが───」
「ようやくお役目ゴメンか。ああ疲れた、働き尽くしでケツが痛い!っと、その手のネタは禁句だったな、失敗失敗。ともあれ、いい指揮だったよ藤丸立香。実に、実にやり甲斐のある仕事だった」
1人は過去に決着を1人は人類最後のマスターの未来に期待を。そして更に1人は本来会えないはずの運命を乗り越えて黄金の粒子に身を包んだ。では、場面を戻そうか
「ジャンヌ!」
「ジジル・・・!」
「一体、何があったのです・・・!?いえ、何より生きていらっしゃったのですか!このフランスは荒廃してしまったが・・・貴女が生きているなら、それだけでも・・・!」*3
「・・・いいえ、それは違いますよ」
「え───?」
「貴方とて、何とはなしに理解できているはず。この世界は泡沫の夢に過ぎない。私は確かに死に、貴方は───悲嘆する。それは歴史。決して変えられぬ運命」
「ジャンヌ・・・」
「でも。違う形で、違う在り方で。共に戦うこともできる・・・そんな予感があります。だから、これは一時の別れです」
「やはり、貴女は・・・いや、それでも。死してなお、この国を・・・!赦して欲しい、ジャンヌ・ダルクよ!我々は、フランスは、貴女を裏切った・・・!おおおおお・・・!」
「大丈夫、大丈夫です。せめて笑って、この世界から離れましょう」
「マスター・・・そろそろのようです」
「マスター、そしてマシュさん。それに柳星さん。恐らく、こうしてあなた方と出会ったことも、戦ったことも、失った命すら・・・無かったことになるのでしょうね。私はそれが、少し悲しい。・・・もちろん、失ったはずの命が戻ってくるのは喜ばしいことでしょうけれど。お二人とは、また何処かで出会えそうな予感がします。私の勘は、結構当たるんですよ?さようなら。そして、ありがとう。全てが虚空の彼方に消え去るとしても。残るものが、きっと───」
その最後を言葉を聞くことはなく、俺達は現代へと帰還するのだった
「お疲れ様です。初のグランドオーダーは貴方達のお陰で無事達成しました。そもそもレイシフトシステムは完全とは言い難いこの状況で貴方達は最善とも言える結果を出してくれました。生き残った全カルデア職員を代表して、貴方達は我がカルデアが誇る魔術師であると保証します」
「フォウ、フォーウ!」
「・・・フォウさんもしっかり帰還しています。やはりラッキーアニマルなのではないでしょうか?」
「おや、お帰り。だいぶん疲れているようだね。はい、これ最新の観測記録。所長、フランスの特異点は完全に消失したと言っていい結果が出たよ」
「そう、とりあえずは一安心ね。方針が間違ってなかったということなのだから」
「・・・それでも、レフ教授・・・いえ、レフ・ライノールは現れませんでした。彼はフランスにはいなかったのでしょうか」
「まぁそりゃそうだろ。フランスはぶっちゃけ今回じゃなくてもよかったくらいには放置されてたんだ。ならアイツはもっとヤベぇところにいる。ま、現れるとしてもその特異点のラストの方だと思うけどな」
「レフ・・・いえ、今は関係ないですね。今日の所はこれでミッションを終了します。各自部屋に戻って休息を取るといいでしょう」
次回・蛇足(真)