YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「サーヴァント反応、近いです。警戒してください。もうすぐそこにいます」
「だな。霊脈からも感知できるだから本当に近いぞこりゃあ・・・二つだな」
「どこだ、ブーディカ!返事をしろ!よもやまだ死んではいまい!わかるぞ、余にはわかる!貴様は死なぬ!ここで死ぬような者ではない!」*1
「・・・ううん。それは随分と勝手な物言いじゃないかな。でも、安心していいよ。彼女は無事だ。今は、彼の魔術ですやすやと眠っている」
「拘束の魔術だ。すやすや眠る、とは違う」
どっちなんだよ一体・・・ん?どっかで見た覚えのある・・・*2
「でも、彼女、寝てたよ?すやすや」
「あーーーーー!」
「うわっ、急に何!?柳星」
「ぬぅっ!?急に大声を出すな、驚くだろうが!」
「征服王*3にグレートビックベン☆ロンドンスター!?*4まさか会えるとは思わなかった!」
「へぇ、僕のこと知ってる人が現代にいるんだね」
「ぬぅっ、その呼び方・・・もしや別世界の、もしくは更に未来のエルメロイ教室の者か!?」*5
「驚いた!征服王はともかくなんで現代人がいるんだ・・・!?*6しかも時計塔、焼却されてるはずだろ・・・!」
「なるほど、私は今そうなっているのか・・・*7縁もゆかりもない英霊の依代にされてな」
「なるほどなぁ・・・にしてもグレートビックベン☆ロンドンスターに会えるとは思わなかったなぁ・・・*8これだけでもここに来た甲斐があると言っても過言ではないなぁ・・・」*9
「・・・貴様ら。のこのこ顔を出すとは、驚いたぞ。両名共に、この砦の将と見た。許す。自らの名をこの皇帝ネロへと告げてみよ。*10柳星はそこを配慮してくれたのだな?」
「ありゃ、分かった?」
「名乗らせてくれるのかい?ううん、そうだな。如何言うふうに言おうかな。僕は名前が複数あるんだ。悩むね、ううん。───よし、こうしよう。そこの彼が僕を征服王と呼んだ。ならばそれに相応しい名前を名乗ろう。僕は、
「ロード・エルメロイⅡ世。故あって、いや、縁あって彼の軍師をしている。まっとうな英霊ではない。英霊としては別の名になるんだろう」
『うそ、ロード・エルメロイⅡ世!?現代魔術科のロードが、如何してその時代に・・・!?』
「む?どこかで聞いた覚えのある声だな・・・いや、オルガマリーか?もしやだが」
『ええ、そのオルガマリーです。お久しぶりです、ロード・エルメロイⅡ世』*12
「なるほど、そちらではそれだけの時が経っているのか・・・」
「ねぇ、柳星。所長も知ってるって彼はどんな人なの?」
「んーと、かなりの苦労人で探偵気質の略奪公。聖杯の解体すらも出来る人だな。俺は敢えてグレートビックベン☆ロンドンスターなんて呼んでるが他には【プロフェッサー・カリスマ】【マスター・V】【絶対領域マジシャン先生】【マギカ・ディスクロージャー】【女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男】なんて呼ばれてるぞ」*13
「へ、へぇ・・・でも柳星が知ってるなら冬木絡みなの?」
「だな。第五次のセイバーのマスターとアーチャーのマスターは聖杯戦争後に時計塔に行ってるからな。そこで絡んでんだよ」*14
「じゃあイスカンダルについては?」
「第四次の聖杯戦争におけるライダーだな。オケアノスを目指した王様だぞ。詳しくはぶつかってみるといい。彼はその有様で物事を語る」
「ところでネロ皇帝の事は放っておいてもよかったの?」*15
「良いだろ。彼とは問答するべきだ。第四次の頃も有ったんだぜ?サーヴァントのバトロワを一旦忘れての聖杯問答。だからこそ問い、答えるべきなのさ。それにお前らは気づいてないのだろうが俺たちの周囲には侵入を拒む結界を張ってあるから気にすんな」
「おや、変な感じがすると思ったら君の仕業だったんだね?」
───!?
「ちっ、やっぱりそうか、名乗ったからって
「やっぱり君は気づくのか。でもこう見てみるとおかしいね?まるで君、一般魔術師のようだ。サーヴァントに見えないね」
「はっ、俺ぁサーヴァントじゃねぇんでな!」
「なるほど、それじゃあ話をしよう。早くしないとね。君の兵も僕の兵も死んでいく。僕もそれは本意じゃない。だから───さぁ、
「・・・分からぬ。てんで分からぬ。少なからず、貴様の軍で余の兵は命を落とした!今なお、そうだ。こうして・・・それを、ただの話ひとつが目的だと言うのか!貴様・・・!」*17
「うん。人間の命は尊いものだとは思うよ。それは、僕だってそう思う。でもね、だからこそね。
「無用・・・無用と言ったのか、この戦いを。貴様は」
「言ったよ。なら、どうする?」
「・・・許さぬ。死から蘇った血縁だろうと・・・過去の名君であろうと・・・古代の猛将であろうと・・・伝説に名高き、大王その人であろうとも・・・今!この時に皇帝として立つ者は、ネロ・クラウディウスただひとりである!民に愛され、民を愛する事を許され、望まれ、そう在るのはただ独り!ただ一つの王聖だ!ただひとつだからこその輝く星!ただひとりだからこそ、全てを背負う傲慢が赦される!例えローマの神々すべてが降臨せしめて連合へ降れと言葉告げようとも、決して退かぬ!退くものか・・・!そう信じて踏破するのが我が人生、我が運命!退かず、君臨し、華々しく栄えてみせよう!」
・・・やはり、眩しいな・・・
「見事!その答えが、どうしても聞きたかったんだ。合格だ。きみは覇王になるがいい。いいや、皇帝に!君にはその資格があるだろう!栄華繁栄を誘う薔薇!人間だけが持つ業、堕落の数字を示す獣!
「黙れ!黙れ黙れ黙れ!それ以上の言葉は要らぬ、故に!マシュ、立香それと・・・柳星!お前たちの力を借りるぞ、こやつを───」
マシュは盾を、立香は魔術回路を。俺は・・・仮面を。それぞれが構える。
「───倒せ!」
「マシュと立香はエルメロイⅡ世を!俺はこの征服王をネロ皇と倒す!」
「分かった!」
「了解しました、柳星さん!」
「行くぞ、ネロ皇・・・まだ本当の未来を知らぬ*18この馬鹿野郎に、本当の皇帝を見せてやれ!」*19
「うむ、こやつはまだ知らぬ。本当の皇帝を、本当の
「良いね、それでこそ君たちだ!だからこそ、最初からフルスロットルだ・・・!確かに僕は本物の
「良いだろう、空の大輪には及ばすとも・・・それでも世界は燃やせるだろうよ!」*20
「決めろ・・・ネロ!」*22
「うむ・・・はぁぁぁぁぁ!!!」
その一撃は、確かに征服王の肉体を斬り裂き、致命の一撃を与えたといえよう。
「・・・もうひとつ、言葉を残しておくよ。可愛い皇帝さん。その誇り高さ・・・咲き誇る花の如き輝きは尊いものだろう。けれど・・・きっと、危険なものでもあるはずだ・・・どうか・・・」
その最後の言葉を残すことはなく、若き征服王は座へと退去した
「ライダー:アレキサンダー三世。退去を確認した」
「余は、間違ってなどいない。なにひとつ・・・余は、ただひとりの・・・皇帝だ・・・」
「・・・」
声を掛けるべきか迷ってしまう・・・*23
裏話。実は最近マシュも剣を習うようになった。その上で地属性の英霊だからと土属性も学んでいる。お陰で即座に剣を作れるようになった。やったね!戦力アップだよ!