YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「うむ───要するに決戦である!今こそ、余と、余の兵たる貴様たちの力を集まる時、この戦いを以ってローマはひとつとなろう!忌々しくも【皇帝】を僭称せしものどもよ、今こそ、偽物のローマが潰える時だ!戦え、余の兵たちよ!我が剣となって僭主どもを悉く撃ち倒せ!我が剣は原初の
「いやぁ、流石だな。これこそ皇帝、って感じがするよ」*1
「既に戦闘が開始されています。ですが、サーヴァントの気配は未だありません。わたしたちは応急攻略作戦に参加しています。件の宮廷魔術師、見つけられるといいのですが・・・」
「居るさ。絶対に。ここで逃げるようなやつは人理の焼却なんかしようとしないだろうよ」*2
『いいかい、マシュに藤丸君。聖杯の所有者と遭遇した場合、一体何が起こるか分からない。充分に注意してくれ。*3前回は聖杯の力で竜種が召喚されていた。今回、英霊召喚のみに費やされているとは限らない。*4それに───』
「誰か、来るぞ!」
「・・・勇ましきものよ。実に、勇ましい。それでこそ、当代のローマを統べる者である」
「・・・迂闊に手を出したくない相手ってのも珍しいな」
「む───」
「こちらも視認しました。王宮入り口付近に巨軀の人物が一名。こちらへ向かって、声を・・・掛けてきました。ネロさんにも聞こえたようです」
『戦場で、かなりの距離があっても声が届く?流石はサーヴァント。声帯も人間を超えているな』
「そうか。お前が、ネロか。何と愛らしく、何と美しく、何と絢爛たることか。その細腕でローマを支えてみせたのも大いに頷ける。さあ、
「・・・有り得るのか?そんな事が、有り得ていいのか?」*5
「な・・・何、と・・・あれは・・・い、いや・・・そんなこと、が・・・あって、良い、のか・・・いや、いや・・・しかし・・・」
「ネロさん?顔色が優れません、何か魔術を掛けられて───」
『いいや、魔力の働きは感知されていない。魔術やサーヴァントスキルの類ではないはずだ』*6
「では、一体───」
「あの男に心当たりが?柳星も反応してるし・・・」
「呼べるはずがないだろ・・・神霊がなんだ?だからどうした。アレは・・・アレだけは、呼べてはならないだろうが・・・」*7
「そ、れは・・・ローマ・・・あれは・・・
「お前には分かるはずだ。ネロよ。さぁ、来い。
「あ、ああ・・・そなたは・・・いいや、あなたは・・・あなただけは・・・有り得ぬと・・・余は・・・思っていたのだ・・・信じていたのだ・・・信じたかったのだ・・・しかし、あなたは余の前に立ちはだかるのか!紛うことなき、ローマ建国王!」
「グランド資格者、その槍の位。理由は忘れたが*8立ち向かえるのか・・・?人如きが・・・?」*9
「「神祖ロムルス・・・!」」
『柳星、ちょっと!?どうしたのよ!ねぇ、柳星!』*10
「先輩、敵の一団が接近中!ネロさんと・・・柳星さんも狙ってます!」
「迎撃だ!今は二人を戦線に復帰させるまでの時間を稼ぐ!」
「はい、マスター!」
「ありえない、ありえない、有り得てはならない。敵は人理の焼却を目論んでるんだぞ?なんでそんなのにグランド資格霊基が呼ばれてるんだよ・・・*11神祖、いや、属性だから呼べた?それとも狙って呼べる?ならば何故ローマが滅んでない?」*12
『柳星、ねぇ、柳星!お願いだから戻ってきて!』
「・・・ぐっ!?流れ弾!?*13誰だよ、邪魔したのは・・・!ああ、もういい!*14相手がグランド資格者だろうとも俺の敵だ!・・・邪魔だ、雑兵共が!」
とりあえず・・・これでいいか*15
「藤丸・・・良いか?」
「何?柳星」
「何か嫌な予感がする。この霊脈の感じ・・・神祖ロムルス以上の何かが呼ばれてる。*16俺はそいつを倒す為の一撃を用意する。だから暫く戦線には参加できない。いいか?」
「・・・うん、分かった。その代わり、もしその一撃を使うことになったらちゃんと仕留めてね?」
「確約は出来ないな・・・相手はグランドクラスになりそうだし・・・ローマを滅ぼせる相手って事だもんな・・・」*17
明日は裏。