YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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ローマに始まりローマに終わるってのは偶然です。


3-22 ローマ・2(裏)

 

「この道で間違いないのだな、荊軻?」

 

「皇帝への道を行くのはこれで二度目だ。案ずるな、間違いなく貴殿達を玉座へ案内しよう」

 

「街中もよく似ていたが・・・城の中も、またよく似せて作ってあるものだな。それに、いつ作り上げたのか。魔術に依るものか?」

 

『可能性はあるね。もしかしたら、聖杯の力かも知れない』

 

「無駄口を叩く暇はない。気付かれたぞ、敵が来る───人間ではないな」

 

『サーヴァントでもない、な。恐らくは魔術で作られた怪物たちのはずだ』

 

「むっ、怪物か。余は、最早、何であろうとも恐れることはない!」

 

 

One battle later…

 

 

「・・・来たか、愛し子」

 

「うむ、余は来たぞ!誉れ高くも、建国成し遂げた王、神祖ロムルスよ!」

 

「・・・良い輝きだ。ならば、今一度呼び掛ける必要はあるか、()()よ」

 

「いいや、必要はない。今、そなたが口にした通りに───過去も、現在も、未来であっても。余こそが、ローマ帝国第五代皇帝に他ならぬ!故にこそ、神祖ロムルスよ!余は、余の剣たる強者たちでそなたに相対する!」

 

「許すぞ、ネロ・クラウディウス。(ローマ)の愛、おまえの愛で見事蹂躙してみせよ。見るがいい。我が槍、すなわち───(ローマ)が此処に在ることを!」

 

「敵性サーヴァントが接近。想定されたクラスはランサー。戦闘に突入します。マスター、指示を!」

 

「行くよ、マシュ!」

 

「ぉぉぉぉおおおお!!!」

 

「この場なら、柳星に託されたこの剣も使えるのだろうな!」

 

「えっ、何あの剣!?」

 

「アレはつい先日、柳星さんに教わってた時に様子を見に来たネロ陛下が頼んだ結果渡した剣ですね。黄金に包まれた時に力を発揮するとは言ってましたがアレって・・・」

 

『嘘だろ!?宝具級じゃないか!』

 

「これが、余の、世界(ローマ)だ!」

 

【招き蕩う黄金劇場】(アエストゥス・ドムス・アウレア)

 

「・・・ふっ、眩い、愛だ。ネロ。永遠なりし真紅と黄金の帝国。そのすべて、お前と、後へ続く者たちへと託す。忘れるな。ローマは永遠だ。故に、世界は、永遠でなくてはならない。心せよ・・・」

 

「敵性サーヴァント:ランサー、ロムルスを撃破。私たちの勝利です」

 

「勝った、のか。そうか・・・これで・・・うむ。ローマは、元あるべき姿へと戻るだろう」

 

『概ねその通りなんだけど、まだ宮廷魔術師(レフ・ライノール)を発見していない。聖杯を探さないと』

 

「む?これで連合ローマ帝国は終わりを迎えた。姿の見えぬ魔術師殿、そうであろう?」

 

「柳星さんも言ってましたがどうやらまだ連合は何か切り札を残しているようなのです。なのでそれも排除しなくてはなりませんが・・・」

 

「待て。誰かがいる。サーヴァントではない、が」

 

「・・・いや、いや。ロムルスを倒しきるとは。デミ・サーヴァント()()()がよくやるものだ。冬木で目にした時よりも、多少は力をつけたのか?だが、所詮はサーヴァント。悲しいかな、聖杯の力に勝ることなど有り得ない」

 

「・・・!」

 

「あやつが宮廷魔術師か。やはり聞いていた通りの風貌であったな。では、ああして携えている黄金の杯が───」

 

「はい、アレが聖杯です。形状は、前回目にしたものと同一のようですが・・・」

 

『宮廷魔術師が王の危急をあえて見逃すとはね。すっかり裏切りが板に付いたんじゃないか、レフ教授?というより、それが素なのかな。カルデアに居た頃よりも活き活きとしてるよ、君』

 

「無駄口は、あとだ・・・!」

 

「ほう。いっぱしの口を聞くようになったね、彼も居ない・・・待て、なぜアイツが居ない?・・・いや、いい。きっと逃げたのだろう。・・・聞けば、フランスでは大活躍だったとか。まったく───おかげで私は大目玉さ!本来ならとっくに神殿に帰還しているというのに、子供の使いさえできないのかと追い返された!結果、こんな時代で後始末だ。聖杯を相応しい愚者に与え、その顛末を見物する愉しみも台無しだよ」

 

『やはり、柳星の言ってた通りだったね』

 

「ええ。ローマは世界。世界の破壊は()()()()」。だから直接手を加えなければならないから・・・レフは必ず此処に来る、と」

 

「やはり魔術師にはバレてしまうか、しかし人間になんぞ初めから期待はしていない。それは君もだよ。彼が居ないと言うのに、このレフ・ライノールを拒めるとでも?」

 

「あの時の自分とは違う・・・!」

 

「ああ、確かに、変わったな。君は立派に成長した。無駄に足掻けば無駄に苦しむとも知らない、その愚かさが実に無様に成長したとも!そしてやはりお前たちは思い違いをしている。聖杯を回収し、特異点を修復し、人類を───人理を守るぅ?───バカめ、貴様たちでは既に()()()()()()()()。抵抗しても何の意味もない。結末は確定している。貴様たちは無意味、無能!哀れに消えゆく貴様たちに!今!私が!我らが王の寵愛を見せてやろう!」

 

「フォウ、フォーウ!」

 

『この反応・・・この魔力・・・!サーヴァントでもない、幻想種でもない!これは───伝説上の、本当の【悪魔】の反応か・・・!?』

 

「改めて、自己紹介しよう。私は、レフ・ライノール・()()()()()!七十二柱の魔神が一柱!魔神フラウロス───これが、王の寵愛そのもの!」

 

「おぞましい・・・悪逆そのものではないか、これでは!」

 

「地に突き立つ、巨大な、肉の柱・・・?それに、ここまで大量の魔力は・・・ドクター・・・!」

 

『・・・ん?地に、突き立つ・・・?マシュ、確認だけど()()()()()()()()()()()()?』

 

「え・・・?あ、はい。地面に・・・あ!」

 

「む?どうしたのだ?」

 

『あはははは!まさかそんな事が有り得るんだ!』

 

「どうした、この状況に笑うしかなくなったか!」

 

『・・・ええ。貴方は結局詰めを間違えるのよ、レフ!』

 

「な、その声は、いや、ありえない!お前はあの時カルデアスに入れたはず・・・!」

 

『あら、確認をしなかったのは貴方よ?こちらの戦力を正しく把握できてなかったから私は今生きているし、貴方の負けは確定してる』

 

「・・・俺の、霊脈は一般的には解放してる。だが、貴様は話が別だ。レフ」

 

「柳星!」

 

「柳星さん!」

 

「結局こちらに来たのか」

 

「ま、すぐに戻る・・・説明は省くぜ?───拒絶(リジェクト)!」

 

 

 




どうなるかは次回。
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