YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「な、なんだ、何が起こっている!?」
「敵性体、身体が崩壊していきます!」
「悪いが既にローマの霊脈は掌握済みでね。*1勝手に魔力を吸い取られてたらそこを塞いで取り返すのはオーナーの仕事だろ?」
「くっ、そう言うことか・・・!」
「さてさて、何故か良い感じに魔力も奪えたんだ・・・あとはそちらの残してる切り札しだいだし・・・俺は戻らせてもらおう」*2
「なんか忙しないな・・・」
『まぁ彼が準備してるモノはかなり規模が大きいのでしょうがないと言えばしょうがないのですが・・・』
「・・・馬鹿な・・・たかが魔術師如き、ロードでもないただの魔術師に、我らの御柱が退けられると言うのか・・・?いや、計算違いだ。そうだ、そうだろうとも。*3なにしろ
『気を付けて!聖杯の活性化を確認した!何かが召喚されるぞ!マシュ、藤丸君!』
「・・・古代ローマそのものを生贄として、私は、最強の大英雄の召喚に成功している。喜ぶが良い、皇帝ネロ・クラウディウス。これこそ、真にローマの終焉に相応しい存在だ」
「ローマは世界だ。そして、決して
「誇りも、方向を誤れば愚直の極みでしかないか。ならばその目で見るがいい、貴様たちの世界の終焉を!さあ人類の底を抜いてやろう!七つの定礎、その一つを完全に破壊してやろう!───我らが王の、尊き御言葉のままに!来たれ!破壊の大英雄アルテラよ!!!!!!」
「───」
「・・・!」
「さぁ、殺せ、破壊せよ、焼却せよ。その力で以って、特異点諸共ローマを灼き尽くせ!ははは!終わったぞロマニ・アーキマン!人理継続など夢のまた夢!このサーヴァントこそ究極の蹂躙者!アルテラは英霊ではあるが、その力は───」
「───黙れ」
「え?」
「フォウ・・・!!!」
『何だ・・・!?レフ・ライノールの反応が消えているぞ!』
「彼は・・・彼は、召喚したサーヴァントに両断されました。真名はアルテラ、クラスはセイバーと思われます!」
『全員!その場を退避!彼曰く初手で死にかねないとのことよ!』
「待ってください、聖杯がアルテラの手に!吸い込まれて・・・え・・・吸収、している・・・」
「私は───フンヌの戦士である」
「何か、嫌な感じが・・・するぞ!マシュ!何かが来る!余にも分かる!」
『魔力反応、増大!これは、宝具の───それも、対城宝具クラスの宝具だ!柳星の一撃よりも重いのが来るぞ!』
「おまえたちは言う」
「私は、神の懲罰なのだと」
「───神の鞭、なのだと」
「・・・死ぬかと思ったぞ」
『ああ。対城宝具・・・しかもその中でも恐らく上位の解放を間近にしながら、君達が死んでいないのがボクには不思議なくらいだ。ありがとう、マシュ。それに、ブーディカも。ナイスタイミングだった』
「正直、ギリギリだった。王宮入口から攻略して、駆け付けたと思ったらすごい魔力でさ。慌ててこっちも宝具を真名解放してさ」
「私の宝具だけでは防ぎ切れませんでした。ありがとうございます、ブーディカさん」
「こっちこそ。しかし、どうしたもんかね。王宮入口の近くで暴れてたスパルタクスと呂布は、運悪くあの光をまともに浴びちまった。戦力には数えられないだろうね。ここに来て・・・」
「アルテラと言ったか。あれは───」
『既に連合首都から移動を開始したようだ。方角から見て恐らく、首都ローマを目指すつもりなのだろう』
「ならばあれは、余の都を灰燼にと化すつもりか?」
『そうだろうね。そして彼女にはその力がある。たとえ君が生き残ったとしても、首都消滅を迎えればローマ帝国は消え去るだろう。もしくは、彼女は、首都の後に君を殺しに来るか』
「どちらも願い下げだな。余は、余のローマも、余も、くれてやるつもりはない」
「では、アルテラを倒すしかありません。わたしたちに・・・敵うでしょうか、果たして。あそこまでの魔力量です。冬木で目にした聖剣を想起させるほどの・・・あの時は、強力なキャスターの強力と・・・」*4
「できぬか、マシュ?」
「・・・守るだけなら、やります。*5しかし、倒せるかどうかは・・・」
「余はそうは思わぬ。立香は、マシュは、幾度も余を助けてみせた。神々についてあれこれとおまえたちは述べたが、余は確信している。運命と神々は、余に味方していると。だからこそ、そなたたちが来た。余の想いはきっと叶う。ローマは救われる。余の民と、余のローマは、後世にも残る。絶対にだ。神祖もそう言っていた。余は聞いた。世界は永遠でなくてはならぬと。ならば、ローマはすなわち永遠に続くのだ。たとえ、その名がいつか忘れられたとしても、ローマが植えた多くの芽は、かたちさえ変えて続くだろう。永遠の帝国は在り続ける。皇帝が変わり、国が変わり、名が変わろうとも。それが人の繁栄の理。人間という
「・・・ネロ公。何言ってるのか、よく分かんない」
「そうか。実は、余もよく分からん」*6
「私は、少しだけ分かりました。いえ、そんな気がしました」
「・・・というかさ、柳星は?確か何か手を打つとか言ってなかった?」
「「「あっ」」」
「そうでした。では彼に合わせて動きたいのですが・・・」
『申し訳ないですが、彼は今詠唱中につき会話が出来ません。*7アルテラがもう一度あの宝具を放った場合、マシュですら耐えられるか不明ならばその宝具の向かう方向は出来るだけ上空が好ましいのは分かりますね?*8その為に彼は今超々上空、光輪帯の近くで詠唱しています。*9どんな大魔術を使うのかは聞いていませんが・・・貴方達はアルテラに
「ふむ、ならば丁度いい」
「おお、荊軻ではないか。そなた、どこへ消えていたのだ?」
「あの剣使い───アルテラの様子を探ってきた。余裕の足取りで、ゆっくりと移動していたが、今は何故か止まって上空を見上げている。*10今から追っても充分に間に合うだろう。もっとも、貴殿らにそのつもりがあればの話だが」
『それなら丁度、話がついたところだよ。君もナイスタイミングだね。さあ、諸君。出発だ!聖杯を取り戻し、ローマと聖杯を救おうじゃあないか!・・・と、言ってるそばから邪魔が入ったぞ。大型の魔力反応。アルテラと繋がった聖杯の魔力に呼び寄せられたか───幻想種、ワイバーンだ!しかも数、多数!オルレアンの頃の最後以上に居るぞ!?』*11
「ワイバーン??何だ、それは。おとぎ話の怪物か?」
「いいえ、危険な敵性生物です。しかしわたしたちは少しだけ戦い慣れています。ネロさん、先陣は私と、先輩が・・・!」
「・・・仕方がないか。アレはこっちで引き受けるよ。荊軻、いいかい?」
「怪物は専門外だが。いいだろう、人型以外の相手も偶にはな」
「ま、待てブーディカ、荊軻。引き受けるとは何だ。お前たちも共に行くのだぞ」
「言葉の通り。あんたは、さっさと先に行ってろ」
「何を言って───」
「GuOOOOOOOOOO───ッ!!!!!」
「行け!この、馬鹿皇帝!いいから、あんたの世界ってのを守ってみせなよ」