YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「・・・」
さて、ローマに現れる切り札ってなんだろうな・・・
『貴方、何をするつもりなの?』
「俺の魔術は基本的に詠唱によって成り立ってるってのは覚えてるな?」
『ええ。だからこそ様々な分岐をする珍しい魔術*1だってお父様も言ってたわね』
「その究極系。大魔術を複数混ぜる・・・出来るかは微妙だけどな。*2まずは下準備だ。そこが終われば一旦立香と合流しても問題ない」
『・・・それでそんな高い所にいるのね?』*3
「てことで始めますか───」
「告げる。我此処に在りしは絶対なる
本来は混ぜないが喚ぶモノがモノだから借りるぜ、遠坂一族・・・!
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ*4。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
さぁ、ショータイムだ。
「告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。誓いをここに。我は常世全ての善と成る者。我は常世全ての悪を敷く者。汝、三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ。しかしてその姿は人には在らずただ人理を守る一撃となれ。汝は
「さて、とりあえず下準備は完了かな。これでアレが来ると思うんだけど・・・来るといいな」
『・・・英霊召喚の詠唱を混ぜるって一体何をしようとしてるのよ』
「ん?ああ、彗星呼ぼっかなって。隕石でも可。どっちにしろ混ぜるから問題無いし」
『はぁ!?何しようと・・・』
「待った。なんか変な感覚・・・霊脈からだな」
『霊脈?・・・ああ、今レフが何か得体の知れないナニカに姿を変えたけど、それが関係してるのかしら?』
「だな。崩してくる」
「さて、戻って来た訳だが・・・うん。来てるのを感じる」*5
『つまりどういうことよ』
「下準備の破却はしなくてよさそうだ」
同時詠唱とかあんまりできないからこれで勘弁な?
「火よ、炎よ、焱よ、我が意思は天にある。我が情けは秤の上にある。傾き、嘲り、全てを
「人理よ、我に応えよ。人の姿を亡くした我に応えよ。それは即ち汝の寵愛である。我ただ一つの願いの元に在り。ソレは即ち人理の継続である。彗星よ、箒星よ、我に応えよ。宙そのものである我の元に集え、蒼く輝く銀河よ」
ん・・・?蒼輝銀河・・・つまり星の内海・・・?*6
「輝けるは命の奔流、星々を照らす命の輝き!さぁ、俺にもその輝きを見せてみろよ、アルテラ!」
目の前には白い女の戦士・・・推定アルテラが、まぁこいつアルテラだろ。報告と同じだからな
「私は───フンヌの戦士である」
「・・・お前を止めなくちゃあならんがお前さん、星級だからなぁ?そりゃどうするか悩んださ。結局コレが一番なんだよ」
宙から落ちるは隕石・・・おっ、彗星じゃん。大当たり!*7
「お互い、一撃で全てを決めようぜ・・・!」
「目標、破壊する───命は、壊さない。文明を破壊する」
ちっ、やはり彗星狙って来たか!
「させるかよ!文明の滅びは人理の滅び、ならば我はそれを拒絶しよう!この彗星の一撃と共に!」
「──────ッッッ!!」
「まだ、まだぁぁぁ!!!」
「重ねて我は二度目の懇願を今此処に果たすだろう!炎の霊、地の霊、我に混ざりてここになせ。円環はここにあり。故に我は人を捨てた。我が身体は炎、我が魂は宙である。サークル・重複。霊脈
ここが特異点だから出来る最悪の大技・・・!魔神柱とやらが無ければ俺ですら扱えない禁忌の技!
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・!」
・・・届いたか、俺の一撃が。まさしく神の剣に!
『『「「「柳星(さん)!」」」』』
「・・・そう、か。世界には・・・私の剣でも、破壊されないものが在る、か。神の鞭と、呼ばれた・・・私の、この・・・
「サーヴァント:セイバー、アルテラの退去を確認」
「消えた、か。アルテラ。縁があれば、いつか違うカタチで戦う事もあろう。しかし・・・これで終わったのか?そたなたち、聖杯とやらは手に入って───」
「はい。聖杯を入手しました。これで、わたしたちの作戦は終了です。ありがとうございました。ネロ・クラウディウス」
「・・・危なかったな・・・まぁ、回収できてよかった。壊れてる可能性もあったからなぁ・・・」
っと、強制退去か?だろうな。魔力使いすぎてるからそりゃ時代から弾かれるか
「マシュ、なんだか足の先から薄くなっているぞ!まさかお前たちも消えるのか!?立香も、フォウも、柳星も・・・そうか。消える、か」
「さよなら、ネロ皇」
「・・・また、いつか会えるだろ。きっと」
「・・・何となく、そんな気はしていたのだ。余は勘が鋭い方だからな。伯父上や神祖、アルテラ達と同じようにおまえたちも消えてゆくのだろうと。ブーディカも、そうか?荊軻や呂布、スパルタクスも」
「・・・はい。この時代は修正されます。そしてきっと、連合との戦いの記録も、なかったことになるでしょう」
「寂しいな、それは」
「そう、ですね・・・」
「もはや疑わぬ。余はその言葉を信じるが、困ったな、これは。正直に言って残念だ、無念だ。まだ、余は何の報奨も与えていないというのに。おまえたちであれば、きっと、余にとって、臣下ではなく、もっと別の───いや。やめておこう。立香達の行く末にもきっとローマはあろう。ローマとは世界に他ならぬ。そう、神祖も余も確かに口にしたからな」
「
「む?何をした?」
「その剣、本来なら消えるが特別に残しておけるようにしておいた。その剣を捨てない限りこの争いの記憶は残るだろうよ。*8ただし、他の人の記憶からは消えてしまうから墓まで持って行ってもらうしかないけどな」
「そうか、ならば有り難く受け取っておこう。故に、別れは言わぬぞ。ただ、礼だけを言おう───ありがとう。そなたたちの働きに、全霊の感謝と薔薇を捧げる、とな!」
・・・とりあえずこれでやるべき事も出来たな
「おかえりなさい。そしてお疲れ様。聖杯を無事に回収できましたね」
「・・・あれで良かったのかな」
「それは私から説明するよ。聖杯はその空間における魔力の使用方法を定める法だ。まぁ、世界のルールと思っていい。それは本来カタチのないモノだが、レフは結晶化して所有していた。我々はその仕組みを解析する事はできないが、封印することくらいはできる。マシュの盾にちょっと細工して、聖杯を仕舞うスペースをつくらせて貰ったワケ」
「わたしの盾に、そんな機能が・・・?」
「ああ、聖遺物は聖遺物の中にって寸法さ。一つくらいしか入らないから、その度に中身を回収させて貰うよ・・・っと!」
あ、あの盾って聖遺物なのか。どうりでヤバい気配がすると思った
「あわわ・・・!」
「はーい、きっちり納品、確認しました〜♪じゃあまた、次もはりきって探索してくれたまえ!」
「ともあれこれで二つ目ですね。我々の当初の目的であるレフの追跡も達成できました」
「何も聞き出せなかった・・・」
「そん時のデータは?」
「あります。あとで確認してちょうだい」
「ああ。多分何かしら残ってるだろ」
「レフ教授がなぜ人類を裏切ったのか。どうして人類を滅ぼそうと考えたのか・・・ですね?」
「だな。多分決定的な事までは分からないだろうが、方向性までは分かるだろ」
「レフは確かに【我ら御柱】と言ったわ。つまり、まだ他にレフと同じ役割を持った敵がいるという事ね。それがなんの事かは現段階では分からないわ。今出来る事は一つずつ聖杯を回収し、特異点を修復することだけよ」
「次の聖杯も任せて」
「空の光輪帯もある程度特性がわかってきた。あと数個出会えれば、あるいは・・・」
「いい返事ね。頼りにしています。二人とも。そんなに時間はあげられませんが今夜はゆっくりと休みなさい。前回といい、かなりの距離を歩き詰めているでしょう?マッサージは怠らないように」
「んじゃ明日確認する」