YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】   作:柳瀬塔矢

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裏の理由として
1.柳星はまだ霊脈を見つけてないから魔力の節約のために寝てる
2.聖杯かまソロモンの聖杯でないことなんか分かってるから参加する必要がない
3.ただしその説明は難しいから本人達には自覚して貰おう
の三つがあります


4-3 海賊島・2(裏)

 

「するってえと何かい?アンタたちはこの魔法のジョッキ・・・いや、聖杯を回収しにやってきたと?これがあれば自分の国に帰れるって?」

 

「・・・はい。一応、そういうことになります」

 

「ふうん、まあ、アンタたちに負けたのは確かだし命以外はくれてやるって言ったしね。ほいよ、受け取りな。遠い時代から来たんだろ?遠路はるばるご苦労さん」

 

「あ、ありがとうございます。聖杯を回収したので、この時代の特異点は解決・・・」

 

「なのか・・・?」

 

「ですよね。ドクター、ただいま聖杯が譲渡されました。何か変化はありますか?」

 

『いや、特に変化なし。時代のボルトは外れたままだ。うん、聖杯がある程度機能しているのは確かだ。ただ、これまでのように強い力ではない。もしかすると・・・それはこの時代にもともとあった、本当の聖杯なのかもしれないな』

 

「・・・つまり、これまであった聖杯とは別のモノだと?」

 

『ああ。レフ・ライノールが配置したと思われる聖杯。それは七つの人理定礎を乱している。でも、この海にはそれ以外の聖杯があった。ドレイク船長はその聖杯に認められた人物だ。その海がここまで乱れているのは、相反する二つの力・・・聖杯が拮抗しているからじゃないかな。【世界を救いたいドレイク船長の正しい聖杯】と【世界を乱す、外から持ち込まれたレフの聖杯】だからドレイク船長がいるかぎり、この時代は崩れない。そのかわり、元の状態にも戻らない。元の海に戻すには───やっぱり、レフの聖杯を回収するしかないだろう』

 

「なるほど。今までの時代より切迫はしていませんが、最終目的は変わらない、というコトですね」

 

「フォウ・・・」

 

「まーた妙な声が聞こえるねぇ・・・誰と話してんだいマシュ?あれかい?こびとでも飼ってるのかい?」

 

「いえ、そのような可愛らしいものではありません。ドクターは・・・そうですね、遠く離れた街から話しかけてくる、不思議な妖精さんだと思ってください」

 

「はあ。アンタらに戦わせて、自分は家でくつろいでるって寸法かい。で?結局、どういう話なんだい?アンタらの目的は達成された?」

 

「・・・いえ。ドレイク船長の聖杯以外に、もう一つ、この時代にあってはならないものが存在するようです。それを回収しなければ、この海は永遠にこのままです」

 

「おいおい、物騒なこと言わないでおくれ。・・・本気かい?」

 

「本気です」

 

「はい。ですのでこちらはお返しします。これはアナタが持つべきものです、船長」

 

「お、おうとも。こりゃご丁事にどうも・・・はあ。お宝をあっさり渡すのも初めてだけど、あっさり返されたのも初めてだねぇ・・・」

 

「ドクター、何か助言を頂きたいのですが。」

 

『ちょっ、ちょっと待って、いま考え中!ちょっとボクの想定を越えているというか・・・」

 

『じゃあ私から質問、いいかな。ごきけんようフランシス・ドレイク。いきなりだけど、君に願望はあるかい?』

 

「願望・・・?」

 

『例えば君は海賊だ。金銀財宝を手に入れる、というのは願望では?』

 

「ああ、確かにそうだけどね。この聖杯に願えばそれが叶うのかい?」

 

『恐らくはね。叶えるのかい?』

 

「イヤだよ、そんなの。あのねぇ、アタシは海賊だよ?海賊が何かに祈って財宝を手に入れるなんて───まったくもって悪い冗談だね。財宝は力と知恵と気で手に入れるもんさ」

 

「ふむふむ。すると、君の望みは精々水や食料、そして安全という訳だ。つまり、それは現在叶っている訳だね」

 

「・・・そういうことになるのかねぇ」

 

『君の持つ聖杯は、この世界を創造することもできる。だが───この海域は君の望むものではない。となれば、やはり“何か”がこの世界を成立させている。君の海、君の時代を乱している何者かが、だ。となればやるコトは一つだろう?君は君の世界を取り戻さなければならない。君の傍にいるマシュ・キリエライトと藤丸立香、それに無疆柳星はこういう事態を解決するための存在。君が言うところの「無敵の人間」たちを幾度も打倒したプロフェッショナルだ』

 

「なるほどね。よくわかったよ、ありがとな。ところでアンタ誰?」

 

『レオナルド・ダ・ヴィンチ。君が生まれる二十年ほど前に死んだ、天才だよ』

 

「あっそ。知らない」

 

『な・・・何、だと・・・?』

 

「しかし、やっぱりこの世界はおかしいのか。となると、財宝も何もあったもんじゃないのかねえ」

 

「そうですね、さすがに財宝は・・・」

 

『いや、有る!有ると思うよ、ボカぁ!』

 

「テンション高くないですか?】

 

『この世界、この時代は「海賊」がいて当たり前の状況だ。善きにつけ、悪しきにつけ、大航海時代とは世界を一回り大きく広げた、不可避の出来事。未知の海、見果てぬ水平線の向こう側に星の開拓者たちは夢を託したんだ。・・・うん、まあつまり「そういった思念」が集結しているなら、財宝があったとしても驚かないね』

 

「要するに、あるんだね!?船に積めないほどの金と銀とか香辛料とか!」

 

『うむ。ドクター・ロマンが保証しよう。財宝は───間違いなく、ある!』

 

「・・・たまらない。燃えてきた、燃えてきたよ!よーしアホウども、まずはしこたま呑むよ!明日からの航海はこれまでにない無理難題だ!

生きて帰れる保証はないから、一生分呑んでおきな!金銀財宝!香辛料!美味い酒や未知への冒険がアタシたちを待っているよ!」

 

「乾杯!!」

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