YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「はぁ・・・」
「どうしたの?マシュ」
「・・・はい。前回は陸地が見えていましたが、見渡す限りの海というのは、初めてです。確か、柳星さんはこういう景色は初めてではないですよね?」
「だな。カルデアに来る時に見てるが・・・あの時は余裕がなかったからなぁ・・・」
「そうなんですか?」
「なにせ海には化物が大勢*1いて、海ですら燃えてるんだぜ?*2タイムリミットが刻一刻と迫ってることだけは分かったからそりゃ焦るに決まってるだろ」
「あれ、そういえばカルデアってどこにあるの?俺何も知らされてなくてさ」*3
「どこだと思う?」
「んー・・・外の雪が激しいから・・・ロシアとか、或いは南極とかじゃない?あるいはエベレストとか?」*4
「正解は南極。日本から南下したんだよ、俺たちは。まぁ、俺は海走って来たから難易度は違うけどな」*5
「そっか、俺はカルデアに呼ばれたけど柳星ってそういえば呼ばれてないんだっけ」*6
「だな・・・マシュ、油断はしてないよな?今は魔力抑えたいから索敵は任せてるぞ」
「大丈夫です。油断はしていません・・・先輩は、楽しそうですね。残念ですが、はしゃいでる場合ではありません。今回とは今までとは少し勝手が───あ、先輩、柳星さん!カモメが居ます、カモメ!」*7
「え!?どこ、どこ!?」
カモメ?そんなん海ならどこでも・・・いや、こいつにとっては全てが新鮮なのか*8
「ほら、向こうのほうに!それからほら、あそこには海賊もいます!」
「・・・おっ、もしや・・・?」
「では参ります!」
「いってらっしゃ〜い」
「や、やっぱり、どことなく気が抜けてませんかマスター・・・!?」
「で、柳星は何を見てるの?」
「ん?ちょっと深海をな。少し探してくる!」*9
「えぇ!?」
さて、俺の予想が正しければ魔力リソースの源になりそうなものが落ちてるはずなんだが・・・っと、あった。なんか深海魚らしくもない化物もいるけどそれは無視だな。
さて、戻って来ました。
「ふぅ・・・海水でベタベタします。よく柳星さんは海中に潜っていられますね」
「俺はほら、拒絶してしまってるから。勝手に沈まず、呼吸に困らず、水圧に潰されることはない。深海でも周りはよく見えるから・・・俺は海は好きだけどあんまりだな・・・」*11
「なーなーお三方。ちょっといいかい?」
「はい、何でしょうか?」
「倒した連中が消えちまったんだが、これはアンタらから見てアリなのかい?」
「ん?そうなのか、マシュ?」
「・・・確かに消えましたね。ドクター?」
『あー、やっぱりか。この海域にいるのは海賊の概念のようなものだろう』
「概念・・・ですか?」
『【大航海時代】という舞台の記憶に刻まれた一種の霊体だ。役割を果たすためだけに動いている。自我はあると思うが、恐らく均一だろうね。【平均的な海賊】の無限コピーとでも言おうか。害は小さいが、恐らくその世界を修正しない限り、無限に生まれ続ける
「どういうことだい?」
「簡単に言おう。つまりはゾンビである、と」
「実体あるならオッケー!何の問題もないね!ところでさー結局この海域には何があると思う?」
「んー、金銀財宝に胡椒・・・もしあり得ない範囲で言うなら
『・・・待って?でもそれらの鉱石って存在してたとしても西暦以前の話じゃなかった?あとあるとしたら君の居た山の倉庫とかでしょ?』
「でもアレらは宝と言って過言ではないだろ?」
『まぁそうだけどさぁ・・・*13見つけてもこっちにサルベージ出来る量は少ないからね?元々聖杯をサルベージするだけでリソースとしてはギリギリなんだから・・・』
「了解」
「聞いた事のない鉱石が出て来たねぇ。どういった石なんだい?」
「んーとだな、俺も自分で使う機会が無かったから又聞きではあるが、曰く【世界大戦の切っ掛け】、曰く【現代におけるオーパーツ】。存在するだけであり得ないとされるファンタジー鉱石だよ」*14
「確かに、金銀財宝はあるかもしれません。ただ・・・それは要するに、この海域が大航海時代も同然ということですから。当然、それを狙う他の海賊もいるでしょう。ドレイクさんだけではない、ということです」
「あっはっは、滾るねぇ!早いもの勝ちってのは、実にわかりやすい!」
「でも姉御。財宝のアテが無いっすよ、全然」
「お馬鹿。そのアテを見つけるところから始めるんだよ」
・・・いいなぁ、見つけた奴のものって分かりやすいのは。俺の居た山ですら若干国が絡んできやがったからな。まぁ突っぱねたけど
「・・・姉御!島です!島が見えます!東北東方向です!」
「・・・確かに島ですね。ドクター」
『ああ、島にはサーヴァント反応がある』
「ふーん・・・やっぱりいやがるのか」
「ドレイク船長。島には例の、大砲を受けても倒れない超人が居ます。海賊の皆さんは下がらせてください。闘えるのはわたしと先輩、柳星さんと船長だけです」
「早速かい。ま、今回はアンタらもいる。おう、オマエたち!アンタたちは船を守りな!アタシと柳星とで様子を探りに行ってくるからね!」
「そういうことだ!きっちり船守ってろよ、おまえら!」
「了解でさあ、姉御!親分!お帰り、お待ちしておりやすぜ!」
親分・・・まぁ、山でも似たような立場には居たから今更だな