YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「ガガガガガ───ッッッ!!」
「やっぱりバーサーカーってこう言うのだよなぁ!?どこまでも実直!まるでフェイントを知らない脳筋!だからこそ───」
誘って、誘って、ほら、そしたら銃口が脳天に当たる
「ほら、当たる」
【起源弾】起動
「ギ、ギ、ギ・・・ガガガッ、ワタサネェ、アレハオレノモノダ・・・!オレノ、モノ、ナノニ・・・!」
「・・・エイリーク血斧王、消滅確認・・・です、よね?」*1
「・・・んー、いや、逃げられたな。消滅ってより強制退去だろ、これは。*2なんで各特異点のバーサーカーは退去されるんだか・・・メドゥーサ然り、サンソン然り、カリギュラ然り・・・バーサーカー多くね?狂化付与込みなら今3/4バーサーカーだぞ?」*3
『確かにこっちの反応でも消滅の反応ではなかったから故障かとおもっちゃったよ。だけど反応を追うのは難しいし、この島には既にいないようだ。先ほどの海賊達も消滅しているね』
「霊脈は・・・?そろそろ魔術デカいの撃ちたいんだけど・・・?」
「・・・魔術にも、禁断症状みたいなものがあるのでしょうか?」*4
『普通は無いんだけどねぇ、彼は元々魔術師の中でも威力重視だから・・・*5魔術師は何故魔術を極めるか知ってるかい?』
「そういやなんで?魔術を極めるってそもそもなんなんだろ?柳星の魔術って何を求めてる・・・まぁ火力だろうけど、カルデアで使われてる魔術って攻撃的なのないよね?」*6
「確か根源を目指す・・・でしたよね?」
『そうだね、魔術を極める事で根源に・・・つまりは全ての源に辿り着くことを目標にして各家系は得意としてる魔術を極めようとしてるけど柳星は違うんだ。*7彼の両親は・・・正確には母親の一族は【世界を覆える器】の作成に偏っていたんだ。*8世界、ひいては宇宙の魔力を全て扱えるような存在を生み出せば根源なんか関係無くなるって考えたんだよね。*9その為には最低限第五架空要素は全て扱えなければならない。*10つまりは【アベレージ・ワン】だ。*11まぁ、なんか父親の一族が特性を偽装してたせいで虚数を扱えるアベレージ・ワンが産まれたんだけど。*12あとはこの特性を子孫に・・・って考えてた所に魔眼の暴走だ。お陰で両親は柳星を見捨てて蒸発。*13彼の言う師範の元に預けられたって訳さ』
「つまり・・・彼は魔術師として見た時、異端のようなモノであると?」
『そうだね。魔術師というよりかは代行者とか執行者とかそっち向きだと思うよ。まぁ、皮肉なモノだよね。魔術師が数百年掛けても辿り着くことの出来ていない【魔法】の領域に彼は20年くらいで*14片足突っ込んだんだから』*15
「ねぇドクター。魔術と魔法って何が違うの?」
『そっか、一般人からしたら分からないか。魔術ってのは科学で説明出来る範囲の事。ほら、柳星の例で言うなら大体土で刺したり、燃やしたり。全部誰でも出来る事だ。威力はさておいてね』
「ああ・・・確かにライター有れば燃やせるからそういうのは魔術なんだね」
『そそ。それで、魔法っていうのは【その時代では再現不可能な事象】を指すんだ。例えば目の前の物質を手を加えずに消せるかい?』
「消せないね」
『そう。そういうのが【魔法】って呼ばれるんだ。*16まぁ、柳星のは魔眼だから魔法には当てはまらないんだけど*17それでも魔法クラスの魔眼はとてつもなく希少なんだよね・・・っと。他の例で言うと・・・ほら、柳星の師範。彼は魔法の使い手だね。並行世界の認識と観測。それは現代技術で再現できないだろ?』
「確かにパラレルってSFだと思ってた。てことは割と魔法使いっているの?」*18
『いやいや、ボクの知ってる範囲だとそれこそ2人だけだよ?*19現代の魔法使いなんて。カルデアには勿論いないけどね。魔法使いに会えるのは人生で一度あるかどうかなんだから・・・』
「へぇ、そんな希少な存在に近いのが柳星なんだね?」
『そういうこと。まぁ、だからって特別扱いとかはしなくていいからね?柳星ってば魔術師界隈なんてどうでもいいって思ってる節があるから・・・』*20
「分かってるよ。柳星は柳星だからね」
「・・・聞こえてる所であんまやめてくれないか?*21いつ入り込もうか悩んだんだが?」
「あ、ごめん。なんか脱線してた気がする」
「あとドレイクが呼んでたぞ。宝見つけたってさ」
「おーい、こっちこっち!見つけたぞー!宝だ!」*22
そう言って取り出したのは一冊の本だった
「・・・本、ですか?」
「ヴァイキングは航海する際に、出発地点から到達地点まであらゆるものを絵と文字で記録した。岸の形状、浅瀬の場所、海流の性質と方向───こいつらがこの島に出現したってんならともかく、他所からここに辿り着いたんなら・・・よし、新しいインクの匂いだ!*23この島と周囲一帯の地図に間違いないよ!そら。これから海洋に乗り出すアタシらに取って、これ以上ないお宝だろう?」
「・・・確かにその通りです。ドレイク船長は、その・・・乱暴そうに見えて、現実的な方なのですね」
そうマシュが言うと、ドレイクはカラッとした顔で笑っていた。うーむ、やはり人の顔って見て何か分かるもんなのかねぇ?*24
「見直したかい?じゃあ世界一周に付き合う?」
「ええと・・・」
「この戦いが終わったあとなら、いいんじゃないかな?」
「だな。俺達がやるべき事終えたら、そん時には世界一周の準備も終わってるだろ」*25
「そうかいそうかい!アンタたちがいるなら百人力だ!食料と水を確保してから出発だ。さ、船に戻るとするか!」
「・・・あの、いいんですか?時代が修正されたら、わたしたちの記憶そのものが───」
「んー、どうだろうな?確かに存在は消えるが・・・俺達が忘れなければ問題ないだろ。どっかで聖杯手に入れて、ドレイク喚んで、世界一周すればいいだろ」*26
「さて、ヴァイキングの海図に従って行くと───北西に島があるね。速度を考えると十時間後だろう。風を捉えればもう少し速くなる」
「文字の方はこちらで解読できます。ドクター、データを転送します」
『いいとも、書籍一冊程度ならここからでも問題ない。とはいえ、早く召喚ポイントを確立させたいところだが・・・』
「霊脈・・・あるといいなぁ、もはやないんじゃないか?とまで疑ってしまう。だけどこの星に霊脈の一切関与しない土地なんて無いからなぁ・・・砂漠にすらあるもんなぁ・・・」
「つ、次の島にならあると期待しましょう」
「よし、野郎ども!出航だよ!」