YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
ここは白亜の壁に包まれた空間。そういうとキャメロットみたいだね、とは思ったが声には出さないでおこう。ロードオブ・キャメロットはまだ先だから・・・*1走ってる少女が1人。少女?少女・・・見かけは少女か。*2
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ああ、ダメ。疲れた、動けない。走れないわ、私。こんなに走ったのは産まれて初めて。*3そもそもなんでサーヴァントにされてるのよ!*4
さてさて、最後に響いた悲鳴はさておいて、視点を本編に戻しましょうかね。
「んー・・・?」
「ああ、空気の味が変わったみたいでね」
「違う国、違う陸地へ行くと空気の味が違うんだよ。イングランドとフランス程度の距離ならともかく、違う大陸へ行くと、空気の味が変わるのは本当さね」
「あー、なんと無く言いたいこと分かる。土地毎によって使いやすい魔術違うもんなぁ」
『柳星は他の魔術師よりも霊脈に依存してるからだとして、ミス・ドレイクは寒暖の差や海流の変化による風の差異を感知しているのかな?』
「なんだい、ミス・ドレイクって。気色悪い言い方だね。学者の兄さんは!」
『す、すいません。では失礼して、ドレイクと。と言うわけで、マシュ、藤丸君。ドレイクの言葉は正しいかもしれない。現在、君たちがいる場所は明らかに先ほどの島と気温や海流が異なっている。もうしばらくすれば、具体的な場所も判明するはずだ』
「・・・霊脈の気配!」
と取り出したのは海底から取ってきた魔石。
「さぁ、行くぜぇ・・・!」
「姉御!北西に船一隻でさぁ!」
「じゃあそれ対象に・・・
っと、割とちゃんと通ったな。こりゃ雑魚海賊だったわ・・・っと、海賊旗ゲット
「この旗に見覚えは?」
「うーん、確かに見覚えがないねえ。マシュ、心当たりないかい?」
「有名な海賊旗なら記録に残っているかもしれません。ドクター、調べていただけますか?」
『オッケー、こっちで解析進めておくよ・・・うん。この島はさっきと比較すると格段に大きいな。おかげで霊脈のポイントも発見できた。座標を送るから、ひとまずそこを目標にしてほしい。ただし、幾つか生体反応があるから要注意だ』
「んー、この感覚。霊脈に触れてるって分かるこの感じ・・・今なら魔術撃ち放題って感じ・・・ではないな。少しランク落ちてる・・・いや、リソースがすでに割かれている?どうなってんだ?」
「それはほら、元々言ってたじゃないですか。世界のリソースに割かれているかもって」
「それもそうか。ま、詳しくは直接触れてからだな」
「ドレイクさん、こちらに進みたいのですが、問題ありませんか?」
「いいよ、アタシも同じ方向がいいと思ってた」
「それでは出発します。行きましょう、先輩」
「広いねぇ、島とは思えないわこりゃ。それにいい風だ」
「・・・そうですね。マスター、この感覚は少し前の───」
「フランス?」
「いえ、フランスよりかはローマに似ている気がします。間も無く指定座標地点です」
「・・・なんだい、ありゃ」
「あれは───骸骨のようにみえますが・・・」
「竜牙兵だな。冬木にちょくちょくいたしオルレアンで相手してた骸骨の半分くらいは竜牙兵だったぞ?・・・んじゃ俺は接続に入る。戦闘と警護、任せたぞ?」
「分かりました」
さて、んーと・・・はい、はい。なるほどね。うーん、掌握は厳しいかなぁ、事前にリソース使われまくってるし。これ神代クラスだろ。ざっけんなよ・・・
「今回は・・・なんだ?この、冒涜的と言えばいいこの姿は*6・・・まぁ姿は関係ないのがアンタなんだろうけど」*7
「理解:汝→無疆柳星=簒奪のハサンの現状を確認した。神の干渉を観測。確かにこれならば喫緊の危機からは脱したと言えるだろう」
「あっそ。今回は言う事なさそうだな」
「是。それは是である。既に人理=定礎が崩壊を免れた=オケアノスにおいて星見→カルデアが注意するべきは1つ=ソロモンの聖杯のみである」*8
「あ、それは普通に言うのか」
「是。それも是である。既に汝→無疆柳星=簒奪のハサンが気づいてる事故に隠す理由は不明である。しかして気を付けよ。ソロモンはソロモンにあらず。ソロモンの名を被りし獣なり」*9
「まぁそれが分かるのはもっとあとだろ?なら今はオケアノスにおけるソロモンの聖杯に注視しておくさ」
「努努忘れるな。汝→無疆柳星=簒奪のハサンは人ではない事を」*10
「おう」
っと、ここで意識が戻っていくか・・・っと、地震?珍しいもんも・・・いや、これアレが影響してるのか。最悪だなぁ
「んー・・・さて、海賊旗は何か分かったか?」
「それが、通信が悪く、ほぼ何も届きませんでした。それよりも、地震、大丈夫でしたか?」
「まぁ寝そべってたら問題なんかあるわけねぇよなぁ」*11
「そ、それもそうですね。ドレイクさんも大丈夫ですか?」
「荒れた海に比べればそよ風さ。*12だが船と部下が心配だ。一旦戻って構わないかい?」
「だな。もしかしたらこの島からでれるかもだし」
「もしや、原因をご存知で?」
「いや、確証がないからなぁ・・・」
「ん?おい、どうした。何かあったか?」
んー、こりゃ最悪だなぁ
「姉御・・・船が、動きません」
「はあ?」
「ですから!船が動かねえんです、全然!」
「ああ、こりゃ最悪だな。原因も確定したし・・・うへぇ」
「ダメだ、動かないや。船そのものに異常はないと思うんだけどねぇ。ただ、何かで固められたようにがっちりと固定されちまってる。一体全体なんだろうね、こりゃ。柳星、こういうの専門なんだろ?」
「この島全体に掛けられた一種の結界。入り口は把握してるから向かうぞ。どうにか出なくちゃ・・・いつかは喰われるだろうなぁ。あ、俺は人だから出れないけどマシュなら出れるんじゃねぇか?」
「あ・・・そうですね。どうやら私は出れるようですが・・・船はそうも行きません。柳星さんの言う通りこの結界を掛けた張本人に会い、解除、ないしは討伐しなくてはなりません・・・どうして敵ではない可能性を?」
「うーん、勘かな」
「そうですか・・・」
「野郎ども!暫くそこで待機だ!しばらくそこで待機だ!行儀よくだらだらしてな!本番は海の上なんだ、無駄遣いするんじゃないよ!」
「アイアイ、姉御!」