YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「お待ちなさい!」
この声・・・やっと来たか・・・!*1
「しまっ・・・サーヴァントが二体!?」
「わかった、わかったわよ!私がついていけばいいんでしょ!?煮るなり何なり、好きにすればいいわ!ほら、さっさとしなさい。アステリオスは・・・あら、無傷・・・?」*2
「やっと出てきたか・・・霊脈ってだから大事なんだよ・・・」*3
「とにかく、その魔力。アステリオスに撃てば死んでこの迷宮が崩壊する可能性だってあるのよ?*4───さっさと帰りましょう。道案内は任せなさい」
「あ、あの。すいません。少々よろしいですか?」
「なに?ダサい大楯女。さっさと行きましょうよ。【アイツ】のところへ」
「ダサッ・・・!?」
ダサいか?いや、ダサくはないだろ。多分。ギリシャの感覚は知らんから断定はあまり出来んけどな
「こら、ガキンチョ。助けられる身分で、そう悪口を言うモンじゃないよ」
「はあ?育ちきった女はお呼びでないんですけど?」
ん?じゃあメドゥーサは・・・?*5
「───ほう。アンタ、船首に備えた女神像の代役でもしたい訳かい?」
「女神?・・・よくわからないけど、私は女神エウリュアレよ。なに、そんなことも知らないで追い回してたの?そりゃ、アンタたちの船に私みたいに全身これ
「こ、このガキ・・・!」
はは・・・この場を納めるのもう少し待つかぁ・・・
「ちょっと待って?何か誤解してない?」
「は?なに?・・・というかあなた、人間じゃない。*6ん?んん?【アレ】のマスター?でも何でこんなところへ?いいえ、それよりマスターならサーヴァントをきちんと躾なさいよ!なに、あのド変態サーヴァント!*7あんな気持ち悪いの、ギリシャにもいなかったわよ!?」*8
「あ、あの!───わたしたちは、貴女を追いかけてきた訳ではありません!」
「・・・はあ?じゃあいったいどこの誰よ、あなたたち?」
「わたしたちは───」
「はい、そこまで。そこまでいけばあとは問題ないだろ」
「なによ、あなた。今の今まで静観して」
「はじめまして、だな?女神エウリュアレ。ステンノには世話になってね」
「あら、あなた
「ああ、だから敵対する気はないんだ。そもそもアンタが言ってる【アレ】とやらも知らん。詳しい事は・・・これを読み解けば分かるんじゃないか?」
と、魔眼を何も拒絶せずに起動する。このパターンのみなんかジャミングされるんだよなぁ・・・だから何かしら書いてあると思うんだけど。
「───な・に・よ・そ・れーーー!*10紛らわしいのよ、あなたたち!」
「そ、それはこちらの台詞です!結界が張られて閉じ込められてしまえば、敵だと思うのは当然でしょう!?」
「敵って俺一度でも言ったかな・・・」*11
「・・・ん」
「心配しなくていいわ。こいつらは
「・・・失礼しました、こちらも気が動転して。結界を張ったのはそちらのアステリオスさん、ですよね?」
「そうよ。でも、あなたたちを閉じ込めたんじゃなくて、外から入ってくる
「そうだったのですか。ですが解除していただかないと、こちらも大往生で・・・」
「・・・むぅ、仕方ないわね」
「おや、意外にあっさり納得したね」
「単純な足し引きの問題でしょ。あなたたちが外に出るには、アステリオスが死ぬか、結界を解除するしかないんだから。そこの彼が何故その眼を使わないのかは謎だけれど、使わないなら解除する方がマシ・・・一人になるよりは、遥かにね」*13
「・・・なるほど。いいね。うん、気に入った。でもさ、アンタたち結界?とやらを張らなきゃいけないほど、切羽詰まってるんだろう?」
「───そんなの、あなたに関係ないでしょ」
「ある!アタシはね、面白いモノが好きなんだよ」
あー、そういう?まぁドレイクが言わなかったら俺から言う予定ではあったし。変わらないかな
「・・・は?」
「世界一周とか、冒険とか、地下迷宮とか、怪物とか、世の中には面白いモノばっかりだ!なんでか面白いモンほど金目のものになるってのが世の常なんで海賊に落ち着いちまったが、まあそれはそれだ。で、アンタからは金目の匂いがする。だからウチの船に回収する」
「ちょ、何を勝手に決めてるのよ!船に乗る!?ふざけないで!私は!
「勘違い・・・なるほどなぁ、そりゃ真ん中って感じだわ」*14
「そっちこそ何言ってんだい。連れていくのはそっちのアステリオスもだよ」
「・・・?」*15
「え・・・?」
「あんだけ根性があって体力があって、*16おまけによく見りゃいい男だ!こんな人材を逃したらそれこそ笑いものになっちまう!アンタ、アタシの船の用心棒にならないかい?イヤだってんなら仕方ないけどねぇ。アンタ、地下迷宮に篭ってないと死ぬのかい?」
「別に、そう言う訳ではないけれど・・・いいの?」
「いいともさ。給金もはずむ。あ、でも福利厚生は期待しないでおくれ」
「そう言う問題ではなく。うぅん・・・あなたたちが構わないというのなら・・・アステリオス。あなた、どうする?」
「いく」
「・・・いいの?」
「おまえ、が、いく、なら、ついていく。ひとりは、さびしい」
「そう・・・なら、いいわよ。船に乗ってあげる。あ、ただし私用に個室を用意してちょうだい。下世話な船員たちに、顔を晒す気はないのよ、私。当然浴室はあるわよね?ああ、それから───」
「先輩、先輩・・・口を挟めないまま、話がとんとんと進みました」
「ほら、終わりよければって言うし。それにやばかったら柳星が何か手を打ってたでしょ」
「・・・確かにその通りです。というか柳星さん、どうして魔眼を使用しなかったのですか?」
「え?あー、そりゃ霊脈支配のタイミングでエウリュアレの気配は感じてたからな。その上で宝具使用が分かったなら味方に引き入れられる可能性が高いんだし。拒絶しなくてもいいかなって」
「そ、そうですか・・・今後はもう少し相談をですね?」
「気が向いたらな」
「そんなんだから所長にも怒られるんじゃない?柳星」
「あー、なるほど・・・?でも魔術師の秘匿意識って割と普遍的では?って思うんだけど」
「いえ、そういうのではなく・・・って、エウリュアレさんが頭擦ってますね・・・」