YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「へえ、これが本物のドラゴンかい!ホントにトカゲみたいだねえ!」
「正確にはワイバーンです。フランスにおける戦いでは苦労させられました*1・・・ん?」
「何かあったかしら?」
「あ、いえ。今、ぼんやりと何か思いついたような気が・・・」
「竜で船を強化する?」
「・・・それです、マスター!」
「は?竜でアタシの船を補修するってこと?」
「・・・あら、いいわね。竜種の鱗ってのは、鎧に加工すれば鋼より頑丈よ。ただ、相当な力を持つ者でないと加工は難しいけど・・・」
「うー・・・」
「あ、あなたがいたわね。やれる?」
「う」
「何かあれば俺も補助できる。*2ワイバーン如きならいくらでも加工できるからな」
「確かにお二人なら、問題なさそうですね。では、早速鱗を剥いでみます!」
「おう、この兄ちゃんと親分なら安心だ!でもさっきみたいな無理はほどほどにな!おら、まずはメシ食えメシ!そのあとにうちの
「う───う、ん。食事、みんなで、食べる」*3
「んじゃ俺達はワイバーンの乱獲と行こうか。霊脈は支配済み。つまり必要なのは数集めることだけだ」
「でもさあ・・・うーん・・・確かに頑丈だけどまだまだ足りないねえ」
「レオナルド技術長。あと何頭倒せば船の補修に有用でしょうか?」
『その鱗の大きさと加工による縮小分を考慮すると・・・およそ三十頭分もあればいけそうかな』
「それなら巣が見つかれば、1日でどうにかなるレベルですね」
「じゃあハンティングだね」
「マスター。何だか冒険者っぽいですね、わたしたち」
「うーむ、やっぱり船の名前も
「黄金の竜・・・そんなの居たかぁ?」*4
「・・・よし、と。ええと、これを切って・・・調味料をつけて、炒めて・・・あ、いっけない。野菜も食べなきゃいけないわよね。生えてる草でいいかしら?*5えいっ。うん、これを箱に入れて・・・混ぜて・・・完成!ダーリン、お弁当作ったの!」*6
「待って。工程の一から十まで弁当じゃないから、それ。肉を焼いて、雑草を引き抜いて散らしただけのものは断じてお弁当とは呼ばれないから」
「そんなこと言わずに食べてよ、ね?美味しいよ?」*7
「なんでそのクオリティの弁当に絶対的な自信を持てるの?」*8
「もう、贅沢なんだから、ダーリンは・・・あら?」*9
「ん・・・何か来たな。サーヴァントっぽいかな」*10
「敵かな、味方かな」
「可愛ければどっちでも構わな*11───いえ、何でもありません。だから無力なわたしを木の幹で擦るのを止めてててて!」
「でも、丁度いいかも。いい加減、この島にも飽きてきたし。そもそも、どうして私たちが召喚されたのかすら分からないし!」
「あー、そうだよなあ。敵でも味方でもとにかく手掛かりが欲しいよな」
「・・・まぁ、私はこのままでもいいかなって思うんだけど、ね?」
「え、やだよ俺。この島も、前にいた島も退屈極まりないし」
「可愛い女の子もいないし?」
「そうそう!・・・あの、すいません。ホントすいません。当方、貴女様におんぶにだっこでヒモであることを忘れておりました。謝る、謝るから振り回すのはやめてくださささーーー!」
「あ(すぽっ)」
「キャー!ダーリンごめーん!!」
『・・・気をつけてくれ。ドラゴンの反応が複数ある。それから・・・ん、何かなこれ?物凄く小さい、使い魔みたいな・・・』
「こんな島に使い魔ですか?」
「まあ、黒髭以外になんか陣営があって、そこに偶々使い魔を扱える魔術師がいて使い魔を放ってる、ってケースはありえるかもな」*12
『うーん、使い魔のそれとも微妙に異なる気がする。まあ大した魔力が計測されている訳でもないから、それほど気にする必要は無いと思うけど』
「・・・ん」
「う?」
「別に。ちょっと厭な感覚があっただけよ。それから、あなたの高さだと木の枝が頭に当たっちゃうわ。もうちょっとしゃがむか、腕で抱えてちょうだい・・・うん、よしよし。これでいいわ」
「ったく。お嬢さまかい、アンタは」
「あら。女神様よ、私」
「ふーん、アンタはこの感覚を厭な感覚・・・となるとやっぱり当たりか?まぁ会えば分かるか」*13
「ちょ、やめてやめて噛まんといて噛まんといて!ノー食料!ノー食糧!」
「いま、かすかに人の声が・・・!マスター!」
「うん、助けよう」
「とりあえず周辺のワイバーンは既に焼き殺してる*14から声の主探すかぁ・・・にしてもなんか違うのかねぇ」
「別に食い散らかしがある訳でもないんだから、逃げ切れたのかね?」
『ん?さっき言ってた微弱な魔力反応だけど、君たちの周囲に存在するみたいだ。どう?見つからない?』
「ええ、特には・・・」
「ぽびゅっ!?」
「ん、マシュ?何か踏んでるよ?」
「え?わたし、なにか踏ん付けちゃいました?ええと・・・これ、でしょうか・・・?」
「なんだこれ、ぬいぐるみ、かぁ?・・・不細工だな。アタシが縫った方がまだマシなほど」
『あ、それだ。その物体から微弱な魔力反応が検出されてる』
「これが使い魔ですか?・・・うーん、ぬいぐるみにしか見えませんが」
「ちょっとこっちにくれ。【観る】」*15
「あ、そうですね。こういうのは柳星さんが適任です」
んー・・・神格、とは違うか。魔力波的には・・・
「あ、なるほど。お前付属品か。となると本体は・・・向こうか?」
「あーーーーー!!!」
「・・・サーヴァント!?」*16
「はいはい全員ストーップ。敵じゃないぞ?こやつは。とりあえず返すよ」
「あ、ありがとね」*17
「待て、待って・・・ぷぎゅる!?」
「また浮気したの、ダーリン!?私と、言うものが!ありながら!もう我慢のげんかいです!さあ、お仕置きの時間よ!」*18
「なあ、神格かつアーチャーに選ばれそうなもしくはアーチャーと関係を持てそうなリストを最優先で送ってくれ。幾つかでいい」
『分かったよ』
「え、この状況で真っ先に殴られるの俺なの!?ちょっ、待って、待って、誤解、誤解よ!胸とか足とかガン見してたのは確かだけど!*19ごめんなさ・・・ぷぎゅる!?」
「・・・あ、あの」
え、マシュそこで入れるの!?割とメンタル強くね?
「なに!?男女の問題に口を挟まないで!民事の事案よ、民事の!」
いや、神様に民事ってあるのか?
「マスター、どうしましょう・・・?わたし、こんなに途方に暮れるの初めてです。あ、いえ。さっきの黒何とかと会った時も途方に暮れました。暮れっぱなしです。今回に時代は、全体的にネジが緩んでいると今気づきました」
「あ、確かに緩んでるわ。*20気付かなかった・・・と言うか気にしなかったな」
「ねえ、この島で何してるの?」
「ん?・・・あれ、貴方、人間?マスターなの?」
「というか俺には反応したのに柳星には反応しないんだ・・・」
「ん?・・・んー・・・?そちらの貴方、本当に人かしら?」*21
「まあ、俺のことはどうでもいいだろ?そっちのマスターは藤丸立香。何か聞きたいことは?」
「藤丸立香・・・ね。よし、やっとまともなサーヴァントに会えたな。さて、と。今回の召喚は聖杯戦争なんだよな。俺達は敵か味方か?胸のおっきな娘さんは独身?」
「さりげなく質問を混ぜちゃだめ!」