YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「死ぬはずがないだろう!?アイツはヘラクレスだぞ!?不死身の大英雄だ!
「・・・言いたい、事は、それだけか・・・?そう信じたいのなら、信じればいい。なに、もうすぐで死ぬ命なのだからな」
「く・・・ふ、船をだせ!」
「おや、逃げるんですかい?」
「撤退だ!この聖杯を使って、新しいサーヴァントを召喚すればいい!」
「・・・来たか。遅いぞ、ドレイク」
「野郎ども、準備はいいね!
「あいよ、姉御!」
「取り舵一杯!砲撃と射撃を行いつつ、接近!」
まぁ、間に合っただけよしとするか*4
「なにをやっている!さっさと突き放せ!くそ、何故追いつかれる・・・!この船は伝説のアルゴー号だぞ!あいつらが使っている、神秘の欠片もない帆船とは訳が違うのに・・・!」*5
「操舵手の差ってやつでしょうね。あれが海と共に生きてきた人間の技で、ただ目的を持って旅をしただけの人間とは根幹から違うって事でしょうなあ」
まあどれだけ急ごうとも俺が許さないけどな
「追いついたねえ、顔だけ男!格好いいところ、見せてもらおうじゃないか!」
「この下衆どもめが・・・!行け!殺せ!」
「マシュ」
「は、はい!」
「シャドウサーヴァントは任せる。エウリュアレは?」
「アステリオスさんが回収しました。*6シャドウサーヴァントの件は了解しました」
そして、アルゴー号とやらに。俺は降り立つ
「ヘクトール!」
「へいへい、分かってますよ。そんじゃ、ま、メディア。いざってときは、よろしく頼むわ」
「ええ、マスターのお守りは私の役目ですもの。最期までちゃんと、面倒をみてあげなくちゃ」
「あーこわ・・・ナチュラルに狂ってるってのはこういうことか・・・ん?魔術師の・・・名前なんだっけ?」
「知らなくていいだろう?」
「それもそうだね。にしてもよくここまでやってきた。いやあ、ほんと凄いよ。フランス、ローマと来て次は
「本気で来い、ヘクトール。アンタの槍じゃあ・・・」
目の前には盾。しかしそうとは見えず、ただ只管に花弁であった
「この盾は貫けない」
「その花・・・まさか・・・!いや、本物のはずがない」
あとは鎌鼬で・・・死んだな*7
「はっ。やっぱり慣れない悪役はするもんじゃねえな。世界の終わりくらい、弾けようと思ったんだがね。やっぱ頭がダメだとどーしよーもねぇなぁ」
「ランサー:ヘクトール、退去確認。残る敵サーヴァントは二騎」
「なっ・・・ヘクトール!?」
「ヘクトールさまも逝きましたか。イアソンさま、どうなさいますか?降伏は不能、撤退も不能。私は治癒と防御しか能のない魔術師。さあ、いかがいたしましょう?」
「うるさい、黙れっ!妻なら妻らしく、夫の身を守る事を考えろ!」
「・・・一つ答えろ。
「貴様たちの知ったことか!」
「いや、教えてやろうと思ってな。その場合の結末を。なにせ俺はお前の醜態をみて少しばかりイラつきが収まってしまったからね」*8
「じゃあ言ってみろよ!何が起こるというんだ!」
「簡単に言うと世界が滅ぶ。アレは死を定め、確実に死を送るものだ。それを神霊に用いるならともかく、神霊を捧げるなぞ、正気の沙汰じゃないが・・・ああ、そういえば正気じゃないのはアンタもか。なあ、メディア?」
「・・・メディア?今の話は・・・嘘だよな?神霊を
「はい、嘘ではありません。だって、時代が滅べば世界が滅ぶ。世界が滅ぶと言う事は、敵が存在しなくなる。ほら───無敵でしょう?」*9
「お、まえ。俺に、嘘をついたのか?それじゃあ何の意味もない!オレは今度こそ理想の国を作るんだ!誰もがオレを敬い!誰もが満ち足りて、争いのない、本当の理想郷を!*10これはその為の試練じゃなかったのか!?オレに与えられた、二度目のチャンスじゃなかったのか!?」
「・・・それは叶わない夢なのです、イアソン様。だってアナタには成し得ない。アナタは理想の王には成れない。人々の平和を願う心が本物でも、それを動かす魂が絶望的にねじれている。*11アナタは、アナタが望む形で夢を叶えてはいけないのです」
そして、彼女から放たれる一言は・・・とても、重かった。