報告書:No.3【特異点攻略終盤に於ける人外化及びその後の行動の些細について】
終盤に於けるサーヴァント・ランサー:ヘクトールの仮称【ソロモンの聖杯】の奪取及びサーヴァント・アーチャー:エウリュアレの強奪によって【黄金の鹿号】では追いつけないと予想。【虚数魔術】を自らの魂の輪郭に使用。【虚】即ち【反転】の性質を利用する事で一時的に自らの人間としての性質を人外に合わせたものである。今回はサーヴァントに合わせたものでありサーヴァント・アーチャー:エミヤ及びサーヴァント・セイバー:アルトリア・ペンドラゴンの混合種とした。その為エミヤの宝具とも言える固有結界【無限の剣製】を起動及びアルトリア・ペンドラゴンの宝具である【約束された勝利の剣】に課せられた十三の拘束の解放も同時に行った。なお、固有結界は本来【心象風景を結界とする】物であるが、この固有結界はエミヤのものである為魂の輪郭を合わせただけでは発動できない。故に今回は海に浸透してある魔力をリソースとしてその効果のみを取り出した。ヘクトールの宝具【不毀の極剣】はその背景から有効だと思い宝具【熾天覆う七つの円環】を使用、【不毀の極剣】を防ぎ風魔術による鎌鼬を最後の一撃とした。その後のサーヴァント・セイバー:イアソン及びサーヴァント・キャスター:メディア・リリィとの戦闘に於いてはメディア・リリィが【ソロモンの聖杯】を用いイアソンを触媒に序列三十【海魔フォルネウス】を招来。この時のイアソン変質時に肉体に【破戒すべき全ての符】を使用。即座に魔神柱から英霊へと戻し、後退去を確認。また、同時進行でメディア・リリィへの攻撃としてエミヤが聖杯戦争に於いて最も使用していた武器の一つである【偽・螺旋剣】を使用。こちらもイアソン退去後、時間を置かずに退去を確認。特異点に於ける最終戦闘の終了をここに明言するものとする。宝具の各説明に於いてはNo.4を確認のもと。
報告書:No.5【唯一の懸念事項について】
イアソンが戦闘開始前に言及していたが彼らはオケアノスの王となる為に【ソロモンの聖杯】【神霊】【契約の箱】の三種を必要としていた。この内【ソロモンの聖杯】は使用していた為その目的は判明しており、【神霊】及び【契約の箱】に於いては特異点の破滅がもくてきだとメディア・リリィが言及したためその内容を信じるものとするが、本探索に於いては自分の単独侵攻により【契約の箱】探索及びその関連サーヴァントとの交流が省かれたと考えられる為此処にその懸念性について記載するものとする。但し書きとして、本件に於ける認識は自分自身で得た見識では無い為事実とは多少異なる可能性があることは留意されるものとする。
【契約の箱】とはイスラエルの王ダビデが用いる宝具の一種であり、触れた存在を殺す為の箱である、というのが一般認識ではあるがその実『ダビデ本人』が触れても死んでしまうというなんとも平等かつ公平な宝具なのだが、まぁこれに関しては直接触れる事がなければ発動しない為持ち運び自体は可能である。この箱は聖杯、それも【冬木の大聖杯】とほぼ同質のものであり、アンリ=マユが顕現するかどうかの差のみが存在する。この箱に神霊を捧げようものならそれはどのような願いでも叶えられるだろう。故に仮定敵:グランドキャスターは【契約の箱】を用いる事ができ、汚染聖杯を浄化せずとも扱えるメディアを起用したのだと思われる。
ではどのような懸念事項があるのか。それは単純で、我々が確保してない為に当時の時代に顕現している可能性がある、ということだ。まぁと言っても海に生まれたのだから海に落ち、海は彷徨海の領域だから問題ないと言えば問題ないのだが、もし誰かが起動させた場合、その時点を以てその周囲は一時的な特異点となる可能性はあるだろう。故に我々は人理の完全修復が終了後、【契約の箱】の存在の有無を確認せねばならぬと此処に提言するものとし、この報告書の〆とする。
「はぁ・・・貴方ねぇ、もう少し自分の立場、価値というものを理解して欲しいわ。もしあの突撃が失敗してたら特異点の探索、ましてや修復が不可能になってた可能性まであるのよ?」
「・・・あの時はちょっと、周りの事が頭から抜けてた。だからこそあんな無茶をしたのであってだな」
「いい?レオナルド女史から聞いたわ。あんな・・・魂の輪郭を歪めるなんて行為、少しでも失敗してたら死んでたそうね?今後はやらないこと、いいわね?」
「・・・必要だと思ったらやるぞ?まぁ、そん時は誰かが死んだ時くらいにしておくさ。或いは使わなければ生き残れない時だけ、それでいいか?」
「・・・いいわ、それで。ああそれと。なんでマシュに剣を教えてるのかしら?マシュは盾兵、シールダーよ?あの大きさの盾があるのに剣なんてそんな余裕・・・」
「あの盾、確か円卓の欠片なんだろ?そしたら必然何かしらの武器は扱えなくちゃあならない。防具だけで円卓の騎士に選ばれるなんて事はないだろうしな。そしたらいつかは、そうだな・・・多分真名を解放できたその時は、本物の剣が使えるようになるさ。その時までのその場凌ぎであり、その時のための準備をさせてるってわけだ」
「そう。分かったわ。貴方から何か質問は?」
「衛宮士郎のサルベージはどうなってる?」
「一応進んでるわ。次の特異点が終わる頃には喚べるかもしれないわね。でもどうして彼に執着するのかしら?」
「ん?そりゃそうだろ。多分現行の人類で唯一サーヴァント全員に相性有利取った上で防御不利を取らない存在だし。飛ばされたけど【無限の剣製】を自在に操れるようになればそれこそ生きたまま英霊になることすらあるかもな」
「そ。なら進めておくわ。次の特異点まで少しあるから休んでなさい」
「了解」