YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「レイシフト、成功しました・・・これは。視界が・・・阻害されるほどの状態です。*1霧・・・?いえ、もしくは煙でしょうか。すごい濃度です・・・空には・・・やはり、これまでと同じ【光輪帯】を確認。*2ですが・・・それさえ、この霧または排煙のせいではっきりとは───」
「グッフォ!?ガハッ、*3・・・
「!?え、大丈夫柳星!?口から血がドバドバと・・・」*4
「大丈夫じゃねぇよ・・・てかよく無事だな、アンタら・・・」*5
はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・どうなってんだ?この濃度の毒なんぞそりゃ特異点になるだろうが・・・
『空を埋め尽くすほどの霧、もしくは煙。それ自体は産業時代の頃は珍しくはありません。しかし柳星が血を吐くレベルのものではありません。そう、まるで大気の組成そのものに魔力が結びついてるようなものですね。これじゃあ生体に対して強く有毒であると言えるでしょう。マシュ・キリエライト、藤丸立香、2人はどうかしら?体の調子は?』
「わたしは問題ありません。デミ・サーヴァントだからでしょうか。先輩はどうですか?様子は・・・普段と、そう変わらなく見えますね」
「う、うん。普通だけど・・・」
はぁ!?どういう構造してたらこの霧が毒にならねぇんだ!?*6
「良かった。ですが、できれば濃い霧には入らないでください」
『藤丸立香は異常なし・・・確かにバイタルの測定ではさしたる変動はありませんね。柳星の時のような症状は見られませんね。・・・霧の観測結果が出たみたいですね。・・・なるほど。断言しましょう。生体には有害です。通常の人間では深く吸い込めば命に関わるでしょう。柳星が今生きてるのは魔眼のおかげと言えるでしょうね。柳星、その効果は決して切らないように。切るとしたら確実に安全なセーフティエリアを確保してから。いいですね?』
「おう。分かってる。やべぇなこりゃ。なんでマシュはともかく立香が無事なのかねぇ・・・こりゃ探索終わったら検査必要なんじゃねぇの?」
『それに関してはもしかしたらマシュと契約したからと言う可能性があります。マシュと融合した英霊が毒に関する何かしらのスキルを持っていて、その契約者たる藤丸立香にまで影響していると言うのはあり得る話である、と今流れてきましたね』
「なるほどねぇ・・・確かにあり得そうだけど・・・あぁ、なるほど。衛宮の鞘と似たようなモノか。なら納得だわ」*7
「えーと・・・つまりどういうことでしょうか?」
説明が難しい・・・んー、どう言えば分かりやすいか・・・
「マシュのお陰で立香が今死んでない、ってことだな」
「・・・わたしが先輩のお役に立てるのは嬉しいですね」
『それで、周囲の様子はどうかしら?犠牲者は見かけますか?』
「いいえ、所長。往来は全くの無人です。現在時刻は午後二時。ですが、馬車はおろか歩行者さえありません。犠牲者の姿も見えません。誰もいないんです。柳星さんはどうですか?」
「あー・・・無理。今は何も出来ん。脳のキャパが魔霧の拒絶に引き裂かれすぎてる。*8このままだと暫くは魔術一つ撃つのも難しいだろうな。・・・少し集中から周辺の状況はちゃんと伝えてくれ。一度視界をシャットダウンする」*9
さてさて、始めるか・・・この魔霧の人体への影響を探って的確に拒絶するっつーめんどくさい作業・・・
「そうですか、分かりました。まるで廃墟のようですね。あとは・・・街路沿いに確認できる限りですが、建物の全ての戸や窓が閉められています」
形成祖式、簡易計測完了。
『それはきっと、魔力の霧・・・柳星が呼んでるから合わせてこちらもこの霧を【魔霧】と呼ぶことにしますが、この魔霧で犠牲者が発生した後、生存者が屋内へ避難したということでしょうね。こちらでも、確かに周辺の建物に生体反応を相当数確認しています。生き残ったロンドン市民でしょうね。皆、屋内から出られずに困っているのでしょうが・・・』
影響幅、計算完了。逆算開始
「一刻も早く解決すべきことだね。きっとこの霧は聖杯から出来てるものだろうし」
「・・・はい。そうですね、先輩。わたしたちが聖杯を入手・破壊すればこの異常なロンドンの存在そのものが修正されます。ですから、きっと・・・この霧で命を落としたはずの市民たちも。屋内で霧から逃れている市民たちの存在も。どちらも、全て。先輩とわたしと、柳星さんで事態を収集すれば、この魔霧に関わる事象は完全に消えるでしょう」
「
なお普段ならもっと時間がかかるものを強引に突破した模様