YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
そこに現れたのはレイシフト直後に遭遇したサーヴァント:セイバー。
「あなたは───」
「見てたぜ。
「ええ。あなたの言うとおりです。私たちはきっと、あなたの敵ではありません。ですから、どうか・・・情報を。お話を聞かせてはいただけないでしょうか。この霧の都市で、何が起きてしまっているのか」
そのサーヴァントはこの要求に悩まずに答えた。・・・こいつもバカなのでは?
「いいぜ、話してやるよ。その前に、ハッキリさせとこう。おまえ、デミ・サーヴァントってヤツだろう?」
話してもいいのか、という目線を向けてきたから頷いておいた。こういう駆け引きは性善説信じてそうな立香よりも状況でしか人を見ることができない俺の方が割と結果的に合う確率が高いからなぁ・・・
「・・・はい。わたしは、マシュ・キリエライト。デミ・サーヴァントです」
「で、お前らは?」
「藤丸立香、よろしくね」
「無疆柳星だ。よろしく頼もう」
「マシュ・キリエライトに藤丸立香、無疆柳星ね・・・ま、いいか。オレには関係のないコトだし。オレはモードレッド。英霊だ。そして───父上の愛したブリテンの都市、ロンディニウムの危機に馳せ参じた円卓の騎士だ」
・・・叛逆の騎士なのに?モードレッド。聞いたことがある。師範曰く槍王の基盤、叛逆三銃士の1人、*3エセカリバー。*4曰く、【ランサー:アーサー王】は確かに伝説だけで霊基が作られるがモードレッドに使用したからこそ明確に人理に刻まれ、霊基が完成した、と。*5そんな
「ま、ついてこいよ。いつまでの霧の中にはいたくないからな」
ということで着いてきました。着いたのは一軒の建物。特に何かの意味を持ってるようには見えないが、まぁ拠点なんだろうなとは思う
出迎えたのは1人の青年。黄金の髪に薄めの翡翠と言えばいいのか、そんな色の瞳。眼鏡をかけ、模範的な若いイギリス人とも言える男だった。そんな彼にモードレッドは「そこで拾ってきた。多分味方」とまるで捨てられた犬や猫のように説明。簡単に遭遇してからの状況を説明すると青年はため息をついた。
「・・・ああ、もう。セイバー。どうして見知らぬ人にすぐ真名を明かしちゃうんだ、君は。言ったじゃないか、話したじゃないか。名乗るならばせいぜいクラスにしておこう、って。分かるかい?真名が露呈すれば性能が露見するのと同じだ。だからこそ、通常の聖杯戦争では真名と言うものは秘匿されるものなんだ。それなのに、君という人は比較的気軽に真名を明かしてしまって・・・」
・・・確かにそうじゃん。冬木は真っ当な聖杯戦争してたから真名ではなく相手をクラス、もしくは役目で読んでいた。はず。フランスは・・・半々くらいだったな。カルデア側は全員隠さなかったけど魔女陣営は一応クラス呼びしてたからな。最初は。ローマはもうクラス呼びの意識/Zeroだったしオケアノスはそもそもクラスの偏りヤバくない?*6てかそもそもの話ローマは聖杯戦争ってよりかは侵略戦争だしオケアノスは聖杯争奪戦だし。そもそも聖杯戦争じゃねぇじゃん・・・
「いいだろ、別に。とっくにこれは、おまえの言う
「あっ、それは僕お気に入りのソファ・・・いいけどね。シードルはもう冷やしてあるよ」
「普及前だってのに冷蔵庫あるんだもんな。いいねぇ、碩学さまってのは」
冷蔵庫ぉ!?この時代にあっていいモンじゃねぇだろ・・・!?
「低温保存の必要がある薬品もあるからね。碩学にはまぁ、必要なものではあるけど」
あ、でもアレか。水の魔術から派生させて冷やせるようにしたのちに魔力を徴収出来るように調整すれば初期の頃の冷蔵庫なら再現出来るか。【冷やし、保存する】だけにはなるし冷凍庫とか野菜室とか名前知らんが氷が水入れとけば出来るあの部分とかは無理だけど。*10
「はいはい・・・ん、ん、ぷはっ。あー生き返る。魔霧から上がったらコレにかぎる!ん───なんだ、おまえら。ぼーっとしてないで適当にくつろげよ。ま、自分の家だと思っていいぜ。ここはオレの当座の拠点だ」
「あっ、はい・・・先輩、どうしましょう。良いんでしょうか?」
魔術的な所とか戦闘関係の駆け引きは俺に委ねるがこういう純粋な対人とかマナーとかは立香に聞くようにすぐに分別できるようになったのはマシュの成長だよな。*11俺は嬉しいよ
「いいんじゃないかな?」*12
「・・・はは。まあ、うん。構わないよ。セイバーが信頼したなら君たちも同志のはずだし。自己紹介がまだだったね。僕はヘンリー・ジキルという。ロンドンで碩学───科学者をしている。正式な魔術師ではないが、*13霊薬調合の心得があってね。気付けば、あっという間にロンドンはこの霧に覆われていてね。大変だったよ。霧が魔力を含んでいる所までは突き止めたんだけど、どうにも出来ずに困っていたところ・・・」
「オレと出会った。で、協力関係を構築した。こいつ、
「そういうこと」
ほーん。つまりアレか。何かサーヴァントには出来ないことを・・・ん?ん?なんだこれ。この魂・・・なんだ?何か違うけど・・・何が違う?まぁいいか