50人目の『最弱の非公式騎士』   作:ジェネレータ

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読みたかったものが無かったので作ることにしました。
今回はお試しですが、気が向けばまた書きます。

2025年3月14日追記
観測された暴走天使の数を修正しました。
修正前:5体~6体
修正後:2体~3体

2025年3月18日追記
最後のマリアのセリフを中黒からピリオドに変更しました。

2025年3月19日追記
設定の矛盾点を修正しました。
セリフ内の中黒を全てピリオドに変更しました。
メイズのセリフのルビに使われていた中黒の数を修正しました。

2025年20日追記
ブレイドラインのルビを修正しました。

2025年3月21日追記
紫裂を呼び捨てからさんづけに変更しました。

2025年3月14日追記
ブレイドラインの表記を修正しました。

2025年3月30日追記
一部の漢数字を英数字表記に変更しました。

2025年4月11日追記
叢裂の名前を修正しました。ご報告ありがとうございます。

2025年10月4日追記
星遺物の誤字を修正しました。ご報告ありがとうございます。


第零章 世界で一番やさしい魔王編
OPERATION 0-1 二人目の『例外』にして唯一の『非公式』


GARDEN ランヴィリズマ。それは、かつて幾度となく引き起こされた『星変』と呼ばれる出来事から逃れるべく、人類が生み出し逃げ込んだ最後の砦(浮遊大陸)

『星変』とは、神々を名乗る超常の存在―――【軌道修正】によって引き起こされた『人類滅亡現象』である。

 

確認できるだけでも『星変』は8回引き起こされており、その度に人類は軌道を変更し、人類の歴史を長引かせてきた。

そして現在、『星変』の脅威からしぶとく生き残り続けた人類にしびれを切らした【軌道修正】は、ついに星の”認知”をハッキングする暴挙に出た。この星に人類という種が『いなかったこと』にしようと企んだのだ。

次々に書き換えられていく歴史。全ての歴史が消えた時、人類は真に滅亡してしまうだろう。

 

いつしか戦いは、星の"認知"を奪い合う争いへと変化していった。

 

ついに人類は種を守るため、別の人類史を滅ぼすことにした。

それぞれの人類史で世界を救い、不老不死となった少年少女達を中心に日々【軌道修正】と争っている。

 

そして現在、『第九軌道人類史』。

この歴史に生まれた新たな英雄―――『久条運命(くじょううんめい)』を加えた計49名が、人類が持つ主な戦力。

それが、()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捉え方によっては、習慣とは恐ろしいものだと常々思う。

体に染みついた癖は中々抜けず、いつどんな時でも自然と行ってしまう。

AM 6:00。

いつもこの時間にアラームを掛けているのだが、習慣化されてしまった今ではアラームが鳴る前に起きれるようになってしまった。

たとえ1時間しか寝れていなくとも。

どんなに睡魔が襲ってこようとも、数分後には眠気など消え去っている。ふざけんな。

 

ベッドから起き上がると、まずは手洗いを済ませてから寝間着を脱いで『ガーデナー』用の制服に着替える。

菓子パンが詰め込まれた棚から適当に一袋取り、特別に支給された端末を見ながら食べる。

この端末には、その日に行う業務が優先度の高い順に送られてくる。仕事の量は日によって多少変わるが、毎度かなりの激務なことには異議を申し立てたい。オッター貿易株式会社の社長様と一日の仕事量が同じと聞いた時は笑うしかなかった。一ガーデナーにやらせる仕事量じゃないだろ。

 

『ガーデナー』。

人類が持つ第二の戦力であり、人数で言えば人類が誇る最高戦力の『騎士』達とは比較にならない数の准騎士部隊。軍事局に所属する俺達の主な仕事は、『魔界』と呼ばれるほどに変わり果てた世界からの物資の搬入や巡回・調査。そして時には、【軌道修正】の駒である【天使】との戦闘だ。

 

朝食を摂り終え、そろそろ行こうかというところで端末が一通のメールを受信する。

宛先を見ると、そこにはなんと我らが司令官の名前。

送られてきた要件はと言うと、「緊急の指令を出すから今すぐ司令室に来い。本日の業務は他の者にやらせるので、気にしなくていい」とのこと。どうやら予定変更のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――GARDEN 第二層 ”中枢区画” 最高中央司令室

 

ドアの前に立ってノックをする。

 

闇 虚(やみうつろ)、入室します」

「入りなさい」

 

ドアを開けた先にいたのは、執行部総司令官を務めるマリア。そして―――

 

「虚くんおはよう。今日も起きれてえらい!」

 

第三騎士団〝(M)(A)(Z)( E)(L)(a)(b.)ち〟のKING兼医療部総責任者のメイズ。

 

「司令官、メイズさんおはようございます」

「朝早くから呼び出しちゃってごめんね」

「いえ。緊急の指令とのことでしたが、元々のスケジュールを全てキャンセルするほどこととは?」

「有り体に言えば緊急事態よ。現在、久条運命(くじょううんめい)を囮にした星遺物(アーティファクト)の回収、および『魔剣』の破壊を目的とした作戦が進行しているのは知っているわね?」

「『魔剣使い』の下に潜入するため、かなり長期的行っている作戦ですよね。たしか元々は別の作戦だったのを、運命(陛下)が勝手に自分を使った囮作戦にしたとかいう......」

「そう。それだけでも頭が痛いというのに、間の悪いことに最悪の邪魔が入りそうなのよ」

「......もしかして、【軌道修正】が?」

「いいえ、【暴走天使】よ。それも複数のね」

「......それは面倒ですね」

 

【暴走天使】。

【軌道修正】の駒であり、『魔剣』から生み出される【天使】の中でも取り分け常軌を逸した個体の総称だ。自身の感知範囲内に生体反応を検知すると、相手が人間か【天使】か気にせず無差別に暴れまわるイカれた連中。

 

「ただそうなると、流石に俺1人だと分が悪いですね。最低でも騎士を1人か2人、できれば叢裂(むらさき)さんと組ませてもらえると楽になるんですけど」

「ごめんね。()()()()()()()()()の虚くんには、騎士に対する現場での命令権は無いの」

「俺の階級は『支配者(RULER)』ですよ。言葉の意味を考えたら、俺にも多少の命令権があっても良いと思いますけどね」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、無理なものは無理なのよ」

 

俺には執行部と騎士、そして軍事局の上層部しか知らない秘密がある。

それが『二重階級』。

通常、階級とは不老不死となった騎士にしか顕現しない特性霊子反応コード――――その騎士に与えられた役割であり、役職のようなものだ。

しかし、俺は騎士ではなくガーデナーだ。老いもするし普通に死ぬ。

おまけに、顕現している階級自体も悪かった。

 

支配者(RULER)歩兵(PAWN)。これらのコードは現在、俺以外に確認されていない唯一無二の階級だ。皇帝(EMPEROR)でさえ、本来は存在するはずのない7つ目のコードとしてGARDEN中が大騒ぎしたことがあるのだ。8つ目と9つ目が見つかっただけでなく、その2つを1人の人間が同時に顕現させているなど、もはやお祭り騒ぎになってもおかしくない。

だがそんなことにはならず、一部の人間だけに秘匿されているのは、単に俺が不老不死ではないからだ。

 

「まあ本気で言ってないのでいいですけどね。で、具体的な数は?」

「現在確認されているだけでも、2体~3体。さらに増える可能性もあるから、十分に注意して」

「......やっぱマジで1人っすか?」

「大丈夫。『ガーデナー最強』のあなたならきっと勝てる。これでも、私はあなたを買っているのよ」

「ふふ。マリアがここまで言うのも珍しいのよ。頑張ってね♪」

 

2人はそう言っているが、自分が本当にその評価を得るに相応しいのかわからない。

こんな、()()()()()()()()()()

 

「......ありがとうございます」

 

不老不死ではないが故に正式な騎士にはなれないが、普通の一般隊員にするには惜しいと判断された俺には、もう一つの秘密がある。

 

「......こほん、それじゃあ改めて。――――ガーデナー独立汎用部隊『深淵』隊長にして、人類に秘匿された『()()()()()()』闇虚。これより、あなたには作戦区域に確認された複数体の【暴走天使】の殲滅を命令します」

「くれぐれも怪我をしないよう、気を付けてね」

「了解」

 

ガーデナー唯一の()()()()()()()()()()()()()()()()の隊長兼、【軌道修正】に対するカウンターとして秘匿されている非公式の騎士―――闇虚。

 

それが俺だ。

 

 

 

 

 

 

 

《第一軌道人類史 帝国暦722年》―――を再現した『神域』。

軌道修正が送り込む人類滅亡のための兵器――『魔剣』が生み出した新たな歴史。

魔剣単体ではせいぜい天使を生み出す程度の能力しかないが、『魔剣使い』と呼ばれる使い手が扱うことにより、より深い力を発揮する。その力の1つが『神域の作成』だ。

 

今回作成(再現)された歴史は第一軌道人類史――第一騎士団〝神殺しの剣閃(ブレイドライン)〟の面々が生まれ、戦い抜いた歴史だ。

 

目標のエリアに到着して1時間。未だそれらしい影は見当たらない。

 

「葵さん、本当にここで合ってますか?別のエリアに移動したりとかは?」

『――多少のズレはありますが、誤差の範囲内です。対象はその付近で3体バラバラに行動しています』

 

専属のナビゲーターからの報告を聞いて、改めて気配を探る。

ガーデナーの任務は、常にナビゲーターと通信しながら行う。人数に限りがある騎士なら執行部が直接指示を飛ばすか、『皇帝(EMPEROR)』の階級を持つ久条運命が現場に同行して指揮を執るが、ガーデナーの場合は別。

通常5~100人程度の部隊を編成して動くガーデナーには部隊ごとに専属のナビゲーターが付き、部隊長や軍事局の指令部と連携して部隊をサポートする。

俺の場合は部隊と銘打っておきながら所属隊員が俺しかいないため、実質俺専属のナビゲーターと化している。

 

周囲に視線を巡らせながら警戒すること数分、何かの雄叫び染みた鳴き声が聞こえると同時に、その声の正体が姿を現す。

 

「目標補足。これより交戦を開始します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ、虚くんも戦い始めた頃かな?」

「......今回の作戦だけど、やっぱり無理だと思うわ」

「心配?」

「だって、彼は他の騎士とは違って不死身じゃないのよ。それなのに、暴走天使を複数体相手に1人で戦わせるなんて死刑宣告よ」

「マリアは優しいんだね。でも大丈夫。虚くんは必ず勝って帰ってくる。彼がガーデナー最強なのは知っているでしょ?」

「でも......」

「マリアが今するべきなのは、虚くんと運命くんたちの無事と成功を祈って待つこと。でしょ?」

「......ええ、そうね」




キャラの口調再現するの難しくないですか?

2025年20日追記
ガーデナーの設定はオリジナルです。
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