吸血鬼の楽しい白黒監察   作:かんしょうざい

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キャラ崩壊や独自設定、拙い文章やグダグダ展開でも許せる人はどうか最後まで見てくれると幸いです





episode1

 

嗚呼、やっと捕まえられた。目の前で静かに眠っている貴女を見れば何日も何日も幻想郷を飛び回った甲斐があると言うものだ。

 

そう思う吸血鬼の少女–フランドール・スカーレット–の前には蜂蜜色の髪に『いかにも』な魔法使いの姿をした少女–霧雨魔理沙–が眠っていた。

しかし彼女の身体には枷が付けられており、これでは目覚めたとしてもまともに身体を動かすことはできないであろう。

 

「ちょっとやり過ぎちゃったかもしれないけど外は危ないんだし、これくらい魔理沙も許してくれるよね」

 

うんうんと頷きながら独り言を呟いていると眠っていた魔理沙が目を覚ます。

 

(…知らない天井、では無いみたいだな此処は、確か……)

 

何処か見覚えのある天井が視界に飛び込んできた魔理沙は辺りを見回す。

するとどこかからか幼い声が聞こえてくる。

 

「あら、おはよう、それともこんばんは、かもしれないわね魔法使いさん。気分は如何かしら?」

 

「吸血鬼と人間からしたらおはようだかこんばんはだとかの時間帯が変わってくると思うんだがな、まあおはよう、フラン」

 

魔理沙が声の聞こえた方に眼を向けるとそこには七色の羽でふよふよと浮いているフランが居た。

 

「それじゃあ今ここで価値観を揃えちゃうのはどう?いい提案だと思わない?」

 

「そりゃ確かにいい提案だな、問題点があるとするなら私は吸血鬼を人間にする方法を知らないって事だが」

 

飄々とした態度で返した魔理沙を見てフランはクスクスと笑った。

 

「普通は身体中に枷がつけられているとそんな軽口は叩けないと思うのだけど。やっぱり面白いわ、魔理沙は」

 

「そりゃ結構な事で。で、なんで私はこんなとこに居るんだ?それに今現在進行形で私を雁字搦めにしているこの枷だが材質はどうやら…」

 

「ご想像の通り銀よ。取り付ける時は手が痛くて仕方なかったわ。感謝する事ね」

 

フランの言う通り魔理沙の身体に取り付けられている枷はどうやら銀のようであり、灯りの乏しい部屋でも光沢を放っている。

 

「よくもここまで純度の高い銀を取り付けてくれたな。これじゃあ人間の私でさえ力が抜けてくるぜ。何処でこんな物を作ったんだか」

 

「気に入ってくれたようで何より。その枷は外にある物をそのまま持って来ちゃったわ」

 

「こんなもんが外にあるとは幻想郷も末だな。それと、聞きたいことがあるんだが」

 

やれやれと言いながら頭を振り、魔理沙はそう聞いた。

 

「何かしら?これから末永く暮らしていくパートナーに対しては大抵は喋ってあげる」

 

「少しならまだしも末永くはちょっとな…。嗚呼そうだった。私、お前に連れてこられた記憶がないんだがいつ攫ってきたんだ?寝た記憶もないんだが」

 

魔理沙が訝しげにそう問うとフランは少し考えたような素振りを見せて話し始めた。

 

「それは痛い事しちゃったから記憶を消したの。ごめんなさいね」

 

「おいおい、なんて事をしてくれたんだか。て言うか、こう言うのは痛い思いをさせて支配するのが定石じゃあないのか?」

 

どこかの本で得た知識を思い浮かべた魔理沙はへらへらとしながらフランに問う。

 

「私は暴力で支配するのは賢い手段じゃないと思ってるわ。甘やかして依存させるのが好きなの。それとも魔理沙は痛い思いをするのが好き?」

 

「真っ先に暴力に頼りそうな奴が何を言ってるんだか。まあ、答えてくれてありがとう」

 

「どういたしまして。次の質問は何かしら?」

 

「あー、次は、そうだな」

 

魔理沙が答えようとするとくー、と何処か恥ずかしい音が鳴った。

フランが魔理沙の方を見てみると魔理沙が少し顔を赤らめていた。

 

「あら、お腹が空いたの?作ってきてあげるから待っててね」

 

「恥ずかしい所を見せちまったな。あと、お前が飯を作ってくれるのか?そういうのは咲夜や妖精メイドにやらせるもんかと思ったんだが」

 

魔理沙が呟くと、フランは一瞬立ち止まり答えた。

 

「…好きな人の血肉になるものは作ってあげたいの。それじゃあ良い子にしててね」

 

そう言うとフランは扉を開いて部屋の外へと出て行った。

 

「やれやれ、これが好きな人とやらに対する仕打ちかよ…つまらんジョークを言いやがって…」

 

魔理沙は自分の体の至る所につけられている忌々しい枷を見つめながらそう呟いた。

 

(考え続けて頭を働かせないと恐怖でどうにかなっちまいそうだ。…まず状況を整理するか)

 

魔理沙は表面上はいつも通り余裕そうに振る舞ってきてはいるが、監禁されたのは事実。実はかなり精神が参っていた。

なので恐怖を紛らわす為に頭を回転させようとして思考の海に沈んでいっているのであった。

 

一つ、これがタチの悪い夢でなければ私はフランに捕まり監禁された。(しかも銀の枷のおまけ付き)

 

二つ、私は魔法が使えない。

 

(普通の銀なら利用して直ぐに抜け出せたんだがな…。どうにも純度が高すぎる。フランは外で拾ったと言っていたが、こんなもん持ったら吸血鬼は手が溶けちまうんじゃないか?…まあ溶けなかったから私につけられているんだろうが)

 

三つ、これは観察していて気づいたんだが、フランは衣服が所々解れている。しかも、小さい傷が幾つかついているみたいだ。

 

(これは恐らく私が抵抗した跡なんだろうな…傷を付けたのは悪いと思っているが、まああっちが悪いし大丈夫か。……しかし気になるのがあの傷どうやら私の魔法で傷ついたものじゃあないっぽいな。あれはまるで…)

 

魔理沙、警戒してたなあ。まあ、仕方ないか。監禁されたからその反応は至極当然か。でも、軽口を叩けるのは流石と言ったところね。

でも、瞳の奥には恐怖と怯えの感情が見えてて可愛かったなあ。

だけど、直ぐにその感情は無くなるはずだわ。きっと私無しでは生きられなくなっちゃうかも…。

なーんてなるはずないわね。きっと強情な魔理沙のことだ反抗し続けるでしょうね。でも、そんな事しても無駄なのにね。助けも呼ばせないし呼べない状況でどんな変化を見せてくれるのか楽しみだわ。

 

フランはふよふよと浮きつつ移動しながらそう考えていた。

そして、目的の部屋の前に立ち止まりドアを開けて中に入って行った。

その部屋は食料こそ置いてあるものの所々埃を被っており余り手入れがされていないようにも見えた。

しかし、調理場はあるようでフランは適当に見繕った食材を片手に調理場へ向かった。

 

「久しぶりに人とお喋りして気分がいいから腕によりをかけちゃおうかな。でも、魔理沙が食べるものだからしっかりしたものを出さないとね」

 

そう呟くと食材を手に取り調理を始めたのだった。

 

「あれ?もしかして賞味期限切れてる?ま、いいか賞味期限だし」

 

 

気になるがなんでフランはこんな事をしでかしたんだ?

自分で言うのもなんだが私はそこそこ顔が広いと思っている。そんな私が消えたとなれば軽い噂くらいにはなると思うんだがな。

フランは暴力娘に見せかけて存外頭が回る、本当になんでこんな事を…。

それに、私が攫われた際の記憶が無いのが厄介だな。どんな理由で攫われたのかが皆目見当もつかない。理由があったからと言って監禁は勘弁なんだが。

それよりここから取り敢えず逃げる方法を探すほうが先決だ。しかし、どうしたものか…

 

魔理沙が思考の海に沈んでいるとガチャリと扉が開き、魔理沙の体が少し震えた。

そしてフランが部屋に入ってくると彼女が作ったであろう料理の食欲を刺激する匂いが部屋に充満した。

 

「おまたせ、なかなかうまく作れたと思うんだけど食べてみてね」

「こりゃ美味そうだな。…お前につけられた枷のせいで食べられないが」

 

魔理沙がジト目でフランを睨むとフランは勿論対策済み!と言いスプーンを取り出してスープを掬った。

 

「は?お前が食うのか?おいおい、酷い奴だぜ」

 

魔理沙が少し気落ちした風に言うとフランがチッチッチッと指を振り、魔理沙の前にスプーンを出した。

 

「はい、あーん」

 

「ちょ、ちょっと待て!ど、どう言う事だ⁉︎」

 

突然、恋人どうしがするような食べ方(あーん)をされ動揺する魔理沙。

いつもは飄々としている魔理沙もうら若き乙女である。動揺するのも当然と言ったところであろう。

 

「どういう事も何も食べさせてあげるだけど?もしかしてこう言う事をするのは初めて?それとも口移しの方がよかったりするの?」

 

いや…霊夢とならした事あるから初めてではないが…じゃなくて!もっと、こう、他にいい方法はないのか⁉︎」

 

何やら小声でぶつぶつ言っていたかと思えば急に大きな声を出した魔理沙にフランは少し面食らったが、すぐに落ち着くと語りかけた。

 

「もう、私というものが居ながら別の人の話をするなんて酷いわ魔理沙。それに、今貴女は囚われの身、そんな事言える権限があると思ってるの?」

 

魔理沙の顔を撫でながらそう語り掛けるフランに魔理沙はやらかしたと思っていた。

 

「あ、ああ、そうだったな私は今お前に監禁されてるんだったな…。文句は言わないぜ。好きにするといい」

 

「なーんて、冗談よ。パートナーは大事にするものでしょ?痛いことはしないわよ。今のところは。それにもう会えない人の話をするのはやめてね?」

 

魔理沙はフランの話す内容に引っ掛かりを覚えたが、何をされるかがわからないので黙っておくことにした。

 

「せっかく作った料理が冷めたら勿体ないわ。ささ、早く口を開けて」

 

抵抗しても無駄だと言うことを悟った魔理沙はフランの言う通りに口を開けた。

 

「うんうん、いい子ね。味はどう?結構自信作なんだけど」

 

「あ、ああ。美味いぜフラン、いつの間にこんなものが作れるようになったんだ?」

 

そう言う魔理沙だったが実はあまり味わえて食べることはできていなかった。こんな状況で味わえて食べれるわけがないのである。

 

「…ちょっと前に咲夜に教えてもらったの。『妹様、料理が作れるようになると色々と便利ですよ』なんて咲夜が言うから仕方なく教えてもらっていたのだけれど…披露できる機会があってよかったわ」

 

そのように話すフランの顔は少し悲しそうに魔理沙は見えた。

 

「フラン…」

 

「ん?なあに?」

 

「いや、なんでもないぜ」

 

『なんでそんなに悲しそうな顔なんだ?』そう聞いても意味がないと思った魔理沙は話を打ち切り、次の料理を食べさせてくれるよう催促した。

 

「次はこれ、鯖の味噌煮!魔理沙は和食が好きって聞いたから作ってみたの!」

 

「そんな情報どこで聞いたのやら…事実だが。それにしてもスープ作ったのにサバ味噌なのか…」

 

「そ、それは、わよーせっちゅーって奴よ!いいから食べて!」

 

半ば強引に話を打ち切ったフランは上手に箸を使い鯖をほぐして魔理沙に差し出した。

 

「…!美味いなこれ。よくこんなもん作れたな」

 

「これが修行の成果ってものよ。それに、魔理沙も今度はちゃーんと味わって食べてくれてるようでよかった」

 

フランがそういうと魔理沙は少し咽せた。

 

「は、はは。私はしっかり味わって食べてるぜ?何を言ってるんだか」

 

「そう言う事にしといてあげるわ」

 

その後も様々な料理を食べ(させてもらっ)た後、フランは片付けに行くと言って部屋から出て行ってしまった。

 

「それにしても美味かったな…。」

 

此処で暮らしてもいいかもな。なんて考えが浮かんだ魔理沙はすぐに頭を振り、此処から出る方法を考え始めた。

 

「…私は一体どうなるんだろうな……」

 

しかし、幾度も考えようともいい案が思いつかず魔理沙の心の中は少し不安に覆われた。

 

 

 





最後まで見ていただきありがとうございます

キャラの口調はこれでいいのだろうかと言う一抹の不安を抱きつつ執筆していました。ここはこうしたほうがいい、誤字脱字などの指摘がありましたら是非教えてください。(でも、豆腐メンタルなので強く言いすぎてないでくれると嬉しいです)



…フラマリ最高!マイナーCPに入っているかいないかギリギリだ(と思っている)けどやっぱ好きなんですよねフラマリ
いや、レイマリ、レミフラなどありますし好きなんですけどフラマリを捨てきれないんですよ!大馬鹿者なのでしょうか…
変な自語りに付き合わせてすみません
では、是非次回も見てくれると嬉しいです。それでは!
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