ダンジョンで思い付き短編を書くのは間違っているだろうか   作:ミストリアン

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もしも、原作の19巻あたりに、アルフィアが過去からやってきてしまったら


そんな感じの緩い思い付きの短編です


ダンジョンで未来を見てしまうのは間違っているだろうか

―――あれで、私は終わったはずだった。

 

 最愛の妹の元へ旅立つために、奈落へ落ち、この肉体は灰と化していったはずだった。

 

 

 

 

「…だが、これはどういうことだ」

 

 大抗争の果てに、正義の眷属に撃たれたはずだった…静寂のアルフィア。

 

 

 

 彼女が目覚めたのは、どことも知れない建物の中。

 

 そして、視線を感じて見渡せば、そこには数人の子供たちの姿があった。

 

 

「ひえっ、め、目が覚めたぞ、あのお姉ちゃん」

「何かこう、兎の兄ちゃんに似た人っぽいけど、何だのあの人」

「変な人…落ちて、来た?」

 

 

 何か言っているのが聞こえるが、どうやらアルフィア自身は急にここに現れたようなものらしい。

 

 

 何がどうなっているのか、すぐにはわからない。

 

 ここが最愛の妹がいるかもしれないあの世…と言うわけでもなさそうだ。

 

 

「おい、お前たち、ここはどこだ?」

「こ、ここ?ここは、オラリオの…ダイダロス通りの教会だよ」

「僕たちの…孤児院の場所…」

 

「オラリオ…ダイダロス通りか。だが、それにしては…」

 

 

 場所としては知っていることはある。

 しかし、アルフィアの知っている場所とは異なり、このような場所に心当たりはない。

 

「それに今は…」

「…何だと?」

 

 

 

 子供たちから聞いた今の時間に、アルフィアは驚愕する。

 

 自分が、闇派閥が暗躍していた暗黒期から月日は流れており…既に過去のことになっているのだ。

 

 

 

 

「闇派閥が壊滅済み、あのロキや美神が…いや、フレイヤファミリアが戦争遊戯で壊滅している…か」

 

 一体何をどうしてこうなったのかはわからない。

 

 だが、ただ一つだけわかるとすれば自分が未来のオラリオに来たということだけだ。

 

 

 これも神のいたずらか、はたまたは何かの奇跡か、あるいは今にも消えゆく己の命が見せるほんのわずかな夢幻か…

 

 

「そのうえ、この少年は…おい、何て名前だったか」

「べ、ベル!!ベル・クラネル!!僕らと時々遊んでくれる、ヘスティアファミリアの第一級冒険者!」

「ベル…だと」

 

 

 子供たちから奪い取るようにして目にしたのは、オラリオで発行されていた新聞記事。

 

 その一面に記載された内容を見て、さらに驚愕させられる。

 

 

 

(…名前も、見た目の特徴も…まさか、メーテリアの子供…だと!?)

 

 

 どういうことだと、思いっきり叫びたい。

 

 あの好々爺のような、時折福音でぶっ飛ばし、ヘラにもチクったことがあるゼウスの元で預けられているはずの大事な子供。

 

 

 それが何をどうしてなのかオラリオに辿り着いており、レベル5…第一級冒険者にまでたどり着いている。

 

 

「くっ…ここでは、情報が足りないか。すぐにでも、確認しなければ…!!」

「あ、ちょっと待てよ、お姉ちゃん!!一体何を、どうしてベル兄ちゃんに対して驚いているの」

「あの子は妹の忘れ形見だからだ」

「ってことは、お姉ちゃんはベル兄ちゃんのおばさ、」

「福音(ゴスペル)」

ゴォン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――少々、手荒なことをしたような気がしなくもないが、抑えたから大丈夫だろう。

 あの場所の壁が一部吹っ飛んだが、命にかかわるようなことはないはずである。多分。

 

 

 

 

「だが、一応は身を隠しながら…見るしかないとは思っていたが、これは中々だな」

 

 

 

 ヘスティアファミリアの拠点…近くにある建物の物影。

 

 

 ここにいったん身を潜めて探るが、それだけでも多くの監視の手があることが感じ取れるだろう。

 

 

 フレイヤファミリアの手による、ホームの監視体制。

 情報によれば、何やらヘスティアファミリアにとんでもない妖術師がいるようで、それを狙う輩もいるために監視を行っているようだ。

 

 

 

(フレイヤとの戦争遊戯で勝利して、その眷属共が守っている…か。やはりあの美神、送還させるべきだったか)

 

 

 どこかの町娘がぞくっと悪寒を感じつつも、アルフィアはその様子をうかがう。

 

 

 

 そもそも、ここまで集めた情報自体も色々と信じがたくはあった。

 

 

 

(本当に、メーテリアの子か…名前と容姿が似ているだけと言うこともある)

 

 信じられないというか、信じたくはないというべきか。

 あのゼウスに託してあったはずなのに、何をどうしてオラリオへ導かれ、様々なことに巻き込まれているのだろうか。

 

 

「…っと、来たか」

 

 

 そうこうしている間に、ホームの扉が開き、どうやら団員が出てきたようだ。

 

 

 小さな小人族に、赤髪の鍛冶師、極東の忍びとやらに妖術師…それに…

 

「あれは…疾風か。奴め、アストレアファミリアが壊滅したという話があったが、生き延びていたか」

 

 

 

 

 かつての戦いの際に、交えた敵。

 

 あれから数多くの戦場を駆け抜けてきたのかそのレベルも上がっており、どこか迷いも捨てたように大きく成長しているのが目に見て取れるだろう。

 

 あの戦いが無駄にならなかったことに安堵しつつ…ようやく、その時が来た。

 

 

 

「それじゃ、神様いってきまーす!!」

 

「来たか、あれが…ベル…」

 

 

 ホームから最後に出てきたのは、処女雪を思わせるような白髪に、赤目の少年。

 どこか頼りないように見えてもその動きは第一級冒険者のようなものであり、仲間たちが彼を見る目も信頼があることが見て取れる。

 

 

 そして、何よりも…間違いない。

 

 

「…ああ、本当だったのか」

 

 

 

 

 

 愛すべき妹の残した、出来れば目玉は抉り出したいかなと思いつつも抑えた愛すべき子。

 

 おばさんと呼ばれたくはない建前持ちつつ、出会うと情が移るというのもあって見ないようにしていたが…面影などが、間違いなくあの子だとアルフィアに理解させる。

 

 

 

 

 だが、見てどうするのだということがこの後すぐに出てきた。

 

 なぜこの未来のオラリオに自分がいるのかという意味も分からないし、仮に目の前にいきなり出てお前の叔母だと言っても信じられるわけがない。

 

 

 戦った疾風などもおり…今更どのような顔をして、顔を見せればいいというのか。

 

 

「ひとまずは、目撃される前に隠れ…っ!!」

 

 

 いったん物陰に隠れて、まずは未来に来てしまった原因の方を先に探ろうかと考える中、感じた殺気。

 

 

 

「っと、福音(ゴスペル)!!」

「くぅっ!!」

 

ゴォォンッと音を立てて、剣で受け止めたのはダークエルフの青年。

 

 

 気配を感じさせず、暗殺者に向いていると言えるような剣士だが、レベルは高いようだ。

 

「あ、あわわ、ベルたちに、何かついてきていたけど、やばいよぉ、この人明らかに強いよう」

「こいつ…なんなのだ?」

 

 いざ手合わせすれば、相当な腕は持っていることが分かるが、物凄く気が弱そうだ。

 

 第一級冒険者と言って良いはずだが、どこか呆れたくなるような具合である。

 

 

「と、とりあえず、ふふふ、陰より白兎たちを見し白髪の…鬼婆よ」

「福音(ゴスペル)」

ドッゴォオオオオオオン!!

「ぎゃんっ!?」

 

 

 

…どうやら、愛すべき甥っ子の周囲は色々と面倒くさそうなものがありそうだと、後であのくそ爺にはまだいるかは不明だが、ヘラにチクるかとアルフィアは心から思うのであった。

 

 

 

 




…色々と思いつきつつも、
ちょっとした欲で書いております

リクエスト等は後ほど活動報告で出しますが、
○○だったらのような、思い付きの短編の予定です



…R18はこの作品ではない…かな
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