ダンジョンで思い付き短編を書くのは間違っているだろうか   作:ミストリアン

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内容:もしもベルが女の子でロキファミリアに入ったらのif



花兎は道化の庭に

「ほぉ?なんや、うちへ入団希望なんか?」

「…どなたでしょうか?」

 

…都市オラリオの一角、ロキファミリアのホームの前にて見かけた少女へ声をかけたのは、そのファミリアの主神であるロキ。

 

 

 ちょうど今、外へ出て散歩でもしようかと思っていた時に、何やら門前で声が聞こえて、気になったのである。

 

「どうしたんや?」

「あ、ロキ様。実はこの子がうちのファミリアに入りたいと言って…」

「ロキ様…?まさか、ここの主神様ですか!?」

「ほぅ?」

 

 門番をしていた眷属に声をかければ、案の定、新たに入団希望をしている子供がいたらしい。

 

 

 都市内の大派閥と言うこともあって入団希望をする眷属もいるが、それ相応の力が無ければ難しいところ。

 

 特に今、目の前にいる少女(・・)ぐらいだと弱そうで厳しい気もするが‥

 

「ほほぅ…処女雪のような白髪に赤い瞳…ふむ、弱っちそうやけど磨けば光る逸材かもしれんな。お嬢ちゃん(・・・・・)、このファミリアに入りたいって認識でええんやな?」

「は、はい!」

「名前は?」

「ぼ、ぼ、ボク、ベル・クラネルって言います!!」

「ふむ、なら気に入ったでぇ!うちの眷属になってええでぇ!!」

「「ええええええっ!!」」

 

 主人の鶴の一声によって、門番とその少女…ベルと言う娘(・・・・・・)は、その場で驚愕の声を上げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええやん、ええやん!弱そうやけどうちの目に狂いはなかったでぇ!!」

「あ、あはは…」

 

「ん?ロキ、彼女は誰だ?」

「む?難儀だな…いきなり、主神の玩具にされるとはな」

「もぐもぐ…ん?」

 

 

 ファミリアの一室にて、早速眷属に加えたベルに対して、ロキが着せ替えを楽しんでいると、ちょうどダンジョンからフィンたちが帰ってきて、すぐに見慣れない少女に目を付けた。

 

「お?おかえりやで、フィン、リヴェリア、アイズたん。どや、今日から新しくうちの子になった、ベルちゃんやで!」

「ど、どうも…」

 

 

 ロキの玩具になっている姿を見て、同情の眼差しを向ける団員たち。

 

 見る感じではまだ冒険者になりたてであり、そこまで強くはなさそうだ。

 

「なるほど、新しい団員か…よろしく、僕は団長のフィンだ」

「玩具にされているのは哀れに思えるがな…ん?」

「どうしたの、リヴェリア…もぐもぐ」

 

 挨拶を交わす中、ふとリヴェリアは目の前の少女の姿を見て、何か既視感を覚えた。

 

 具体的にはこう、自身を癇癪餅の年増と言ってきたような、ある女性の姿。

 

 それにどこか、重なるような気がしたが‥‥纏う雰囲気が異なるので、気のせいかと気を取り直す。

 

「いや、何でもない。ベルと言ったか…うちの主神が悪ふざけをしているときは、出来るだけ抵抗したほうが良いぞ」

「は、はい…で、でも神様相手にそんなのは…」

「そやでぇ!本当ならこの子みたいに敬ってほしくもあるんやぞ。ほれ、アイズたんにも同じように着せ返してあげたくて、この兎の子に似たバニースーツを…」

ドゴォゥ!!

「グゲベラッ!?」

「か、神様ぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 それは本当に一瞬の出来事であった。

 

 アイズと言う名の少女が瞬時に姿を消したかと思えば、次の瞬間にはロキの真横に立っており、彼女を吹っ飛ばしたのである。

 

 

「…あ、ごめんなさい。何かこう、邪なものを感じて…」

「いや、いいぞアイズ。あのぐらいしなければ、やつは復活するからな」

「す、すごいかも…」

 

 思わず体が動いたアイズが謝ったが、団員たちは慣れたものだと呆れつつも誰も咎めない。

 

 一方でベルは、神に対して見事な一撃を見せた少女に対して、驚かされつつも心のどこかで尊敬の念を抱いた。

 

 

 あの邪すぎる神に、鉄槌を。

 

 自分では無しえなかった拒絶を、瞬時に行う判断力やその力。

 

「良いなぁ、ああいう人にあこがれるなぁ…」

 

 そこに、彼女は憧憬に似たものを抱くのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…それからしばらく経過し、ロキファミリアの中でベルは一生懸命に冒険者として勤めていた。

 

 

「そっち、行ったよベル!!」

「わかりました!!全力で逃げますから、その間に皆さんで!!」

 

 

「…いたいけな少女を囮にして、戦うのはあれだけど、逃げ足はマジで速いよね」

「あれで団長狙いだったら、私が追いかけても追いつけない可能性があるのよねぇ」

「ひぃぇっ!!」

 

 冒険者としての才能は、取り繕ってもそこまではない。

 

 けれども愚直に素直で、正面からよりもその速さを活かし、弱そうな見た目ゆえかモンスターに狙われやすいのもあいまって逃げ足の速さも利用して、ファミリアの中でも目をかけられるようになっていた。

 

 

 まぁ、その活躍ぶりを見て、団長に興味を持たれたら困るということで、あるアマゾネスの少女が注意を行ってトラウマも持つようになったが…それでも、ベルはファミリアの中で必死に働く。

 

「皆さんの迷惑にならないように、全力で…!!」

 

 ダンジョン内を高速で動き回り、逃げながらも突き進む白き兎の少女。

 

 

「良し!まだまだ戦闘は負けるけど、足は速くなってきた!これで戦闘できたら、アイズさんのようにいけるかも?」

「まだまだですよ!アイズさんは逃げないで真正面からぶつかってますからね!」

「ひぇっ、レフィーヤさん…え、まだ駄目ですか?」

「ええ、あの人の動きにはこれっぽっちも、追い付けていません!」

 

 動きは憧れのアイズに似せようとしたが、彼女に憧れるものは他にもいるようで、別の目の前に現れたエルフの少女もまたその一人。

 

 憧れる気持ちはわからなくはないと言われつつも、理想像があるからこそ比較してしまう様子。

 

 

 積極的なエルフに、理想のためにはこういう動きがあると教え込まれ、強い押しゆえに断り切れない。

 

 次第に、常に何からも逃げまどいつつつも、何かしらの成果を残す迷宮の白兎として認知されていき、レベル2になった時に二つ名として『白兎の(ラピッド・)逃走少女(エスケープガール)』が付くのであった…

 

 

 

 

 

 

「ついに二つ名が付いたけど…逃走少女かぁ…」

「うーむ、それにしても…いや、気のせいだと思うが…薄汚れて目をつぶった姿をどこかで‥」

「なんやなんや、リヴェリア?あの子に何か、見覚えでもあるんか?」

「本当に気のせいだと思いたいが…いや、確かにどこかで…」

 

 




リクエスト、ありがとうございました

女の子の姿だったら、確かにロキに気に入られそうな気はしなくもないが…

よりにもよってそこに入るかと、どこかから出てきそうな人の姿も…
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