ダンジョンで思い付き短編を書くのは間違っているだろうか 作:ミストリアン
…今から約7年前の、暗黒期真っ盛りのオラリオ。
あちこちで闇派閥が蠢き、正義のアストレアファミリアも対抗しようにも、すぐに手が回らない状況。
しかし、そんな中である日突如として、一つの白い光が現れた。
素早い動きで敵を翻弄し、見たこともない速度で魔法を放たれ、鳴り響く鐘の音色は勇気づけ、何もかも吹き飛ばしていく…敵か味方かはわからない、けれども人々は彼を冒険者の二つ名のように、
「ふぅ…眠い…けど、寝たら終わってしまう気がする…」
ダイダロス横丁の物影にて、その噂の道化師…7年後のオラリオから迷い込んでしまったベル・クラネルは総武焼きながら、壁にもたれかかって休んでいた。
今やれることはあくまでもこの世界でのことであり、未来の元居た世界では、無駄になるのかもしれない。
けれども、正義は巡る…ここで行ったことは、この世界にとって良い方向に成ってくれれば、それで良い。
「それにしても、リューさんから聞いておいてよかったな…本当に、あちこちで絶え間なく闇派閥が動くけど、今のオラリオだと考えられない状況だもの…」
闇派閥からの被害を防ぐため、事前に
多少のずれはあるかもしれないが、それでも今物凄く役に立っているからこそ、感謝の言葉を捧げたい。
だけど、今のこの時代…アストレアファミリアにいるリューは、ベルの知っているリューであっても過去の彼女であり、今との関係はない。
そこが物寂しく思うけれども、未来に起きる悲劇を防ぐことで、その正義を曇らせないようにしたいのだ。
「さてと、次はどこだったか…あれ?待てよ、確かこの辺りって…シルさんが通っていた孤児院の近くなんじゃ…」
「はーい?呼びましたか、そこの人」
「いいっ!?」
今とは違うかこのオラリオとはいえ、多少のつくりは似通っているもの。
かつて、この通りでシルを尾行して、孤児院にたどり着いたことがあることを思い出した途端、いつの間にか背後にいたようだ。
「っと、えっと、その」
「大丈夫ですか、何かボロボロだけど…ん?妙な感じがする、白兎さん?」
(や、やばい…!!シルさん、本人だ!!)
んん-っと、何か不思議なものを見るような目をシルに向けられ、動揺するベル。
酒場の町娘でもある彼女だが、神の目のように何もかも見透かし、隠し事ができない相手。
つまりそれは、今ここで問いただされれば、全て白状してしまうようなもの。
「な、何でもないですよ、シルさん!」
「初めて会う人ですよね?なのに、何で私の名前を知っているですか?」
「えっと、その、えええっと、そう、噂で聞いたことがあるからですよ!豊穣の酒場での看板娘、シルさんって!!」
嘘はついていない。
とっさの嘘はドへたくそであり、アルという偽名をアストレアファミリアに名乗った時でさえバレバレではあったベルだが、それでもギリギリ隠せる…はずである。
「ふーん?そうですか、噂で…ええ、そうならそれで、納得しましょうか」
「よ、良かったぁ…」
「ヘディンさんも、なんでギース姉妹と戦っているときに、自分のことをわかっているような戦い方をするのか、不思議でむかつくと言ってましたし、なにかわけありなんですよね」
「うぐっ…!!」
やっぱりごまかしきれていない気がする。
とにもかくにも、ここでこのまま過ごしていたら、ぼろが出るのは確実である。
ならばここはもう、立ち去らないといけないだろう。
「そ、それではここで、失礼します!!僕はもう、行かないといけないので!!」
「あっ、待ってください!!」
その場を去ろうとしたベルに対して、声をかけるシル。
「そのっ、どういう方かはわからないですけれども…頑張ってください!!」
「ーーー、はい!」
…まだこの過去の世界において、知らない相手。
それでも、町娘からの心からの声援は、今のベルにとって何よりもの心の栄養剤になる。
笑顔で返答し、そのままベルは次の闇派閥の湧きだす場所へ、駆け抜けていくのであった…
結構久しぶりの更新
短いですが、わずかな交流で…少しは癒されているシーンがあっても良いのかも
…あ、いやでも、時期的にこれヘルンさん…いるのかな
リクエスト対応中
かなり遅筆な方ですが、ご了承いただければ幸いです
…IF。もしもヘルンさんに最初かららとっ捕まっていたらとか…ありか…?