ダンジョンで思い付き短編を書くのは間違っているだろうか   作:ミストリアン

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思い付き:
もしも、ダンまちの世界からさらに月日が経過して
皆が転生したころ合いを見計らって、初恋拗らせまくった女神が再び燃え上がったら…


初恋は別の日に生まれ変わって

‥あれからかれこれ数百年。

 

かつての地上の3大クエストは成し遂げられ、下界の終末は消え去った。

 

神々は歓喜し、眷属たちとの物語を楽しんでいたが、その日々は長くはない。

 

 

 

いつしか、彼らの物語には自分たちがいない方がいいのではないか、愛した子供たちを天で迎えた方がいいのではないか‥様々な意見が出ていき、そしてより見守っていくために、神々は地上から消えていった。

 

もう、脅威となる大穴も、防ぐためにあったダンジョンも失われ、更に長い歳月を経れば、オラリオの人々は世界に散らばっていき、かつての英雄たちも天へ旅立った。

 

 

 

「それで、後に残ってみていても、魔法は消え失せ、科学とかが生まれ…あの子たちが繋いだ未来では、おとぎ話になったんですね」

 

ひとり、町娘がそう呟き、今も残って世界を巡る男神に目を向ける。

 

「だから、今ならチャンスかなって…ふふふ、ヘルメス様、その情報は本当ですよね?」

「ああ、間違いないさ、シルちゃん。でも、良いのかい?今の君にはもう、あの王者も、戦車も鬼畜エルフなんかもいないんだぜ」

「大丈夫ですよ。だって…」

 

 

神ヘルメスの問いかけに対して、町娘‥シルは答える。

 

「彼は私の騎士(オーズ)の誓いを立てましたからね」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーある田舎町に、町娘はバスに乗って移動し、目的の場所へ向かい歩み出す。

 

神秘も失われた都会に比べれば、まだここは昔の光景に近いだろう。

 

鼻歌を歌い、歩みを進め、やってきたのはある一軒家。

 

「すみませーん!ここに、何でも屋の白兎さんがいるって聞いたんですけどー」 

「ちょっと待ってくださーい!!」

 

声をかけてみれば、返ってきたのは聞き覚えのある声。

 

かなり昔のことのはずなのに、それでも忘れられない初恋の人のもの。

 

 

魂を見透かせる眼でみれば、かつての記憶はすでに失われているはずだけど、間違いなく透き通る色合いは彼のもの。

 

「お、お待たせしました、お客様!!何でも屋を営むラピッド・カンパニーへようこそ!!まだ僕一人しかいないですが、やれることはなんでもします!!」

「ーーーそれじゃあ、私と結婚してください、ベルさん♡」

「はいっ!…って、ナンデェっ!?色々すっとばしているんですけどぉ!?あと僕、まだ名前も言ってないのになんでわかっているの!?」

「ふふふ!!やっぱり、変わってないですね」

 

 

突然の求婚に対して、驚愕する男の子。

 

 

過去の記憶はなく、生まれ変わった今は他人だというのはわかっているというのに、面影を残す懐かしい顔。

 

その反応が面白く、思わず笑うシル。

 

何度も何度も生まれ変わったはずなのに、変わらないその姿に、清らかで透き通るような魂の色合いに懐かしさと愛おしさを感じ取らせる。

 

 

 

人々は知らない、ここで久しぶりに、あるファミリが再誕したことを。

 

人々は思いもしない、失われていったはずの魔法が再び日の目を見ることを。

 

 

「ふふっ、うふふふ♡」

 

それは今度こそという思いか、あるいは再び英雄に巡り会えた再会の喜びか。

 

 

 

世界は知らないが…それでもこの日、フレイヤファミリアは一人の眷属から、世界へ名を轟かせ‥主神は世界よりも、ようやく手に入れた彼に喜ぶのであった…




…いや、でもベルだけじゃないか
これよく考えたら、後からどんどんやっばいのがくるやつだ、これ


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