ダンジョンで思い付き短編を書くのは間違っているだろうか 作:ミストリアン
内容:イレギュラーレコードのアルフィアが、元のオラリオ側の時間軸にやって来ちゃった話
ーーーアレはもう、誰が言ったのかは覚えていない。
ただ、血が教えてくれるのだ。
まちがいなく、私たちが…時代の英雄共の糧になり、そして導かれるようにして英雄の都へと訪れたのだと。
「…しかし、まさかそのオラリオに…どうして、また私がいるのだ」
…周囲の状況を見ながら、そうつぶやくのは灰色の神を風にたなびかせる静寂…かつて、このオラリオにて暗黒期の中で動いていた、アルフィア。
あの決戦からある程度の歳月が経過し、今日も可愛い甥に英雄になるための特訓を行おうかと考えていたが…気が付いたら今、この場所へ来ていたのである。
だが、様子を見る限りでは、かつていたあのオラリオの姿ではない。
あちこちの建物が異なっており、短い時間でそれだけの復旧が行われるはずもない。
「情報が欲しいな…ふむ?あれは…」
一応は、やらかした大罪人であるということは理解しているので、身を潜めていたがそれだけでは限度がある。
ゆえに、誰かに確認したほうが良いかと思う中、ふと彼女はある人物を見つけた。
「なぁなぁ、アスフィ。機嫌治してくれよぉ。ほんの、出来心だったからさ」
「駄目です、ヘルメス様。この間、休暇申請したばっかりなのに、何をどうしてまた新たな騒動の火種にならないものを売ろうとしたんですか。
「いや、今ほら、ベル君結構人気だからさぁ。彼にあやかって、ちょっとはファミリアの資金を稼げないかなと…」
「どこぞの町娘がこれを知って、指パッチンで、オッタルをオッタルしかねない事態になりかけたんですけれどね」
「…意味不明なようで、意味が分かるのが怖いな」
「…ヘルメス、か」
そこに通りがかっていたのは、神ヘルメス及びその眷属。
普段ちゃらんぽらんだが、何かと情報を集めて、各地で色々と工作を行う厄介な神ではあるが、だからこそ今、この世界に関して一番情報を持っている可能性がある。
「おい、待て。そこのふらつき男。お前に聞きたいことがある」
「ん?誰だい、そんなことを言うなんて。間違ってもな…え?」
「どうかしましたか、ヘルメス様?」
‥どうやら、今、彼女に出会う間にやらかした天罰が形を成して現れたようだと、後にヘルメスはそう語る。
「ーーーと言うわけで、静寂のアルフィアが来ました、助けて」
「な・に・を、やっているんですかヘルメス様ぁぁぁぁぁあ!!」
「おいおい、ヘルメス~。僕だって分かるぞ、これ絶対に厄介事の香りがするだろ!!というか、何で喋れているんだい、その顔で?」
…ヘスティアファミリアのホーム。
その玄関には今、
「というか、静寂のアルフィアって誰なんだい?」
「…彼女はかつて、オラリオにて闇派閥に手を貸した、大罪人です」
「た、大罪人!?」
当時のことを知らないヘスティアはともかく、その場に居合わせ、彼女と面識があったリューが代わりに答えた。
彼女の姿を見て、アルフィアもすぐにあのアストレアファミリアにいたエルフだと気が付く。
「ほぅ、あの時のエルフか…今の状況を
「ええ。当時とは比較にならないですが…それでも、貴女相手に気は抜けないです。というか、そもそもどうして、ここにいるのですか?あの時、確かに大穴に…」
「知らん」
あの大穴に落ちた後の、道化師に助けられたことは知らないのだろうか。
いや、そもそもの話、どうもヘルメスから聞いた情報だと、やはりいくつかの違いがこの世界で生じているということを、アルフィアは理解していた。
その元凶となったのは…
「…やはり、
「何故、貴方の口から彼の名前が?」
ぼそりとつぶやいたアルフィアの言葉を、聞き逃さなかったリュー。
当時いなかったはずのベルに関しての言葉が、この静寂の口から出たことに驚かされる。
「色々あってだが…まぁ、安心しろ。今は敵対する気はない。外をうろついていてもうるさいし、今はここで情報を確認させてもらう」
「厄介事の予感しかしないんですけどぉ…ああ、もう、でもこういう時に限ってベル様はミッションでダンジョンですしぃ…」
とにもかくにも、いつまでも玄関先で話し合うわけにもいかない。
明かな厄介事の香りしかないアルフィアに対して、ヘスティアもリリも顔をしかめるが、実力的に真正面から向かうのは無理だろう。
そもそも、脅威の人物でもある静寂ではあるが、今は確かに言葉通り、敵意は向いていない(そこの潰れパンは除く)。
仕方がないので上がってもらい、どういう事情なのかお互いに確認し合うことになった。
「ふむふむ、なるほど、つまりカオスの手が加わった可能性があると」
「そうみたいなんだよ、ヘスティア。彼女の説明を聞く限りだと…多分、ベル君は過去に渡っているね。それに、情報から察するにそれなりに改変も…」
かくかくしかじかと、お互いに関しての情報がやりとりされたが、それだけでも膨大な情報。
ただ、その中で普段の様子から忘れがちにはなるが、ヘルメスもヘスティアも、神である。
何が彼の…ベルの身に起きて、そのうえで過去のオラリオで何をやらかしたのかと言うことも十分理解した。
彼らがあずかり知らないところで、いつの間にかベルが過去に渡っており…その先々で、様々なことをやらかしたのが目に見えるほどだ。
「確信を持って言えるね。絶対に俺は、その世界のベル君から事情を聴いたら、協力していると。…アーディちゃんが生きていることを考えるとやっているだろし、面白そうだもん」
「『
ドゴンッツ!!
「ぶべぃらぁっつ!!」
「へ、ヘルメスがきりもみ回転しながらぶっ飛んだぁ!!」
「まぁ、ヘルメス様ですし」
常識的なというべきか、いちいち驚いていたらきりがないというべきか、過去にやらかしている輩だからこそそこまで気にしなくていいというべきか。
とにもかくにも、得られる情報はヘルメスにとっても、ヘスティアファミリアの面々にとっても驚くものばかり。
「ベル様のことですから、そんなことがあっても不思議ではないですが…」
「そう思えるほど、彼は‥‥うん、やらかしてますね」
「いったい、そこまで貴様らを思わせるほど、あの子は何をしでかしたのやら…メーテリアの子とはいえ…」
「ん?」
ベルのやらかしを知る面々からは、ある程度は納得できる。
そんな中、ふと、リューはアルフィアの言葉に気になるところがあった。
「静寂…何か、ベルに関して、知っていることが?先ほども、引っかかっていたのだが」
「ああ、彼は私の子だ。正確に言えば私の妹の子供ではあるが…」
「ほぅ、ベルが静寂の…へぁ( ゚д゚)?」
アルフィアの言葉に、飲み込みかけて…思わず、エルフにあるまじき間抜けな声と顔をさらすリュー。
その衝撃は、言い表せず、だからこそそんな彼女の反応を見て、周囲はどれほどの情報なのか理解させられる。
「嘘だろぉおおおおおおおお!?べ、べ、べべべべベルが、静寂の血縁者だと!?」
「そんなに驚くか?」
「驚くも何も、それならベルにとって貴様はおば、」
「『
「さ、ぶぼぇっつ!?」
「え、エルフく~~~んっ!!」
「リュー様が、壁尻状態に…」
目にもとまらぬ速さでその言葉を言い終わる前に、エルフにとっての恥辱の姿で意識を狩り取られたらしい。
がっくりと、衣服を爆散させられながら壁に突き刺さり、力なく垂れ下がる体を見て、アルフィアの力がどれほどのモノなのかわかってしまうだろう。
「あはは…レベル6になっても、これかぁ…ベル君、出来れば早く帰ってきてこの暴君をどうにかしてくれ…」
「き・み・が・連れてきちゃったんだろうがぁぁあああああああーーーーーーーー!!」
力ない笑いをするヘルメスに対して、激怒するヘスティア。
このファミリアの団長にして元凶になってしまったベルが、帰ってくるまであと十数分かかるのであった…
リクエスト、ありがとうございました
レベルアップしていても、あの静寂にまともに抗えない気配しかないような…
あとベル、確実に比較のためと子供との触れ合いのために、徹底的にゴスペラレる未来しか見えない‥良いのかなぁ?
リクエストも対応中
他色々やって遅筆ですが、可能なら地道に書いてます