ダンジョンで思い付き短編を書くのは間違っているだろうか 作:ミストリアン
内容:ティオナが、色々な面々の胸部装甲によって、障害物競走の勝利を得ても…
ーーー勝利の美酒とは、甘美なものであり、勝者が受ける賛歌は、小鳥のさえずりのように美しく、勝利の報酬は宝石のように輝かしくきらめくもののはずである。
だがしかし、今回の運動会であった競技の一つ、障害物競走に出たうえで勝ち取ったティオナは、複雑な表情をしていた。
「…何だろう、このむなしさ」
それは競技開始時から、起きていた。
「うぉおおおおおおおおおお!!ティオネ、これで私が勝ったらフィンは私がめとるんだぁぁぁぁ!!」
「そんなバカなことさせるわけがないでしょ!!団長の操は私のものだああああああああああああああああああああああ!!」
『おーっと、一人の男をめぐっての、激しい雄たけび争いだぁ!!その中心に立たされる方からどうぞ、一言!!』
『全力で逃げて良いかい?』
『駄目です』
運動会の中で、響き渡る声は、ティオネにアルガナ…どっちも
しかしながら、アマゾネスと言うことで狙った男は譲らない、その狂気のぶつかり合いはとんでもない火力を秘めているだろう。
「もー、これが身内だからちょっと大変なのがね…」
「ははは…かつては恐怖すら抱いていたけど、今はまた別方向にな…」
呆れるティオナに対して、同意する…いや、心の底から彼女たちの凶愛に辟易しているバーチェ。
かつては身内でもあり敵同士でもあったはずなのに、この場においては奇妙な親近感すらいだきあっていた。
「まぁ、良いだろう。この障害物競走に出たのも、何かと色々あってそっちの方に発散しておとなしくなってもらうのが目的だが…やはり、負けられない。ティオネ、この戦いの中で、成長を見せてみろ」
「ふふん、良いよ。血なまぐさくないけど、この戦いの中で私の成長を見せてあげるよ!!」
「うむ、頼もしいな。…一部が成長しているかは怪しいが」
「さらっと酷いこと言ってない!?」
自信満々に答えたはずだったのに、違う点でへし折られるのはどうなのか。
そう言いたいが、ブルマの体操服姿でこの競技に挑む面々の姿を見れば、バーチェの感想も無理もないだろう、
「あわわわ…こ、この面々の中に、出て良いのでしょうか」
「大丈夫だっての、と言いたいところだけど、確かにこの面子は濃いねぇ」
「うん、色々個性出過ぎる。その中で、こっそりと勝利はつかみ取るつもりはあるけど」
「ちゃっかりしてるね、あんたも」
あわあわと周囲を見て場違いではないかと慌てる春姫に、姉のように笑いつつ同時に呆れた声も出すアイシャに、銀の義手をぐっとこぶしにして隠れてやり過ごそうとしているナァーザ。
「ふぇーん、シル様と一緒に出たかったのに、なんでこうなるんですか、豊穣の女主人出張並走供給係なんて、何でこんなものがあるんですかぁ!!」
「私も、万が一に備えての並走救助係の方なので、治療役が二人いたほうが良いのでしょう」
涙目で叫ぶヘイズに、しっかりとした様子のアミッド…面々だけで見れば、それなりに強者と言える冒険者が多いだろう。
特に、胸が。
(…いやいや、そんなことを気にしても意味ないよね。うん、本当に…気にしなくていいはず)
一瞬頭の中によぎった言葉を振り払い、今は純粋にこの競技を楽しもうと、気持ちを切り替えようとしたティオナだったが…その決意は、直ぐに砕かれることになった。
「うぉおおおお!!なんだこのハードルは!!この程度が、愛を止める障害物となるか!!」
「それは同意するけど、そっちも障害物よ!!じゃまするなぁ!!」
びょんびょんっと素早くハードルを飛び越えまくり、豊満な胸を弾ませるアマゾネス二人の全力疾走に、観客席からの黄色い声援が響き渡り、同じようにティオナもハードルを越えているはずなのに、似たような歓声が上がることは無い。
「あうううううっつ!?助けてください、何でこんなに絡まるんですかあぁ!!」
「本当に何でだよ!!春姫、あんた不器用にもほどがあるというか、巻き込むんじゃないよ!うっぐっつ!?」
「アー、カラマッテウゴケナイー」
網もぐりの障害物では、何故か春姫が緊縛され、ほどこうとしたアイシャも同じように亀甲縛りにされ、ナァーザはゆるーんとやる気のない声を上げて…ぶるんぶるんと震える双丘が、するすると網をなんな潜り抜けてしまったティオナの目に留まる。
「ぜぇ、ぜぇ…いや、本当に何ですかあの先頭アマゾネス組!!こっちの負担も、考えてくださいよ!!って、ぎゃあああああああ!!流れ弾ぁぁあ!!」
「お二人とも、ちょっとストップ!!爆裂草のスプーン運びは、そんな投げ合うものじゃ、きゃあああああっつ!?」
ぶぉんぶぉんっと宙を飛び交う爆発する弾の巻き添えに合って、回復はすれども体操服までは戻らず、豊満な肢体を下着姿とはいえ晒してしまうヘイズにアミッドの姿。
その横で、ひょいひょいッと持ち前の身体能力で回避しつつも、震わされる果実の姿を、ティオナは見せつけられる。
「…いや本当に、なんでこうなっているの」
追いつきはするだろう、障害物も苦にはならないだろう。
なのになぜか、心が大きくえぐられるようなものばかりを目にする気がする。
思わずそうつぶやいたティオナではあったが、ふとこの光景をどこかの観客席で見ている
そうしている間にも、障害物競走の数々の障害物を乗り越えて、最後には…
『おおおっと!!最後の障害はポーズを決めて、壁の穴を抜けるものだぁ!!』
「へぶぁっつ!?くっつ、何、これ無駄にアダマンタイト使ってないか!?」
「こっちに予算を使うなら、もっと別のことに使って、ほげっつ!?」
障害として用意されていたのは、マジックアイテムで真正面から穴の開いた壁が迫ってきており、その穴はどうやらある程度のポーズを取らなければ、通り抜けられないらしい。
しかもかなりの速度であるため、上級冒険者である彼女たちにとっても、厳しい物だった。
だがしかし、例外と言うのは存在する。
スルンツ!!スルンッツ!!
「うわぁ…ああ、でっぱりも何も無いから…」
ポーズをある程度誤ったとしても、障害物にとっての
なんなくティオナは言い争っている二人を横目にして突破し…この競技の一位に躍り出てしまった。
勝利はつかめた、けれども何か、別のものはつかみ損ねた。
いや、つかめるようなものが元々なかったというべきか、
「ーーーー何で、納得できないのぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」
だぁぁぁんっと地団太を踏み鳴らし、叫んでしまう心からの悲しみの声。
得たのは勝利の光ではなく、打ちひしがれてしまうような絶望の暗闇のようであった…
「うぇーん!!アルゴノゥト君、ちょっと慰めてぇーーー!!って、アレ?彼は?」
「あ、次の競技に引っ張り出されて行きましたよ。なんでも、女神が御要望しているから、無理やり要求を通した赤白混合二人三脚にだとか…」
「何、それ?」
…どこかの白兎の受難は、まだ終わっていないようである。
…リクエストを受けて、面白そうだなと思って書いたけど、作者からひと言
「ものすっごく、彼女が哀れになった」
なら書くなよ、とツッコミが入りそうですが、筆が変な感じに乗ったので、後悔はしてない。
兎?…うん、まぁそんな星の下に生まれたから別に良いかとは思う。
ネタ的に続くか…でもまだ書きたいのもある
R18の方も少々あるし、執筆速度が安定しないですが、ご了承ください
…なお、一応この作品系列はr18を抜いた一応健全方面ですが、
もしも他作品の中だと、もうちょっと過激な絶望的な比較描写を書いたかもしれない
自重したうえで、抑えたのでマシな方だったりする…哀れに思っているのに?と言うツッコミもあるかもしれないですが、それはそれ、これはこれである。
没ったネタ:
・時系列的に、レフィーヤも参戦させて、気が付いた時には大きな格差が出てきた描写(…流石に、余計に哀れになったので自重)
・シルやヘルンも追加(別の競技に出ていたり、混ぜたらさらにやらかしそうなのでカット)
・男性陣も混ぜての描写
(…ガチ戦闘系障害物競技に使いたい。てか用意しているけど、出せるかな…?出せないまま終わらないことは…うーん…)